月曜日は非常勤を務める日芸2年生のスペースデザインⅠ、前期第一課題「Folding Space」の提出でした。
ノースケールではじめた手作業(手遊び)による造形に、最後はスケールと用途、そしてストーリーを与えて、それぞれの造形の延長線上に建築の”種”を見いだしてもらいました。
手のひらサイズの造形が、スケールを与えることでハンモックのようなものから、街のランドマークになりうる巨大建築にまで化け得るという建築の魔法。最後は皆個性的なアウトプットで楽しい講評となりました。学生同士で張ってもらった付箋の数(いいね!)が励みになってくれることを願います。
それにしても今回義務づけたイメージスケッチ、美大生らしくどんな表現を使ってくるかと思いきや、8割方は画像生成AIでした。
これは今回考えさせられたことで、元になっている造形は学生本人のオリジナルなので安易にAIで成果物を作ったわけではなく、彼らはそれをどう見せるか、どう表現するかというツールとしてAIを使っているに過ぎないということ。プロンプトの使い方に創造性が試されているともいえます。
少し前だと、画力のない学生は素朴な絵に色鉛筆みたいな表現で、イラレや3Dを使いこなす学生と表現の格差が開いていましたが、良い意味で皆が同じ土俵に並んだ感があります。
教育とAIの話はこれから向き合わなくてはいけない問題ですが、画力のあるなしにかかわらず、彼らのイメージをよりクリアに表現してくれるという意味では学生にとっては十分なクリエイションツールになっているように感じました。久しぶりの非常勤でちょっと浦島太郎状態です。
日芸2年生のスペースデザインⅠ、前期第一課題「Folding Space」の今日は中間発表を行いました。A4サイズのケント紙に切り込みを入れて単純操作を繰り返してできる造形、その偶然の発見を大切にする。考えるのではなく感じて欲しい。美大生のポテンシャルを最大に引き出すために考えた課題です。
それにしても日芸の学生はみんなとても個性的。髪の毛もカラフルで、それがとっても良い!こういう子たちは大好きです。この日も思いもよらない造形が並びました。私は評価には参加せず、みんなで投票し合ってもらうことに。
授業後半は私が設計した電車で二駅の「ながめの家」に移動して課外授業。設計事務所が設計した住宅を見たことがない彼らに、建築をつくるとはどういうことなのか、空間体験をもとに学んでもらいたい。考えるのではなく感じてほしい。屋上のルーフテラスはそんな彼らには一番人気のスペースでした。
少人数の学生を自由に教えられるこの教育環境は素晴らしいと思います。
もう大学に立つことはないと思っていましたが、7年ぶりに日大に帰ってきました。しかし理工学部ではなく芸術学部(日芸)。今年から2年生を通年で教えます。
一学年300人の大所帯だった理工学部から、日芸はわずか13人!カリキュラムも自分で組み立てるためプレッシャーが半端なかったのですが、若原先生と一緒に悩んで考えた課題はきっとユニークなものになるはず。
初日の今日は想像通りカラフルな髪の学生たちで埋まりました。自由な考えで建築を学んでほしい!
この春二人目のオープンデスクは、東京電機大学2年生の河野日奈香さん。去年の夏に応募があったのですが、定員オーバーのため春に再応募下さった学生さんです。
過去の大学課題を見せてもらうと、造形の作り方にセンスがあり、優秀な学生さんであることがすぐにわかりました。
ただ一方で、建築の作り方や考え方に一貫性が持てず、考えているうちに迷子になってしまうということに本人も悩みと課題を感じているようでした。
建築のスタディの方法に正解はありませんが、私流のやり方は、難しく考えすぎず、諸条件を整理しながらとにかく手を動かし、無意識の手の導きから計画の軸を発見していくというもの。
それはあたかもオリンピックのアスリートが、日々の練習で積み重ねたルーティンを自分の血肉にしていくような作業に近いかもしれません。天才ミュージシャンのように、何もしないで「曲が降りてくる」なんてことはないのです笑
大学とはまったく違う教え方に最初は戸惑っていたようですが、次第に線に生気が乗るようになり、最後は彼女らしい造形センスを感じさせる模型まで作ってくれました。しかも、このために購入したエスキス帳もほぼ使い切ったという。すごい!
新年度は3年生とのこと。頭と手の動きを連動させるつもりで、これからもエスキスを続けて下さいね!お疲れさまでした。
この春も多くのオープンデスクの申込みがありました。募集をかけているわけではないのですが、、
この春のトップバッターは、明治大学2年生の宮崎誠太くん。朴訥とした風貌からどんな子だろうと思っていましたが、結果的には過去一番のキャラの立った学生さんでした笑。人を笑わせようと冗談を言っているわけではないのに、その真面目な言動や行動がとにかく面白い。
たとえば初日に言い放ったのは「はじめて埼玉に来ました」。神奈川に住んでいるのに、これまで埼玉県に足を踏み入れたことがなかったとのこと。そんな子いるんだ!?笑
ほかにも指導で話したことを、翌日に愚直すぎるくらい愚直に実行していたりして、そのまさかの行動の数々に毎回ほっこり。私もすっかり気に入ってしまいました。こういう素直な子は、実力も伸びますが、まわりから可愛がられるだろうなと思いました。
学校の課題では締切などに間に合わず、いつも遅刻してしまうのが悩みと語っていた宮崎くん。このオープンデスクでは「時間を守る」をテーマにしていましたが、毎日きっちりと約束のエスキース時間をまもり、最後もちゃんと内容を揃えて時間通りに発表してくれました。もうこれだけで花丸の◎です。
春休みは後期から始まる設計課題に備えたいという、これまた真面目な誠太くん。後期の伸びしろにも期待しています!
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