今日はフィンランド大使館にて、フィンランドの国民的俳優でありヘルシンキのパブリックサウナLöylyのオーナーでもあるヤスペル・ペーコネン氏と、隈研吾さんの息子さんで事務所パートナーでもあるクマタイチ氏による「サウナと共有スペース」をテーマにしたトークセッションがありました。

ヤスペルさんは、今週末からはじまるWOWWOWオリジナルの日フィン合同制作ドラマ「Blood & Sweet」で女優の杏さんとダブル主演を務めることでも話題になっていますね。

セッションではクマタイチさんによるオリジナルのサウナ建築の話やヤスペルさんのサウナへの思い、Löylyの建築にまつわるオーナー目線の考えなど、普段聞けないような話ばかりで大変貴重な時間でした。

以下はヤスペルさんによるLöylyの建築エピソード。
「オペラハウスや美術館のようなサウナを作りたかった。サウナだけでなく食事も楽しめて、そしてそれを建築家が手がける。パブリックサウナにはそれが一番大切なことだと思った」
「それまでそんな施設はなかったから、当時は誰からもクレイジーだって言われた。ところがオープンしたら行列ができたし、今ではこれを真似したサウナが世界中にできている。やっぱり人々が求めていたのはこういう場だったんだと確信が持てた」

このたびのご案内ありがとうございました!ドラマも楽しみです。



昨日はToivoでのマンションリノベ塾。小谷和也さんと共に特別講師として登壇させていただきました。マンションリノベはあまり機会がないので、基礎的な設計の心構えのようなお話を前半にさせていただき、後半は設計講評をさせて頂きました。

設計のレベル差があると事前に聞かされていましたが、皆さん力作ばかりで驚きました。小谷さんのリノベスタイルはもはや業界標準になりつつあることも感じました。すごい影響力、、

これまでのマンションリノベといえば、内部のインフィル設計であり間取りやインテリアの改修というイメージでしたが、小谷さんやToivoさんの手法は断熱や遮音、室内環境性能を十分に担保した上で、自然素材を多用した極めてデザイン性の高いリノベーション。今リノベ界隈では圧倒的に支持を受けている方達なのです。

懇親会もモチベーションの高い塾生の方たちとの交流を楽しませてもらいました。そのあとは小谷さん、友政さんほかToivoメンバーと遅くまで二次会に。久しぶりに大いに笑った楽しい夜でした。友政さん、小谷さんお疲れ様でした!




観音崎に建つ戦没船員の碑まで。吉村順三さんによる設計だが、担当に当たられたのは当時吉村さんのもとで助手を務めておられた益子義弘さん。竣工は1971年なので私が生まれた年になる。

以前から興味を持っていたところ、住宅建築4月号に益子さんが寄稿された記事をきっかけに、背中を押されるように足を運んだ。

時間が止まったようだった。記事の写真で見る碑は汚れひとつなく、海風に洗われる場所に50年以上も建っているとはとても信じがたかったのだけれど、実際に足を運んで納得した。考え抜かれたディテールと素材の選択。この場所にこの碑のために込められた無数の設計上の配慮と思いの集積を感じた。

特に白磁タイルの扱いはこれまで見たことのない繊細さで、野暮な解説は避けるけれどとにかく衝撃的だった。これが50年超の風雨に耐える素材の扱い方なのだとあたらめて感じ入った。

三角形の折り紙を軽く折り曲げただけのような造形でありながら、視覚的な調整が随所になされ、どの角度から見ても同じ見え方がない。何より海景へとつながる動線の導き方が絶妙で、飽きることなく何度も上がったり下がったりしながらそのシークエンスを体感に刻んだ。

先の大戦では軍艦のみならず、非武装の民間の商船が敵国に狙われ沈められた。その数7200隻、6万人が犠牲になったという。今は平和なその海を臨むこの場所に、その犠牲者や遺族に寄り添う静かで懐の深い碑のあり方にただ心を打たれた。小春日和、心安らぐ良い休日になった。




弊社設計の「drop」をDuravit社のメインサイトに紹介事例として掲載頂きました。

>> drop|Duravit

Duravitはドイツのトップブランドですが、弊社では8年ほど前から水回りに採用しています。目玉が飛び出るような値段のものもありますが、なかにはリーズナブルなものもあり、毎日使うものでもあるので多少値が張っても良いものを選ぶようにしています。

今回の掲載は日本法人の代表から熱いオファーを受けたことがきっかけでしたが、掲載がワールドワイドページということもあり、ドイツ本社にも掲載事例をめぐっては長い時間をかけて協議頂きました。さすが世界のデュラビット、事例ひとつ載せるにもこんなに厳しい審査があるのかと逆にびっくりでした。

結果的に世界のトップホテルやラグジュアリー案件に混ざって、我々の庶民的な狭小住宅がフォーカスされるという不思議な構図となりましたが、大変光栄なことで嬉しく思っています。

>> 導入事例

日本の建築家設計による木造住宅のクオリティは世界一だと思います。Japanese Tiny Houses を今後とも海外にアピールできればと思います!


この春3人目のオープンデスクは、東洋大学の浦愛海さん。いつもは設計課題を出してエスキスするのだけれど、今回は実験的に造形演習課題を出題することに。

一枚の紙に、切る、折る、曲げるといった単純操作を加えるだけで出来上がる造形を、最終的にはスケールや空間認識にまでつなげる。この課題の良いところは難しいことを考えずに無心になって取り組めるところ。コンセプト教育の弊害か、直感に従えばわかることを、こねくり回しすぎて迷路に入ってしまう学生のいかに多いことか。

コンセプトや奇抜な形を無理やり捻り出すのではなく、思いもよらない形の発見から、そこに“空間のタネ”を見出してもらいたい。ルールの発見は建築のはじまりにつながる。

浦さんはとても勘の良い子で、こちらの意図通り初日からどんどん形を生み出してくれた。あっという間にダンボール箱がいっぱいに!

行き詰まったら手を動かす。無心でやれば形が見える。新年度からの大学でも、今回学んだそんなブレイクスルーを活かしてほしい。