建築家の伊礼智さんが主宰する住宅の設計スクール「住宅デザイン学校」に特別講師として呼ばれたのは6年前のこと。全国から集まる優良工務店の設計者や若手建築家の指導をということで参加したのですが、いきなり頭をガツン!とやられました。レベルがはんぱなく高い、、!

申し訳ないのですが、この時まで工務店設計者というものをナメていました。そこで出会った工務店設計者たちは、もしかしたらその辺の設計事務所よりもしっかりと地に足が付いていて、確かな線と美しいプロポーションで住宅を考えている人たちでした。今考えると、その人たちも国内有数のトップランナー工務店たちだったわけですが。

いまだに設計事務所の建築家の中には(当時の私のように)工務店設計というものを下に見ている方々がいますが、こういう人たちはそのうち足元を掬われます。そのうち設計事務所は淘汰するんじゃないか、、当時そんな危機感も持ったのを覚えています。

また驚かされたのはその実力のみならず、その学びに対する貪欲さでした。
その後の懇親会では、乾杯で振り上げたジョッキの手を下ろす間もなく質問攻め。講義の中での講評に物足りなさを感じた受講生が、もっと講評して欲しいと列を作るのです。ナンダコレハ!大学の学生なんて、こっちがせっかく時間を作ってあげているというのにちっとも案を持ってきません。

社会に出て実務に携わるようになってもなお、この貪欲に学ぶ姿勢を持ち続けるというのはすごいことだと思います。これが私と住宅デザイン学校との出会いです。結局ちゃんと教えたのはこの6年前の講義くらいで、あとはスポット的に呼ばれたり、スピンオフ的にいろんな形で伊礼さんとは関わり続けて現在に至ります。

そんな住宅デザイン学校も10周年を迎えるということで、これまでの歴代講師陣が昨年1年間をかけて、住宅デザイン学校にてオンラインのリレー講義を行いました。私もその1人なのですが、その講義録が一冊の本にまとまりました。



『伊礼智の住宅デザイン学校|10人の建築家が教える設計の上達法』
https://amzn.asia/d/glPV865 (2022年12月3日発売予定)



講義録といっても、ただそれを文字起こししただけような退屈なものではなく、再編集してあたかも各講師がそれぞれの設計論のエッセンスを書き下ろしたかのような、新鮮な構成になっています。

講師陣の顔ぶれを見ても、(自分のことはいったん棚に上げておきますが)現代の住宅設計界を牽引するトップランナーばかり!私もそこに混ぜて頂けたことは光栄というほかないのですが、それぞれが単著を持つ講師陣が一同に会した本著は、現代日本の住宅設計ノウハウの英知の詰まった一冊ともいえそうです。


ちなみに私は、伝わる設計の極意として以下のポイントについて全力解説しています。

1.緊張と緩和
2.フリとオチ
3.天丼


ほぼ意味不明だと思いますが、詳しくは本書をご覧下さい!




さてこちらも急な告知になってしまいましたが、出版を記念して明日(2日)ふげん社にて、この10人の講師(のうちの何人か?)が集まってトークセッションを行います。オンライン参加もできるそうですので、ご興味ある方は是非こちらもチェックしてみて下さい。



伊礼智と住宅建築家のトークセッション
「これからの住宅設計界、どう生き抜く?」


2022年12月2日(金)19:00~20:30
場所:コミュニケーションギャラリーふげん社にて

■詳細はこちらから
https://fugensha.jp/events/221202irei/

先日、大学同期の友人である与那嶺が大学の教え子を連れて事務所にやってきました。与那嶺はアラップという構造事務所に所属する構造家である傍ら、大学でも准教授として教えています。同期たちはみんな出世してゆきます(じっと手を見る、、)。

大学は新潟にある長岡造形大学というところなのですが、やはり首都圏にある大学と異なり、進路などを考える上でも選択肢に限りがあるとのこと。彼らにより広い世界を見せたいとの彼の親心から、私のようなアトリエ設計事務所や、他の友人を頼って大手の組織設計事務所などにも見学に連れて行ったようです。本当に素晴らしい取り組みだと思います。

学生さん達には我々設計事務所の日常を見て頂き、私からも学生時代の頃の話や20代の頃の悩み、そして現在に至るまでの苦労話などもさせて頂きました。

最後はスタッフも連れて近くのお店へ。学生達の目は本当にキラキラとしていて、スタッフも熱心に彼らに語りかけていたのが印象的でした。また彼らの悩みなども聞きながら、私も懐かしく学生時代を思い出したりもしていました。

その数日後、そんな学生さん達からのお礼のお手紙が送られてきました。
これにはびっくり!

2~3行の感想ではなく、A4サイズの紙にみなさんびっしりと。自分たちの思いや我々の話を聞かせてもらった事についての感謝がそこには綴られていました。私にもなかなかそこまではできません。与那嶺の指導もあるでしょうが、本当に素晴らしい学生さん達です。

まだ何者でもない20代は本当に不安で、進路が見えず孤独を感じると思います。大した話はできませんでしたが、皆さんの心にはそれなりに刺さった話もあったようで本当に良かったです。

先日は遠いところお越し下さり、また素晴らしいお手紙まで下さり本当にありがとうございました!どうか皆さんらしい道を見つけて下さいね。



伊礼智さんの主宰する設計塾、住宅デザイン学校の10周年の記念パーティー。私は講師としての参加でしたが、いつものメンバーがいつものように集まって楽しい時間でした。

優秀な受講生から頂く刺激ももちろんですが、講師陣との対話もやはり大きな学びがあります。伊礼さん、小谷さんはもとより、この日は同世代の熊澤安子さん、若原一貴さんとの対話も楽しかった。今日からタメ口解禁の丸山弾も!

またこの10周年を記念した書籍が出ることになり、そのお披露目もありました。

『伊礼智の住宅デザイン学校~10人の建築家が教える設計の上達法』
エクスナレッジ刊
https://amzn.asia/d/hRdQXQs

私もパートを担当しています。12月3日発売予定です!
こちらもどうかお楽しみに。




季節外れのオープンデスク生が一週間ほど来ていました。佐藤惇生くん、デザインファームの学生さんです。佐藤くんは去年の3月頃、埼玉大学の学生だった時にうちの事務所に来たことがあったのですが、その後紆余屈折を経て、オープンデスク生としてやってくることになりました。

とてもまじめで礼儀正しい学生でしたが、よりによって私が自分でもパニックになるくらい忙しい週だったこともあり、あまりゆっくりと構ってあげられず少し申し訳なかったです。


こんな感じで、移動する電車の中でもエスキースは続いたのでした、、。ホント、こんな時間しか図面を見てあげられる時がありませんでした。



今回もこの暮れに竣工予定の住宅の敷地で課題を出題して、住宅設計に向き合ってもらいました。この一週間でも3つの現場に連れて行きましたが、どの現場でも目をキラキラさせて眺めていたのが印象的でした。

最後は恒例の所内プレゼン!スタッフからも的確なコメントが飛びました。こういう機会はスタッフの建築力を養う意味でも、良い機会になっている気がします。佐藤くんの案はわずか数日のスタディでしたが、とてもリアリティがあり、学びを的確に形にできる力量を感じました。

短い期間でしたが、見聞きしたり体験したことを是非自身の学びにつなげてもらいたいと思います。どうか良い進路に進まれますように!

秋晴れの中、葉山の山口蓬春記念館へ。画室や一部の部屋は吉田五十八氏による設計で改修されています。

御殿場の東山旧岸邸もそうですが、吉田五十八氏の建築は和の様式を踏んでいながら、全体のスケールは洋風建築のようでもあり非常にモダンな印象です。随所に繊細な技巧を凝らしながらも、印象はとてもおおらかで骨太につくられています。とても素晴らしく、学びの多い建築でした。

葉山の神奈川県立近代美術館では、現在マン・レイ展も開催されていて、こちらも素晴らしかったです。葉山にお越しの際は、是非この二つをハシゴされることをオススメします!