
この夏は3人のオープンデスクの学生を受け入れる予定です。この夏のトップバッターは日大理工学部2年の中台優輝くん。
日大理工学部は私の母校なのですが、昔から学生は保守的で大手志向が強く、我々のような住宅系の小アトリエにオープンデスクに来る学生は多くありません。
中台くんはYouTubeで私の自邸動画を見て以来、ずっとうちの事務所のオープンデスクに行きたい!と思っていたそうで、4月に開催したオープンハウスに来てくれて直談判を受けました。
オープンデスク前にも事務所で設計課題を見てあげたりもしていましたが、大学の設計の成績もとびきり優秀で、将来有望な学生さんです。
オープンデスクでは設計課題以外にも、muniスツールを組み立ててもらったり、現場やイベント会場などにもいろいろ連れ回して社会勉強をしてもらいました。
中台くんは(とくに理系の学生は)頭でっかちな学生が多い中で、手も動くし、学生とは思えないスケール感覚や勘の良さがあって、初日からイメージを形にしていく構築力には目を見張るものがありました。
通常だと、もう少し学生らしい素朴な案になるので、褒めながら伸ばしていくのですが、彼はあたま一つ抜けているので、むしろスタッフに接するようにプロ並みの細かい指摘をしたりダメ出しもしました。彼としてはもう少し褒めてほしかったみたいですが笑
元プロ野球監督の野村克也氏は、生前よく「三流は無視する。二流は褒める。一流は非難する」とおっしゃっていました。私もスタッフのことは滅多に褒めることはありません。
今どきの上司なら部下は叱らずに褒めるのでしょうが、私にはなかなかできません。私は仕事のパートナーは対等の関係だと思っているからかもしれません。かくして年々”ボヤキの野村”の境地に近づいているような気もします…。
ともあれ、最後は学生とは思えないとてもレベルの高い提案にまとめてくれました!素晴らしい才能だと思います。だから自信を持って下さいね。(やっと褒めた)
後期も益々の活躍を期待しています!


今年3月に日本橋高島屋で開催されていた『北欧のあかり展』はその後大阪に巡回し、この6月からは九州での巡回展がはじまっています。
■ 北欧のあかり展|九州(福岡)展
6月14日(土)~7月27日(日)
会場:九州産業大学美術館
概要詳細は >>こちら より
以前ブログでもお知らせしましたように、展示に使われているユハ・レイヴィスカの照明器具4点はグッドシェパード教会モデルを含めて私の所蔵品を出展させて頂いています。
そんな折、企画監修をされている小泉隆さんより九州展の様子について写真が送られてきました。九州展は小泉隆さんが教鞭を執られている九州産業大学での開催ということもあり、会場設営なども教え子の学生さんなどと行われたようです。
その中でレイヴィスカの照明コーナーについては、研究室の4年生を中心にグッドシェパード教会の光の効果を再現すべく、特別にインスタレーションを製作されたとのこと!小泉さんから送られてきた資料の一部をご紹介させて頂きます。
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[空間デザイン・制作:木山翔太]
素晴らしいですね!思わず感動してしまいました。
2.8mの天井高を持つ会場に、どうやってこの壁を自立させるかということから難問だったようで、学生さんが知恵を絞りに絞って、この林立するスリット壁を製作されたようです。
レイヴィスカの教会建築は、祭壇の林立した壁から光を間接的に取り込むことで幻想的な空間をつくり出しているのが特徴になっています。1984年のミュールマキ教会では控えめでモノトーンな採光手法だったものが、1992年のマンニスト教会では壁の裏側に色を着彩するという方法で壁の反射光に彩りを採り入れています。
晩年の傑作とも呼べる2002年のグッドシェパード教会に至っては、このスリットにプリズムのようなガラスを埋込み、マンニスト教会で試みた彩りのある反射光とあわせて、時間帯によって刻々と変化する光の”あそび”を最大限に表現した空間になっています。
今回はそれを再現したインスタレーションのようです。実際にレイヴィスカも、今回のように様々な色を壁の裏に取り付けては光の効果を検証したのかもしれませんね。
展覧会もさることながら、学生さんにとっても素晴らしい光のワークショップになったことと思います。照明器具の出展者としても、レイヴィスカの空間をこよなく愛する者としてもとても嬉しく感じました。
小泉さん、資料をお送り下さりありがとうございました。そして学生の皆様、お疲れさまでした。是非いつかフィンランドでも実際の空間を体験してくださいね!



グッドシェパード教会(撮影:関本竜太)

少し前にオープンハウスにやってきた学生がいた。聞くと私の母校の学生だった。珍しい。母校の教育傾向かはわからないけれど、母校の学生は我々が日々向き合うような実務的な木造住宅には興味を持つ者が少ない(ような気がする)。
しかしその子と話して驚いた。その子の家は事務所のすぐ近所にあるという。うちの事務所のことを知ったのは中学生の時のことで、それがきっかけで建築を志すことを決め、高校は私と同じ大学の系列校に進んだという。その後同大学の建築学科へと進み、この夏には私の事務所のオープンデスクに来たいという。
もうひとりいた。聞くとやはり私の母校の学生だった。珍しい。インスタで私のことを知り、自邸のYouTube動画はもう20回以上は見たという。彼もこの夏にオープンデスクに来たいという。でも断られたらどうしよう、そんな不安でこの一週間はずっと緊張していたそうだ。
オープンデスクは原則として断ることはないけれど、今どきこんな熱心な学生もいるんだと驚いた。しかも母校の学生で(と言ったら怒られるかもしれないけれど)。最近の学生の新傾向かもしれない。だとしたら希望が持てる。そしてちょっと嬉しい。
気をよくしたこともあり、このGWに大学の課題の課外エスキスをしてあげることにした。大学の課題を学生と一緒に考えるのは何年ぶりだろう。思えば非常勤をやっていた当時はGWにはよく学生が課外エスキスにやってきた。実務を離れて「建築ってなんだろう」を考える時間はとても貴重で私も頭の柔軟体操になる。
他にももうひとり、、この話はまたおいおい。
最近仕事が増えないのに人ばかりが増える、、まあいいか。この夏は賑やかになりそうだ。

今日は川越蔵の会の皆さまを、「越屋根の家」にご案内。メンバーの一人である建築家の守山登くんは大学の同級生で、昨年の川越景観表彰の授賞式で卒業以来の再会を果たしました。彼は川越ではちょっとした有名人。風の噂で彼の活躍は知っていましたが、これまで会う機会がありませんでした。
日大理工って、同期だけで300人いるので、在学中はほとんど絡んだこともない友人が大多数だったりするんですよね(日大あるある)。今仲の良い日大同期の建築家仲間も、在学中はそこまで仲良かったわけではない人がほとんどだったり。
そもそも長いものに巻かれがちな日大気質の中で、アトリエという茨の道を選んだ奇特な面々は、どこかで惹かれあっていつかは出会う運命にあるとも言えそうです(日大あるある)。
彼には授賞式で案内を約束し、今日ようやくご案内ができました。お仲間の皆さまとも話が弾み、いつも気さくにご対応くださる建主さんにも本当に感謝です。本日はお越しくださりありがとうございました!


