17. 08 / 10

Helsinki_Day2

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sekimoto

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> 北欧
> 旅行



ヘルシンキの旅が続きます。

今回はある意味私の原点を辿る旅になっています。この日は私がフィンランドに行くきっかけともなったミュールマキ教会(設計:ユハ・レイヴィスカ)からはじまり、かつて何度となく通ったアールトの建築を見て歩きました。


レイヴィスカの空間には、やはり今回も言葉になりませんでした。私の建築への思いがすべてここに詰まっています。もうここに来るのは何度目でしょうか。

同じ建築に何度も足を運ぶというのは、名作の文学を何度も読み返すのと同じ効果があるように思います。初心に還るとはこういうことなんですね。

来て本当に良かった。そして当時これを見てフィンランドに渡ったのは間違いではなかったと、あらためて確信しました。




そしてアールト自邸。

ここも約15年ぶりの来訪です。あれから私は独立し、いくつもの住宅を作ってきました。そうした経験を経てこの住宅を見ると多くの発見があり、アールトの奥深さを感じ、また共感もありました。

この住宅を経て、アールトはモダニストからヒューマニストへと変貌してゆきます。このヘルシンキの自邸は、この数年後のマイレア邸へとつながる極めて重要な住宅です。

そしてこの頃のアールトに非常に重要な役割を果たしたのは、日本文化であると私は思っています。実際にそうしたアイコンがこの住宅にもいくつも見ることができました。この話はまたの機会に。



アールトスタジオ。アールトは先の自邸兼スタジオを建てた約20年後に、自宅の近くに独立した事務所を建てます。

この建物をどう評価して良いのか、昔はわかりませんでした。でもここは今回私の中で大きく評価が変わりました。

例えていうと、この建物はアールトの得意とする油絵の抽象画のようです。ひと目ではその正体を掴ませない。アールトって本当に何者なんだろう。今でも理解しきれていませんが、少しずつその理解が深まっていることはわかります。

また数年後に来てみたい。アールトは建築家の年齢と共に理解が深まってゆく建築なんですね。

この日はその後エスポー在住の遠藤悦郎さんとも合流。いろんなレア&コアなアールトスポットにも連れて行ってもらいました。悦郎さん、いつもながらにありがとうございます!


そしてこの日の最後には、ヘルシンキのアテネウム美術館で開催中のアルヴァー・アールト展へと足を延ばしました。

実は今回ヘルシンキ旅行を決めたのは、どうしてもこの展覧会が見たかったからなんです。

本当に素晴らしい展覧会でした。アールト財団、アルテック、そしてアテネウム美術館が本気を出すとこんなものが見られるのかと、心底感動しました。滞在中もう一度行ってもいいくらいです。


これまでアールトの建築展とか、家具だけというのは随分ありました。正直私はもうお腹いっぱいで、もういいやと思ってしまいます。

でも今回は違います。建築はアールトの一部に過ぎないのだということ。でもその一部である建築の見せ方もすごい。

ここにあるのは全て本物なんです。アールトの原図や直筆スケッチはもちろん、世の中に出回っている全てのコピーのオリジナルがここにあります。これは本当にすごいことなんです。

そしてあんな映像やこんな仕掛けまで。私は終始興奮が止まらず、ずっと鳥肌が立っていました。本当に来て良かったです。


さて明日はクライマックス。
聖地巡礼の旅は続きます。

17. 08 / 09

Helsinki_Day1

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sekimoto

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> 北欧
> 旅行



北欧は冬に限る、なんてたまにツウぶって言う人がいます。スミマセン私もたまに言いますが、そんなわけないじゃないですか。北欧に行くなら夏に限ります。夏に行けなかった時は前述の発言になりますが、それはいわゆる負け惜しみってやつです。

ヘルシンキにいます。少し夏休みを早めに頂いて、家族とフィンランドに来ています。私と奥さんにとってはかつて暮らしていたので、里帰りに近い感覚かもしれません。そのくらい、我々にとってフィンランドは特別な国で、ここに来ると「ただいま!」といつも心の中で思います。今では息子もフィンランドが大好きになりました。しめしめと思っています。

幸い去年にも訪れたのですが、まだ3月の寒さが残る時期でしたので、夏はまったく景色が違います。着いた途端、奥さんが「フィンランドの匂いだ」と言いました。私もそう思います。我々にとって思い出のいっぱい詰まったヘルシンキの匂いは、まさにこの季節のこの匂いなんです。


気温は20度。天気は晴れ。日頃の行いが良かったのだと思うことにします。世に言う、世界で一番快適な夏がここにあります。日本のみなさんごめんなさい。でも言わせてください。天国はここにあります。

夏はこちらは白夜ですから夜遅くまで明るい日々が続きます。旅行者にとってはとてもありがたい季節です。ただもう8月ですから、だいぶ日が短くなって、夜8時を過ぎると少し日が陰ってきます。

この日はホテルに着いて少し休んでから街に出ました。市内のARTEK(アルテック)には日本人のスタッフがいて、日下部さんというのですが、いつもとてもお世話になっています。この日もまずはお店に立ち寄りご挨拶。



思えばアルテックってすごいなと思うのですが、アルテックは建築家アルヴァーアールトらが設立したアールトのデザインした家具や照明器具などを中心に製造販売し、今もなお世界中にそのライフスタイルを発信している会社です。

すごく下世話に例えるなら、アールト財団がアールトの権利を守る芸能事務所なら、アルテックはアールト商品を販売する建築家直営ショップみたいなものです。

それが、そのアールトの死後40年近く経っているのに、いまだそのブランド力が衰えていないというのはすごいことです。

アールト財団やアルテックは、アールトのブランド力とイメージを守るために、今なお様々な活動を行っており、そう考えるとアールトってフィンランドの人たちに心底愛されている建築家なんだなあとしみじみ思います。


さてこの日は、去年はまだ工事中で入れなかったLoyly(ロウリュ)という公衆サウナへ行ってきました。Loylyを設計したのは留学時代の友人でVille Haraらの主宰するAvanto Architects。留学時代は一緒に動物園の物見の塔などを作ったりしました。

Loyly http://www.loylyhelsinki.fi



ここは今すごい人気スポットになっていて、今回友人のアドバイスもあって事前に予約していったのですが、当日来て入れなかった人を何人も見ましたので正解でした。もしいらっしゃる方は、是非事前の予約をお勧めします(サイト上でできます)

中には普通のサウナとスモークサウナの2種類があり、両方を楽しめます。Loylyのサウナは正統派かどうかというのは国内でも意見が分かれるようですが、伝統的サウナを巧みに現代的解釈の上で成立させていて、Villeらしい木を使った切れ味のあるデザインも特徴の一つになっています。

個人的に、息子にこのフィンランド式サウナを経験させてあげられたのはとても良かったです。スモークサウナはもちろん、サウナのあと海にドボン!というのも、こんなことフィンランドでなかったらできないですからね。

あと、息子なりに飛行機の中で客室乗務員に英語で受け答えをしたり、活きた英語を体験してくれています。やっぱり英語は「通じた」って思える瞬間が一番楽しいと思うのです。この夏に英語も好きになって欲しいな。


時差ぼけで目が覚めてしまい、朝からこんなブログを書いています。
今日は一日市内のアールト巡りです。

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sekimoto

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> 仕事
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[お知らせ]

誠に勝手ながら、以下の期間は夏期休業とさせて頂きます。

8月11日(金)~15日(火)

また、誠に勝手ながら私(関本)は一足早く、8日(火)よりお休みを頂きます。進行中の案件につきましては、8~10日は弊社の担当スタッフが通常通り対応させて頂きます。

なお、休み期間中も私は常にメールチェックはしていますので、緊急性の高いものにつきましては、上記期間中でも出先から対応可能な内容の返信はさせて頂きます。

また、もし家づくりの設計相談などでお休み中に来所されたいという方がいらっしゃいましたら、14~15日でしたら事務所にて対応が可能です。どうか気兼ねなくご連絡下さい。(事務所の電話には出られませんので、ご連絡はメールでお願いします)

関本メールアドレス: riota@riotadesign.com

17. 08 / 03

Artekとの打合せ

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sekimoto

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> 北欧
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今日は某企画の打合せのため、原宿のArtek Japanのショールームにお邪魔してきました。水面下では色々わくわくするようなプロジェクトが進行中です。

といっても、建築のプロジェクトではありません。私は本業の設計以外にもいくつもの顔を持っていていつも大忙しなんです。

建築もそうですが、どんなに長く地道な準備期間を経たとしても、世間の目に触れるのは最後のほんの一瞬のことです。ですが、私はやっぱりこのプロセスが一番楽しい!関われることが嬉しい。

計画屋の本質は裏方屋なんだと思います。

17. 08 / 01

亀がたまごを

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sekimoto

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> 生活
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亀がたまごを産みました。びっくりです。

我が家にはもう5年くらい飼っている亀がいます。自宅のガレージにある日迷い込んできた迷い亀です。出会いからしてちょっと不思議な亀でした。以来自宅で飼ってきましたが、亀の生態には驚かされることばかりです。

まず”のろまな亀”とよく言いますが、亀早いです。知ってます?亀って走るんですよ。たまにスイッチが入ると、びっくりするような早さで走るんです。

足が短いので、歩く度にお腹が床についてコツコツ音がするんですね。ちょうど女性がハイヒールで歩くような音がします。だから走ると、コツコツコツコツ~!ですね。けたたましい音が廊下に鳴り響きます。

それと空間認識能力がはんぱないです。自宅の隅々まで、どこに隠れられるかを知り尽くしています。毎日がかくれんぼです。いなくなると、だいたい2~3箇所のお気に入りスポットがあるのですが、そこにいないと迷宮入りしかけます。どこにも見当たらず、数週間後に埃だらけで現れたりするので、おまえどこ行ってたんだ状態です。

また暗い廊下でうずくまっていたりすることもあるので、スーパーマリオのようにたまに蹴っ飛ばしてしまいます。すると鳴くんですよ。亀ってびっくりしたときに頭を引っ込めるんですが、その時に「ひっ!」ていう感じで鼻から息を吸うんですね。その時に「キュッ」ていう音がします。これがなかなか可愛い。蹴っ飛ばしておいて可愛いとは申し訳ないですが。

冬には洗面所の隅で動かなくなります。冬眠ですね。本当にスイッチが切れたようになるんです。冬の間は一切エサを口にしません。でも春になるとまたスイッチが入る。本当に不思議です。

さてそんな我が家の亀(ちなみに名前などという高級なものはありません。家族からただ”カメ”と呼ばれています)が、ここ数週間挙動不審で、やたらと家中歩き回ったり、かと思えばエサを急に食べなくなったり、病気かなと思っていたら産みました。たまごを。しかも2つも!5年近く飼ってはじめての出来事です。

それでうちの亀は雌だったということがわかった訳なのですが、雄がいないので卵も残念ながら孵化することはありません。

たまごを産んだあとは、それまでの忙しない動きが嘘のようにピタリと動かなくなってしまいました。よほど体力を消耗したのでしょうか。少し心配です。