少し前に、うちの事務所の元スタッフでもある柴秋路くん(akimichi design)から連絡がありました。彼が改修設計を手がけた「北鎌倉の舎」が、エクスナレッジから出る新しいムック本に収録されるとのこと。しかも巻頭に掲載になるということで彼もとても喜んでいました。そんな掲載誌が昨日手元に届きました。

『時を重ねる家』
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この「北鎌倉の舎」は竣工当時私も見学させて頂きましたが、彼らしい美意識に貫かれた、丁寧な素晴らしい仕事でした。本書を手に取ってやはりと思ったのは、彼だけでなくその建て主の美意識も素晴らしいということ。

一般的には、建て主から見たら住まいは設計者のセンスに委ねられると思われがちですが、私からすると建て主は触媒のようなもので、その化学反応によって設計者の能力は何倍にもなりますし、なんなら違う物質にすらなってしまうものです。

引き渡されたのちに、ご自身で手を入れられたというお庭や、置かれている小物すべてに愛着と美意識が感じられ、柴くんは素晴らしい建て主と出会ったのだなと本当に嬉しく思いました。

柴くんはもう10年以上も前にうちに在籍していたスタッフです。出会いは私が手がけたカフェの常連さんだったということから、カフェのオーナーが引き合わせてくださったのでした。

初期の仕事でも彼との協働は数多くありますが、当時最も苦労した仕事のひとつであった築70年超の住宅再生「池上の家」は、私にとってもそうですが、彼にとってもその後改修の仕事を多く手がけてゆく上でベンチマークになったのではないかと思います。その後彼とも「あれを経験したら、もう怖いものはないよね」とよく笑いあったものでした。

うちから独立して事務所を構えるスタッフは多くいますが、彼は早くから”リオタデザイン”から抜けだし「自分らしさ」を確立していったように思います。私は彼を高く評価していましたが、なかなか継続的な好仕事に恵まれずに苦労している様子も見ていましたので、今回の掲載を本当に自分のことのように嬉しく思っています。

うちから独立したスタッフたちは、経歴にリオタデザインの名前を誇らしく冠してくれているようです。
過去にある独立したスタッフからは「しばらくはリオタデザインの名前で食べていきますので、関本さんももっと活躍してください!」と言われて、おまえの実力じゃないんかい!とツッコんだことがあるのですが、これからは「最近活躍している○○って、あれうちの元スタッフなんだよね」と積極的に弟子自慢をしてゆきたいと思います。笑

柴くん、もっと有名になって僕を食べさせてくださいね!

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柴 秋路(あきみち)|akimichi design
https://akimichi-design.com/

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昨日のブログ内容とも少しリンクするのですが、最近感じる自身の仕事観について書いてみたいと思います。

私は現在51歳。50代になりたてです。同じく10年前は40代になりたての年代でした。40代から見て50代ははるか先のこと。今の私にとっての60代と同じくらい未来の話でした。

私にとっての40代というのは、仕事も少しずつ安定してきてはいるものの、まだまだ上り坂。まだ見ぬ世界に向かって仕事を積み上げている状態でした。当時の私にとって50代の建築家たちというのは当代のトップランナーたちという位置付けで、とても眩しく、必死にそこに追いつこうとしていました。

ところが自分が50代になってみるとどうかというと、50代というのはなかなか微妙なお年頃だなということに気づくのです。

どう微妙かというと、確かにかつて出来なかったことも、今や出来るようになっています。知らなかったことは、今や知識が備わっています。あの頃お近づきになれなかった人とは、今や親しい間柄になっていたり。なにもかもが、あの時よりも進歩していることを感じます。歳を取るって素晴らしい。出来ないことが出来るようになるってなんて素晴らしいのだろう!と心から思います。

ところがです。理屈の上では「出来ないことが出来るようになっている」のに、実際には少しずつ「出来ないこと」が増えていくんです。それが50代ってやつなんです。それはこの歳になってわかったことでした。

これは体力が落ちたからとか、そういう身体的なことじゃないんですね。成功体験を積み重ねると、失敗ができなくなるってことなんです。

もう少し正確に言うと、失敗できないというより「失敗しなくなる」といったら良いのでしょうか。どうして失敗しなくなるかというと、それまでたくさん失敗をしてきて、どうやったら失敗しないかを身をもって知るからです。失敗することを知っていながら前に進む人はいませんよね。これは電気がビリビリってなる棒を、一度体験したら二度と触れなくなるのと同じことなんです。

もちろん今でも細かいレベルではたくさん失敗はしているのですが、大きな失敗をするかもしれない道は自分でも直感でわかります。だから出来なくなるし、結果として失敗もしなくなるんです。

失敗をしないって、これって良いことなのかな?社会的には良いことでしょうね。でも私の中の直感は、それって良くない!と言っています。そんな人生つまらない!でも失敗はしたくないんです。電気がビリビリする棒はもう二度と触りたくないんです…。

これが私の思う、50代という微妙なお年頃の正体です。

これってどうしたらいいんでしょうね。失敗だらけの若い子にはわからないかもしれませんが、失敗しないって実は怖いことなんですよ。固まりつつある自身の思考回路をどこまで柔軟にしていられるか、追いかけてくる老いとの戦いだなと最近つくづく思います。


今日は久しぶりに「しだれ桜の家」へ。しだれ桜の家は2013年に竣工したので、かれこれ10年になります。ちょっと気になることが出てきたとご相談を受け、それでは10年点検を兼ねましょうということでお邪魔させて頂きました。

ただこちら、本当にきれいにお使い下さっていて、浴室の木製建具もほとんどカビなし、水栓も竣工時のままピカピカでびっくり!感動しました。建て主さんの住まいへの愛着を感じました。



もう10年、あるいはまだ10年…。

この10年でいろいろなことが変わりました。当時のスタッフのこと、各所の素材使いや仕様のこと、はたまた身の回りの人間関係やら自分自身のこと。なんだかあれから20年くらい経ったんじゃないかと、まるで浦島太郎のよう、、。点検と共についそんなことを考えてしまいました。

10年後、自分はどうしているだろう?ちょっと想像がつきません。この10年と同じくらい成長できていることを願います!


カーテン類などは住宅のオプションのようなもので、竣工後に建て主さんが好きなものを付けるというのが通例ですが、うちが設計する住宅では竣工時にカーテンの代わりにロールスクリーンを取り付けた状態でお引き渡ししているケースがほとんどです。ないとご入居後に困ってしまいますので。。

私の自邸も含めて、いつもニチベイさんにお願いして定番仕様のスクリーンを取り付けて頂いているのですが、今回タイアップのお話を頂きまして築15年の我が家のスクリーンの一部を交換して頂き、取材までして頂きました。ニチベイさんありがとうございました!

【なるほどブラインド】
“透明な壁”とロールスクリーンで家族も街もつなぐ家
https://www.nichi-bei.co.jp/column/58/

今回庭側と道路側には「ha・na・ri」というブラインド風のスクリーンを取り付けて頂いたり、ロールスクリーンも色をグレージュ系のこれまで使ったことのない色を使ったりと、リビング周りのスクリーンを一新してみました。上記のリンクから、どうかサイトのインタビュー記事もどうかご覧頂けたらと思います。




暮れに野地木材工業のYouTubeチャンネル「のじもく酒場」の収録でホテリアアルトに行ったことを書かせて頂きました。
https://www.riotadesign.com/blog/221231.html

上記の前編は益子義弘先生を囲んで、私や伊礼さん、小谷さんらとクロストークを展開するものでしたが、こちらの後編、ホテリアアルトのルームツアーを設計者の益子義弘先生とともに巡らせて頂いた動画が、以下に公開されました。


https://youtu.be/OAdsXDhLr_c

ホテリアアルトに行かれたことのある方でしたら、ご覧になると「あれはそういうことだったのか!」となると思いますし、まだ行かれたことのない方は、行かれた際には是非ニヤニヤしながら「これはね」とウンチクをご披露頂ければと思います笑。

ふだん作品の多くを語られない益子先生直々の空間解説はとても貴重だと思います。ただこれ、気づくとほとんど私しかしゃべってない、、大好きな空間なだけに視点がマニアックですがどうかご容赦ください笑