今週引渡しをする住宅に設えた木造カーポート。屋根は立平葺きにしていたのだけれど、昨日2階の窓から見ていたらハゼの先を全倒し(通称しののめハゼ)にして下さっていることに気がついた。

この葺き方はそれなりの技量がないと難しく、今回はいつもの板金屋さん(新井勇司さん)ではないしカーポート屋根ということで、特に葺き方までは指定をしていなかった。

実は数年前に同じ工務店でこの葺き方を指定したら、技量不足から失敗した経験があり、それもあって私も相手の技量を見極めて、むやみに誰にでも難しい納まりは言わないようにしている。

もしかしたら数年前の仕事で失敗したことをずっと悔やんでいたのかもしれない。あるいはそれを知っていた上の職長が今回はやったのかもしれない。いずれにしても、何年経っても私という設計者を覚えていて、関本さんの納まりはこれだと認識してくれていたことが嬉しかった。

関本さんはこれなんでしょ?今回は上手くやっておきましたよ。そんな無言のメッセージにじんときた。

今回はクロス屋さんもとても腕の良い方で、その仕事に賭ける心意気に感じるものがあり名刺交換を申し出たら、設計者から名刺をもらったのははじめてだとすごく感激して下さった。

今回の現場は特に気合を入れて下さったようで、いつも以上に事前に練習して現場に臨んでくださったらしい、という話を現場に居合わせた建て主さんから後日聞かされた。手にはマメがいっぱい出来ていたとのこと。こちらもじんときた。

ありがとう!


先週末に開催されたオープンハウスにお越しくださった、友人建築家の小山光(Key Operation)さんが、私自身による空間の解説動画を撮って下さいました。

小山さんという方はとても器用な方で、行く先々でショート動画を撮っては、写真をレタッチするような感覚で短時間で動画編集してインスタなどに上げておられます。今回は私のオープンハウスのレポートを兼ねた長尺の解説動画を作成くださいました。許可を頂いて以下のチャンネルにアップしましたので、週末に見学できなかった方や、我々の対応が手薄であまり解説が聞けなかったという方もどうかご覧下さい。

最後は収録後にただ立ち話をしているつもりだったのに、いつの間にか撮られていました笑。無防備にフリートークをしている方が、もしかしたら本音が出ているかもしれませんね。

■「越屋根の家」設計者による見どころ解説!
https://youtu.be/K5-cVxffkKc

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「越屋根の家」オープンハウス2日目終了。

2日を通して多くの方にお越し頂きました。朗らかな陽気の中、普段仲良くしていただいている建築家仲間、尊敬する大先輩、学生さん、建て主さん、また工事に関わってくれた監督や大工さんまで!皆さまと楽しくお話しできて、スタッフ共々幸せな二日間を過ごさせて頂きました。お越しくださった皆さま、本当にありがとうございました。

今回多くの方から「集大成」というお言葉を頂きました。言われると確かにそうかもしれません。もしかしてオレ死ぬのかな?やりきったところでぽっくりも悪くないかもしれませんが、まだまだやるべきことが山積みです!汗

来場者がすべてお帰りになったところで、建て主さんからサプライズのプレゼントがありました。スタッフ一同大喜び!お手紙が添えられており、事務所に帰ってから開封したのですが、涙で読めませんでした、、。

本当に長かった。けど楽しかった!!そんな思いが建て主さんと共有できて本当に良かった。我々の仕事の目的でありゴールは、建て主さんに喜んで頂くこと。これ以上でもこれ以下でもありません。

このたびのご縁とお仕事に心から感謝いたします。
関係者の皆さまお疲れさまでした!!









このたび川越市に竣工する住宅のオープンハウス(内覧会)を行います。

川越で観光農園を営む農家さんの母屋建替え計画です。
屋根を農家の伝統的な越屋根形式とすることで、佇まいを地域からも浮き立たせることなく馴染ませ、リビング空間にもダイナミックな架構を表出させるとともに、通風や採光などの機能も担わせています。

住まいの設えにも細やかな創意と工夫を凝らしていますが、この住宅のためにコーディネートした家具や造園など見どころの多い住宅になっています。建築関係者のみならず、一般の方もご見学が可能です。どうか多くの方に見て頂けたらと思います。


「越屋根の家」オープンハウス

2023年
11月18日(土) 10:00~16:00
11月19日(日) 10:00~16:00


場所:埼玉県川越市南大塚
最寄駅: 西武新宿線「南大塚」駅より徒歩20分
車の場合:関越道「川越IC」より約5分
近くに大きな駐車場(無料)があります。お車の方はそちらをご利用ください。

☆見学希望の方は、メールよりご連絡下さい。折り返しご案内をお送りします。(担当:関本・岩田)
info@riotadesign.com

皆さまのお越しをお待ちしております!





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sekimoto

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川越市で進めている「越屋根の家」がまもなく竣工します。計画から2年半がかかりました…感慨もひとしお。竣工に向けて現場は臨戦態勢、そしてカウントダウンがはじまっています。

今週はようやく藤沢木工所による家具が入り、だいぶ空間の輪郭が見えてきました。ほんと、もうあと少し!です。

この住宅では建物以外にも、家具のデザインなどにもいくつか力を入れているところがあります。詳細は完成してからのお披露目になりますが、我々のお楽しみは、リオタデザインオリジナルのスツールがこの竣工に合わせてお披露目予定であること!

このスツールの座面はいくつか種類が選べるのですが、そのうちのひとつに好きな生地を張ってご提供するというのがあり、一旦サンプルとして私の好きなミナ・ペルホネンの生地バーションを作ってみることに。


実は9月に北欧家具taloさんに伺ったのは、この椅子の生地張りのやりかたを教えてもらうためでもあったのでした。おかげで”日本一の張り地職人”を自称する山口太郎くん(オーナー)から直々にコツを伝授して頂き、この時に撮った神動画をみんなで何度も見直しながら作業をさせてもらいました。




この通り、なんとか2種類の座面がこの通りできあがりました!
はじめてにしては上出来だと思いませんか?

とはいえ細かいところに目を凝らすとツッコミどころも多々ありまして、、張り地職人への道はまだまだ遠いね、というところをスタッフとも共有しました。やっぱtaloのオーナーはすごいな!というのが結論です笑

こちらのスツールのラインナップ、そしてオリジナルテーブルなどもこの住宅に間に合わせて製作予定です。ついでに外部で使えるデッキベンチ家具などもデザインしています。こちらもどうかお楽しみに!!