
昨日は永福の家のオープンハウスでした。
スケジュールの関係で1日だけのご案内となり、人数集中のため事前申込みも早々に締め切ってしまったので、あまり広くお知らせできずすみませんでした。
敷地は46坪ほどあったものの、建蔽率は40%、壁面後退1.5mという厳しい建築条件があり、建蔽率目一杯を使いながら1.5mの後退空地をいかに使い切るかも同時に考えた計画です。結果として、下町の路地のようなかわいらしいアプローチと庭先が生まれ、奥へと延びる空間は非日常感のあるシークエンスにもなったように思います。
ひっきりなしに見学者がいらしたため、何度かに分けてルームツアーも行いました。ただ設計条件は語れても、どうして設計がそうなったのかは私にも謎ばかり、、。最近どんどん設計が感覚的になっていくのを感じます。
今回は普段あまり使うことのない障子を空間に取り入れたことで、空間に予期しない変化が生まれたことも発見でした。建主さんの持つ教養と文化度が、今回の空間に品格を与え、いつもとは違う場所に連れて行っていただけたような気もします。
お越しくださった皆さま、ありがとうございました!



◇
また建築ウェブメディアの architecturephotonet 編集長の後藤連平さんもいらして下さり、SNS上にて丁寧なレビューを寄せて下さいました。
建築ディテールの話というより、我々の住宅設計への向き合い方に対して、かなり核心的なことを書いて下さっています。
詰まるところ、私のモチベーションのコアは建築そのものというより、人との関わり方のようなことなので、そのようなお話ができて楽しかったです。はじめて来てちょっと見ただけでここまでのことを感じて頂けるとは、やはり後藤さんはすごい方だなと思いました。
以下にもリンクさせて頂きます。
後藤さん、ありがとうございました!

一昨日は今期副編集長を務めるJIA関東甲信越支部の広報誌Bulletinの「他人の流儀」取材で、六本木AXISビルにあるNUNOにて世界的なテキスタイルデザイナーの須藤玲子さんへのインタビュー取材がありました。
須藤玲子さんにはちょうど一ヶ月前、イベント「日本橋こいのぼりなう!」のギャラリートークに参加した際にはじめてお目にかかりました。年齢をまったく感じさせない溌剌とした話し方や、見たことも聞いたこともないような特殊な技法でつくられた布たちにすっかり魅了されてしまい、この人をもっと知りたい!と思ってしまいました。
勇気を出して話しかけ、その場で取材を申し込むという我ながら無謀な行動でしたが、朗らかに二つ返事で受けて下さり今回の取材となりました。
須藤さんの率いるNUNOは、40年前からAXISの同じお店で営業を続けているそうです。創業当時の破天荒な仕事のエピソードや、師事した新井淳一さんのこと、伊東豊雄さんをはじめとした建築家たちとの協働のこと、開発中の見たことないような特殊な布素材のことなど、目を輝かせながら語ってくださいました。
我々建築の仕事と親和性のあるお話もいっぱい聞くことができました。年号や人の名前もすっと出てくるのも須藤さんのすごいところです。
関東甲信越支部のJIA会員さんは、まだまだ先ですが7月15日発刊の夏号をどうかお楽しみに!会員外の方もウェブ版からご覧いただけます。バックナンバーはこちらから。
Bulletin 「他人の流儀」
https://www.jia-kanto.org/online/tanin/index.html
私が日頃行っているインスタ運用のやり方などを話してほしいということで、JIA本部の建築家PR動画推進WG(公式インスタやYouTubeを管轄するセクション)にてミニレクチャーをさせて頂きました。
めちゃ緊張した、、。佐藤会長やプロのコンサルがいる前で私の素人投稿の話をするなど、畏れ多すぎる。平静を装っていましたが、口の中はカラッカラでずっと逃げ出したかったです汗
リオタデザインのインスタフォロワーは現在3.1万人(もうすぐ3.2万人)。業界には5万~10万フォロワーの建築家もざらにいるのでけして多い方ではないと思いますが、1万越えというのは普通にやっていたら行けない領域かもしれません。
■リオタデザイン|インスタグラム
https://www.instagram.com/riotadesign/
かくいう私も、ほんの3年前までは10年続けてもフォロワーが1,000人にも届きませんでした。その後ちょっとしたことからコツをつかみ、そこから現在に至ります。
運用はコンサルに頼んだことはなく、自己流で投稿もすべて自分でやっています。投稿では経験則から学んだいくつかの押さえるポイントがあって、今日はそんなことも含めてお話ししました。
人がフォローしたくなる心理って何だろう?を考えることは、住みたくなる家って何だろう?を考えることと似ているような気もします。飲み会などでインスタの話になると、いつもどうやっているの?という話になるので、これを機にまとめてみました。
同じ内容は先だって、飯塚豊さんの工務店設計塾でも少しお話しさせて頂きましたが、機会あればまたどこかでお話ししたいと思います。会田さん、今日はお声がけありがとうございました!
めちゃ緊張した、、。佐藤会長やプロのコンサルがいる前で私の素人投稿の話をするなど、畏れ多すぎる。平静を装っていましたが、口の中はカラッカラでずっと逃げ出したかったです汗
リオタデザインのインスタフォロワーは現在3.1万人(もうすぐ3.2万人)。業界には5万~10万フォロワーの建築家もざらにいるのでけして多い方ではないと思いますが、1万越えというのは普通にやっていたら行けない領域かもしれません。
■リオタデザイン|インスタグラム
https://www.instagram.com/riotadesign/
かくいう私も、ほんの3年前までは10年続けてもフォロワーが1,000人にも届きませんでした。その後ちょっとしたことからコツをつかみ、そこから現在に至ります。
運用はコンサルに頼んだことはなく、自己流で投稿もすべて自分でやっています。投稿では経験則から学んだいくつかの押さえるポイントがあって、今日はそんなことも含めてお話ししました。
人がフォローしたくなる心理って何だろう?を考えることは、住みたくなる家って何だろう?を考えることと似ているような気もします。飲み会などでインスタの話になると、いつもどうやっているの?という話になるので、これを機にまとめてみました。
同じ内容は先だって、飯塚豊さんの工務店設計塾でも少しお話しさせて頂きましたが、機会あればまたどこかでお話ししたいと思います。会田さん、今日はお声がけありがとうございました!


独立前、ヘルシンキ工科大学(現アールト大学)に留学していた時に関わったプロジェクトがありました。学生を対象とした木造の実施コンペのプロジェクトで、その年のお題はコルケアサーリ動物園の高台に物見の塔をつくるというもの。私も参加しましたが惜しくも佳作どまりで、コンペを獲ったのはヴィッレ・ハラ(Ville Hara)というフィンランド人の学生でした。
その案はラチス状に組んだ木のメッシュのようなシェル構造で物見の塔を作るという大変野心的なもので、当時の私も度肝を抜かれました。Kupla(Bubble)と名付けられたその塔は私もプロジェクトに関わり、その後実現に至りました。すでに20年以上が経つので、最近取り壊されるとか、壊されたとかいう噂を聞きましたが、真偽の程はわかりません。
そんなKuplaが表紙になった本が最近出たようです。
『模型で考える』(彰国社)平瀬有人 編著
https://amzn.asia/d/3RDGKUT
『模型で考える』と題されたその本には、日本では定番のスチレンボードではなく、木や金属や石膏といったナマの素材を使った模型の事例が数多く納められています。そのなかの事例の一つとして、このKuplaの1/20スケールの木の模型が収録されています。

わずか1Pのみの紹介ですが、この模型を見ると当時のことがいろいろと蘇ってきます。私自身もこの模型をプロジェクトメンバーと一緒に作ったからです。
このプロジェクトは、コンペに当選した学生を囲んで、毎週ケーブルファクトリーと呼ばれる工房に集まり、図面を描いたり模型を作ったりして、学生達の手で実現まで導くという日本ではあまり考えられない大胆な教育プログラムでした。
Villeの案があまりに斬新だったため、これをどう実現すれば良いのか皆目見当もつかず、とりあえず模型を作ってみようということになりました。そこで最初に作ったのが、書籍にも納められているこの1/20スケールの模型です。

表皮を覆う木造シェルの部分は薄くスライスした木を、瞬間接着剤を使ってベタベタととにかく張り付けまくったのを覚えています。できあがったのがちょうどクリスマス前のことで、みんなで「できたできた!」と喜び合ったのですが、それはこのスケールだからできたこと。随所に破綻した部分もあり、次はより詳細に、これをもう一廻り大きな1/5スケールで作ってみようということになりました。
こうやってスケールを上げながら、あくまで手仕事で実現性を検証しようというのが学生らしいというか、フィンランドらしいところでもあってとても印象に残っています。
日本なら高度な3D図面を作れば技術力のある建設会社が作ってくれそうな気もしますが、この建設も学生の手で行うという前提があったので、「模型で作れれば実物も作れる」というのは、シンプルですがとても確かな進め方でもありました。



上の写真でうずくまって作業をしているのが当時の私です。奥にいるのは、当時仲が良くて今でも親交のあるフィンランド人の友人Anttiです。その後日本人と結婚して、日本にやってくるときは家族で我が家にも遊びに来てくれます。
こうして巨大な模型ができあがりました!高さはおよそ2m、私の背よりも高いです。手前にあるのが、最初に作った1/20スケールの模型です。

Villeはこのプロジェクトを卒業設計(diploma)として学校に提出して晴れて卒業し、architectの称号も得ました。これはその後EUの卒業設計コンクールでグランプリも獲ったとか。1/5の巨大模型はポンピドーセンターに所蔵されたとVilleからは聞きましたが、ホントですかねぇ、、。
フィンランドは日本と違って、自分一人で設計したものではなくとも、チームをまとめ上げて一つの建築を作りあげる能力も建築家として大切な資質と考えているようで、こういうプロジェクトでも卒業を認めてくれるというのは本当に素晴らしいと思います。

ちなみにVilleはその後、Avanto Architectsという設計事務所を立ちあげ、現在ではフィンランドを代表する建築家のひとりになっています。彼ともフィンランドに行ったときにはよく顔を合わせる仲です。
今では日本でもLoyly(ロウリュ)というサウナ用語が一般化していますが、そんな「Loyly」という名のついた以下のサウナ施設を手がけたのもVilleが率いるAvantoです。たまに日本の番組でも紹介されることがあるので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。

そんな話を語り始めると、まだまだ語り足りない話が山ほどありますが、それはまたの機会に!本の表紙の話からついつい筆が走ってしまいました。
『模型で考える』 書店で見かけたら、ちょっと手に取ってみて下さい!

このたび2023年竣工の「越屋根の家」が、建もの探訪にてオンエアされます。
建もの探訪には去年の3月にFPRをオンエア頂いて以来1年ぶり。累積だと9件目になると思います(FP・路地の家・KOTI・縁側の家・扇の家・壇の家・通り土間の家・FPR・越屋根の家)
設計事務所に頼みたいという方は、毎週録画して観ているという方も多いようです。この番組のおかげでご縁がつながり、設計をご依頼下さった方もとても多くて、我々にとっても大変ありがたい番組です。
◇
■ 渡辺篤史の建もの探訪「越屋根の家」
・3月1日(土)4:25〜|テレビ朝日(関東圏)
https://www.tv-asahi.co.jp/tatemono/
・3月9日(日)8:30~|BS朝日(全国)
https://www.bs-asahi.co.jp/tatemono/
早朝の時間帯ですので、寝坊に備えてタイマー録画の準備をお願いします!
BS放送版のほうは全国でご視聴頂けると思います。ご興味ある方はぜひご視聴下さい。
越屋根の家
https://www.riotadesign.com/works/23_koshiyane/



