丸山弾さんの芳賀町の家へ。不思議な佇まいの家。和でも洋でもない感じ。地面から生えたのではなく、空から降ってきたみたいな、そんな印象の家だった。
室内も抽象化されていて、視線を外に導くための設えだという意図も伝わってきた。「船みたい」田園風景に囲まれた環境を海だとするなら、そんな例えがしっくりくる。たぶん、弾さんが感じた敷地の印象はまさにそんな感じだったのではないか。戦わずに浮かべた。それが導いた答えだったのではないかと想像した。
私なら何ができただろう、と考えるともしかしたらもう少し風景の見え方にヒエラルキーを付けたかもしれない。風景を等価に捉えるというのは弾さんの住宅の特徴なのかもしれない。
空間の抽象化は、同時間に来ていた若原さんに似ているようで違うこともわかった。若原さんは視点が動的で、弾さんは静的なのだ。同じく同時間にいらした石川素樹さんはもっと違う。風景との距離の取り方、視点など気づきがいろいろあってとても楽しかった。
最後はそんなたまたま居合わせたおじさんたちで記念撮影。弾さん、今日はご案内ありがとうございました!
左から、私・石川素樹さん・若原一貴さん・丸山弾さん
金曜日は建築家仲間の小林敏也さん、中村篤史さんが事務所兼自宅に遊びに来てくれました。この日は自宅部分と事務所をご案内する予定にしていましたが、玄関前からディテールに食いつきすぎてなかなか中に入れない。
階段にも食いつきすぎるので、一生2階に辿り着けないんじゃないかと思いました。こんなに2階に上がるまで時間がかかった来客ははじめてです笑
私の自邸は来年で築20年。独立して5年目(35才)という駆け出しの頃の設計でしたが、いまだに不満ひとつない家なので、無知なりに頑張って設計したもんだと思います。2階は滅多に人を上げないのですが、こうしてあらためて同業から様々な角度からのコメントをもらえると、新鮮な発見があってとても嬉しいです。
事務所では私のスケッチブックをくまなく眺める中村さん、本当に熱心です。夜は行きつけのお店で遅くまでお付き合い頂き、最後は終電がない!と慌てて帰って行きました(なんとか間に合ったそうです、ヨカッタ!)
お越し下さりありがとうございました。
建築家仲間の津野恵美子さんの「林を抱く家」のオープンハウスへ。いわゆる豪邸。それも久しぶりに見る規模でした。これだけの規模をグレード感を落とさず、嫌らしさは出さず、品格を落とさずやり切るというのは、単に技術や経験だけではなく、津野さんの持つしなやかな感性のなせる業なのだろうと思います。まずそこに感服しました。
設計をまとめる作業は、文章を書く作業に似ています。どこで句読点を打つのか、改行をするのか、言い回しから言葉の選び方まで、何度も何度も通読して、引っ掛かりを覚えては書き直し、というのを繰り返すことで文章は肉体化し、難解な文章も難解なりに筋が通ってストンと落ちていきます。
私は建築を見るときは、文章を読むようにその人の文体を楽しむのですが、津野さんの文体はとても平易で、長編小説なのにすらすら読める感覚があります。それでいて、チャプターごとに必ず見せ場を作っていて飽きさせない。ずいぶん変わった言い回しをするんだなとか、似たような表現は自分も使うのに全く世界が違って見えるとか、その発見がとても楽しい。
それは津野さんが人任せにしないで、誠実に部分と向き合っているからなんでしょうね。あたたかな空間って、自然素材を使っているかどうかではなく、細部まで神経が行き届いているかどうか、本人が責任を持ってやり切っているかどうかに掛かってくるのだと思います。
そんなことを思いながら見学しました。執筆に丸3年かかった長編小説を2時間で読んだような贅沢な時間でした。津野さん、ご案内をありがとうございました!
『JIA建築年鑑2025-2026』(日本建築家協会)が発刊され、我々の「越屋根の家」を日本建築家協会優秀建築選2025の100選に選出いただきました。本建築選は、JIA会員のみならず国内のその年度の優秀な建築作品を選定するというもので、今回の建築大賞は「霞ヶ浦どうぶつとみんなのいえ(高橋一平氏)」でした。
この分厚い年鑑は会員のもとには毎年届くのですが、その年の“顔”になるような話題作が並びます。どれも自分には縁がないと思えるような作品ばかりで気後れしていたのですが、今回はこちらの選に混ぜて頂き本当に光栄で嬉しく思っています。
ここ数年はメディアやアワードに出すことにも少し億劫になっていたのですが、もう少しチャレンジしていこうと気持ちを新たにしました。建主さま、工務店のみなさま、担当してくれたスタッフにも感謝です。どうもありがとうございました!
本年鑑はAmazonなどでも購入できます。ご興味ある方は是非お手に取ってみてください。
JIA建築年鑑2025-2026 第21巻
https://amzn.asia/d/0gyg1zDC
昨日は都内の現場とハシゴして、小山光さんのD-Scape Kandaまで。場所は神田の駅前、用途は飲食テナントビルということなので、普通に考えたらEVシャフトと避難階段位置を決めたらそれでおしまいくらいのプログラムなのに、条件を整理して突き詰めると、ここまで複雑なファサード操作ができるのかと驚かされました。
それもクライアント側が求めた“映える”外観や、建ものそのものが広告塔になるような存在という要件に見事に応えていて、そこがBtoBの建築にめっぽう強い小山さんの勘所なのだなと思いました。次から次に建物が完成するので、ものすごいスピードで仕事しているのか思いきや、実際にはその真逆でどの建築も3〜4年くらいかかっているという。まるで蝉みたい!
高所が苦手な私は、震える足で屋外階段を降りてきました。(スタッフに笑われました)
この日はお盆休み前最後ということで、夜はスタッフと近くの美味しい中華屋さんで暑気払い。取り止めのない話からディープな話まで、たまにこんなふうに腹の中を語り合うような機会も楽しくて貴重だなぁとあたらめて感じました。
これからしばらく夏休み!私ものんびり、そして会いたい人に会って、行きたいところに行って過ごします。皆さん、良い夏休みを。
category







