2017年竣工のDECOも来年で10年。ここのところ築10年越えの案件も増えてきて、そんな建て主さんからの10年目のご相談も多く頂いています。

DECOでは現在外構まわりの改修の相談に乗っているのですが、竣工時に植えた木も10年で相応に繁り、手入れが追いつかなくなって悲鳴を上げておられました。私の自邸では毎年一回、お決まりの植木屋さんに剪定をお願いしているのですが、一般の方だとプロの方に定期的に剪定に入ってもらう方は多くはないようです。DECOも気づけばこんな感じに、、。

そこで、うちのお庭をお願いしている植木屋さんをご紹介して10年間でボサボサになった”髪”をばっさり切ってもらうことに!結果としてこんな感じになりました。



まるで別人ですか?というくらいにスッキリしましたね。ちなみに竣工時の植栽はこんな感じでした↓↓


一見するとどっちが竣工写真かわかりません、、。

我々も10年経てば10歳ぶん歳を取って、体にもいろいろとガタがくるもの。小さかった子供も大きくなります。あの頃に戻りたい、、と思ってもそれは叶いませんよね。

でも植栽ははさみ一本で時間を巻き戻すことが出来るんです。なんとも羨ましい!こんな風に、体のメンテナンスと同様こまめにはさみを入れて、すまいの”体型維持”に努めて頂ければと思います。この秋の改修の様子もまたお伝えしたいと思います。

DECO
https://www.riotadesign.com/works/17_deco/

一昨日の住宅部会のテーマは「お金の話」。設計料のこと、設計契約のこと、現場でのトラブル、裁判沙汰の話?など、ここでは書けないオフレコ話で盛り上がりました。こういう話は表立ってはなかなかできず、人の話もあまり聞くこともないのでみんな興味津々!

この日思ったのは、自分の常識は他人の非常識なんだなということ。私もそうですが、誰に教わったわけでもなく、独立してから試行錯誤を重ねて皆さん現在のスタイルを作り上げているんですよね。

みんな我こそは本流という体でお話しされますが、私からしたらどれも真似できないことばかり。丹羽修さんの「契約時には施主が希望する条項をひとつだけ入れる」という“ひとつだけ願いを叶える”方式も面白くて目から鱗でした。

若手からベテランへも質問が多く飛び交いました。私も駆け出しの頃、こんなふうに教えてくれる先輩が周りにいたらと羨ましく思いました。

この日はできませんでしたが、「過去にやらかしたとっておきの失敗話」なんていうのも個人的には美味い酒の肴になりそうです笑

先日はスタッフに「駆け出しの頃に味わった悔しくて涙が出た話」をあれこれ話したのですが、まだ自分の中にも未発掘エピソードが眠っていたことに気づきました。記憶の底に封じ込めたあれやこれや。またいつか文章にして供養してみたいと思います。

『JIA建築年鑑2025-2026』(日本建築家協会)が発刊され、我々の「越屋根の家」を日本建築家協会優秀建築選2025の100選に選出いただきました。本建築選は、JIA会員のみならず国内のその年度の優秀な建築作品を選定するというもので、今回の建築大賞は「霞ヶ浦どうぶつとみんなのいえ(高橋一平氏)」でした。

この分厚い年鑑は会員のもとには毎年届くのですが、その年の“顔”になるような話題作が並びます。どれも自分には縁がないと思えるような作品ばかりで気後れしていたのですが、今回はこちらの選に混ぜて頂き本当に光栄で嬉しく思っています。

ここ数年はメディアやアワードに出すことにも少し億劫になっていたのですが、もう少しチャレンジしていこうと気持ちを新たにしました。建主さま、工務店のみなさま、担当してくれたスタッフにも感謝です。どうもありがとうございました!

本年鑑はAmazonなどでも購入できます。ご興味ある方は是非お手に取ってみてください。

JIA建築年鑑2025-2026 第21巻
https://amzn.asia/d/0gyg1zDC


26. 07 / 29

思想が大事

author
sekimoto

category
> 仕事
> 思うこと


過去事務所のスタッフには新卒もいれば転職組もいる。ただ私の経験上、新卒に比べて転職組の定着率は低いという傾向がある。これは私の偏った考えかもしれないけれど、構わず進める。

新卒に比べて転職組は前職の積み上げた経験が活かせるので、即戦力としてカウントできるのは採用者にとっては大きなメリットだ。一方の新卒は右も左もわからないところから地道に仕事を教えていかないといけないので、バリバリ仕事をこなしてくれるまでには1~2年の育成期間が必要になる。根気も必要だ。

ところがそのあと実力が伸びて、長く事務所に貢献してくれるのは圧倒的に新卒の場合が多い。転職組も、新卒で入った会社を1年以内に辞めて来た人は新卒と同じ傾向を見せるけれど、3年以上勤めて転職してくる人はちょっと厳しい。

もちろん仕事は一通りできるし、社会人としての常識も備えているのでその点は問題ないのだけれど、あえて言うなら「思想が違う」と感じてしまう。

それくらい、大学を出て初めて勤める会社の影響というのは大きい。とてつもなく大きい。人はそこで社会を教え込まれる。

同じ業界であればどこに行っても同じような慣例はある。けれど会社が変われば思想が変わる。昨日の当たり前が、今日から非常識になる。サッカーがバスケになるくらい変わる。多くの場合、そのパラダイムシフトに苦しむ。

ある程度個人に裁量が与えられた組織系の会社なら、転職してもあまりギャップはないと思う。でも我々のようなアトリエ事務所は違う。主宰者が個人で積み重ねた仕事観や価値観が、思想の前提にあるからだ。

大学を出て最初の会社に勤めようというとき、人はすごく考えると思う。自分の得意分野や、やりたいこと、将来の夢など。それを踏まえて選んだ会社に入社する。

つまりその時点でその人は「思想」を選んでいるのだ。それが数年経ったら思想が変わるなんてあり得ない。よく分からずに入ってしまったとしても、その環境に3年以上もいたということはそれなりに居心地が良かったからで、つまりその職場選択は間違っていなかったとも言える。あるいは相当に鈍感だったかのいずれかだ。

だからその人が転職するとしたら、その思想の延長線上にあるものを選ばないと後悔する。人の好みは変わっても、思想はなかなか変わらないからだ。

何が言いたいかというと、転職の話ではなく、最初に選ぶ仕事がいかに大切であるかということ。

嫌だったら辞めれば良いなんて絶対に思わない方がいい。終身雇用の時代ではないとしても、一生その会社に骨を埋めるくらいの覚悟で仕事や会社を選ばないと後悔する。人生何度でもやり直しは利くけれど、最初に良い選択をした人には敵わない。それは私が人生で学んだことだ。

転職で失敗する人を見ながら、ちゃんと最初に良い会社選ぼうよって思う。会社の規模とかお金じゃなくて、思想が大事。学生さんにはそう言ってあげたい。

私が所属するJIA住宅部会では、今年度部会長の小山光さんの企画で「建築家の家づくりトーク」と称した建築家による家づくりトークシリーズを展開しています(内容はすべてYouTube公開されます)。

こちらはいわゆる設計者目線の”作品紹介”ではなく、実際の住宅事例をもとに、リアルな建て主さんとの家づくりプロセスを紹介するというもの。第2回目は私がご指名頂きましたので、2023年竣工の「越屋根の家」の家づくりプロセスについてお話しさせて頂きました。

「越屋根の家」は竣工までに2年半もの時間がかかりました。おかげさまで数多くの賞も頂きまして、我々にとっても代表作となった住宅です。その浮世離れしたビジュアルから、一体どんな人が暮らしているのだろう、自分たちとは縁のない世界の人なんじゃないかと誤解される方もいるかもしれませんが、実際の建て主さんは本当に素朴で、ほかの建て主さんとも何ら違いのない建て主さんです。

今回の話の中では、この建て主さんとの出会いや設計依頼のメール、実際にどんな要望を頂いたのかなど、建て主さんのご許可を頂いてかなり赤裸々な情報まで紹介させて頂きました。

最後には建て主さんからのお手紙まで。その文面を見ると、一般の建て主さんが設計事務所を選ぶ際に一体どこに迷い、そしてなにが依頼の決め手となるのかなどのヒントが詰まっています。

聞き手の小山光さんの引き出し方がうまいので、ついつい余計なことまでしゃべってしまったと動画を見返しながら反省しているのですが(恥ずかしい、、)あえてノーカットで公開していますので、普段セミナーや公開の場では話さないあれやこれやについてもお楽しみ頂けたらと思います。

◇
■建築家の家づくりトーク#2
越屋根の家/関本竜太| 地域の風景を受け継ぐ越屋根という選択

https://youtu.be/q0-7TSh-p30?si=0EJFhWkHEPWgwek_

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