ふと入ったお店に懐かしいケトルがあった。フィンランドのOPAというメーカーのケトル。フィンランド在住時代、生活を始めるにあたって、とりあえず近くのスーパーでいろいろ買い揃えたもののひとつで、当時は毎日これでお湯を沸かしていた。

そこで値段を見てびっくり!うそでしょ、1万円以上してる。だってこんなの、地元のスーパーに行けばどこでも売っていたし、いくらで買ったかは覚えていないけど、たぶん日本円でも2~3千円とかそんなものだったのではないだろうか。

そもそもフィンランドという国は物のチョイスの幅がほとんどなくて、ケトルといえばこれしかなかった気がする。カイ・フランクのような著名デザイナーがデザインしたわけでもない、ただの無骨なケトルだ。

店頭のキャプションを読むと、どうやら映画「かもめ食堂」で使われたことから人気に火が付いたらしい。現行品は0.5Lと1.5Lの2種類。ところが我々が使っていたのは1.0Lのタイプ。どうやらこれは現在は製造されていないらしい。現行の0.5Lや1.5Lですらもネットでは売り切れているところが多く、ましてやこの1.0Lのタイプはかなりの希少品のようだ。

実は、正直言うと当時からこのケトルはただの安物だと思っていて、デザインもあまり気に入っていたわけではなく、帰国の際もかさばるので置いて帰ろうとすら思っていた。妻が「かわいいから持って帰る」と言って、家でもずっと戸棚に入れっぱなしだったのに、気がついたらお宝になっていた。

事務所で使っているiittalaのKartioグラスも、コバルトブルーのタイプは現在は製造しておらず、人気の高さからかなりの希少品になっていると聞いた。取り扱いに気をつけねば、、。我が家も探せばまだまだそういうものがありそうだ。


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sekimoto

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ご報告になりますが、先週にかけて新型コロナに罹患しました。対外的にもらったものではなく家族感染でした。ただ、すでに療養もあけてほぼ全快し、今は通常通り仕事をしています。一部の方にはお伝えしていましたが、大変ご心配とご迷惑をおかけしました。

私のケースでお伝えすると、症状自体は発熱は38度前後をうろちょろといったところで、喉の痛みが特にひどく、それが治まってきたら次第に咳が出始めて、咳は全快した今もまだ少し残っています。もともと咳が出始めると長引く体質なので、こればかりはやっかいだなと思っていますが。

接種も3回受けていたためか全体には軽症で、食欲もあり熱も比較的すぐ下がったので、そこまでつらかったということもありませんでした。それよりも自分がかかることによって周囲に与える影響やインパクトの大きさをあらためて感じました。

先週はオンラインながらもセミナーの進行役や、登壇者として参加する予定だったものもありました。いずれも代役を立てて頂いたり、打合せなどは延期してもらったり、オンラインにさせて頂いたりしました。こちらもご迷惑をおかけしました。

一番厄介だったのはスタッフとの距離感で、うちは自宅に事務所があるので、ある意味毎日テレワークしているようなものではあるのですが、私が事務所に出入りできなくなると支障があることもいくつかあり、事務所への入室時は消毒を徹底したり、マスクを二重にしたりと苦労も絶えませんでした。

ただ健康の時は意識していませんでしたが、人って案外いろんなところに触っているんですよね。例えば入室して手を消毒したとしても、その前に扉を開けている時点で未消毒の手で引手にさわっているじゃないかと思ったり。

消毒した後もつい口元のマスクなどに触ってしまうことがあると思いますが、その手にはすでにウイルスが付着しているんじゃないかとか。飛沫感染にはマスクは有効だと思いますが、手を消毒したとしても、その後どこかを触ってその手で目を触ってしまったとか、これは到底徹底できることではないなと感じました。

感染してしまった人間ってそういうこと考えるんですよ。それまでは比較的無頓着でしたが、感染すると自分自身がバイキンになってしまったような気持ちになるんです。

幸か不幸か今回家族も全員感染し、そして全員完治して仕事にも復帰しています。ただこういうことを書くのは不謹慎かもしれませんが、全員かかったことで感染拡大の報道を見ても怯えることはなくなりました。

ただもう二度とかかりたくないですね。そのくらい身の回りに与える影響の大きいウィルスだと身に染みてわかりました。

22. 07 / 08

ドット専門店

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sekimoto

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私が水玉シャツを着ていると、そういうシャツはどこに売っているのか?とよく聞かれます。どこと言われても、、見つけたら買うとしか申し上げられません。

ところが、先日表参道を歩いていたらまさかの「ドット専門店」を見つけてしまいました。奥で何か買ってるのは私です。



先週大きな仕事に区切りが付いたこともあり、先に上げたtobufune展と絡めてスタッフと青山のCASITAでランチをしてきました。

CASITAはその高いホスピタリティで有名なお店で、以前食事した際にはその異次元のおもてなしに心から感動しました。スタッフともこの感覚を共有したいと思いつつも、若いスタッフがふらっと行けるようなお店ではないこともあり、この機会にみんなとここで食事をすることにしました。

この日はランチだったので、ディナーとは異なりカジュアルな雰囲気。CASITAは店員さんが本当に感じが良く、程よい距離感でフレンドリーに話しかけてきて下さいます。食事も本当に美味しくスタッフ達も大満足でした。

ところが最後のデザートを楽しんでいると、頼んでもいないホットミルクがテーブルに運ばれてきました。その泡の上にはなんとリオタデザインのロゴマークが描かれていたのです。


これには本当に腰が抜けそうなくらいびっくりしました!

予約時には個人名しか伝えていませんでしたし、テーブルでの店員さんとの会話では会社の会食であること、また我々は設計事務所であることなどを和やかにお話しした程度で、事務所名などはお伝えしていなかったからです。

おそらくですが、我々との会話や私の名前などを手がかりに、店員さんは我々の事務所が「リオタデザイン」であることを知り、食後にそのロゴマークをサプライズとして泡の上に描いて出してきたのでしょう。

スタッフには私がCASITAのおもてなしがいかに素晴らしいかを話した後だったので、余計に響いたことと思います。みんなも目を丸くして驚いていました。今日スタッフを連れてきて本当に良かったと思いました。


CASITAのポリシーに、ホストはゲストが何者であるかを知らなくてはいけない、というようなことがあると以前なにかで読みました。

設計事務所とは異なり、日々異なるお客さんがやってくる飲食店のような業態で、その日のゲストが何者であるか、予約情報以上のことを知ることは至難の業だと思います。もちろん個人情報もあるので、踏みこむべきではない領域もあるでしょう。

しかし店員さんはゲストとの会話の中から、その人を心底喜ばせるためのヒントをずっと探していたに違いありません。だからそれは毎回出てくるものではないし、人によっては受け取るものも異なるのだとも思います。

詰まるところ我々の設計もそうなのです。言われたことだけをやっていたのでは、飲食店に例えればファミリーレストランみたいなものです。誰も文句は言いませんが、そこには感動は生まれません。

どうして言っていないのにそれがわかるのか?ということを我々はよく建て主さんから言われます。しかしそれは明白なのです。なぜなら設計をするということは、建て主が何者であるかを理解するという行為だからです。

我々は言われずとも、常に二歩三歩先を見ながら、建て主さんの考えをいかに先回りするかということを心がけています。そのヒントは建て主さんとの何気ない会話や、仕草や、表情の中にすでに無数にあるのです。

スタッフに伝えたいのは技術ではなくそういうことです。この日の会食はそんなことを学んでもらう良い機会となりました。

アンケートに協力したりすると、よく企業のロゴ入りボールペンをもらえたりしますよね。またロゴ入りボールペンを作りませんか?みたいなのもあります。でもいつも思うんですけど、ボールペンってもらって嬉しいですかね。

だってボールペンって使い切るのにすごく時間がかかるじゃないですか。しかもノベルティのボールペンって安いからちょっと書きにくいんですよ。というわけで、使わないボールペンが家のペン立てにびっしりと。これってあるあるじゃないですかね。

あるいは500円くらいのQUOカードがもらえることもあります。こちらのほうがまだ気が利いている気もしますが、私の場合財布に入れていても、いつも使いそびれて永遠に財布の番人になりがち。そもそもスマート決済ばかりで財布を持ち歩かなくなっているので、この手のものをもらうといつも息子にあげてしまうんです。


そんな折り、”Tポイント”を運営する会社からちょっとした売り込みがありました。Tポイントを活用しませんか?的な話でした。

日頃事務所にはいろんな売り込みがあります。サイトアクセスを上げませんか?とか、こんな集客サービスがありますよとか。正直一切やりません。なんかお金を払って集客を買うみたいな発想って、ちょっと安易ではしたないというか、あまり好きじゃないんですよね。

でもこの日の「Tポイント」の話は面白いなと思いました。

「設計事務所」なのに「Tポイント」というこのミスマッチ感、なかなかのインパクトです。誰でも知っている国内で最もメジャーなポイントが、設計事務所でもらえるってすごくないですか?

で、こう思ったんですよね。

設計事務所って、行くのはすごく勇気要るじゃないですか。駅前のコンビニには入れても、設計事務所にふらっと入ってくる人はいません。でも本当はもう少し気楽にふらっと相談に来てもらいたいと思っているわけですよね。

だからそこを少し勇気を出して乗り越えてきて下さった方には「ありがとうございます」と思うし、帰るときには「来て良かった」と思ってもらいたい。それをもし形にするとしたら、それはボールペンじゃないし、QUOカードでもないなと。

Tポイントって知名度もあるし、いろんな場面で使えるし案外いいかも!と思って、実験的にはじめてみることにしました。


面白いのは、ミーティングデスクの上に冒頭写真の「Tポイント」のついたてを置いておくと、皆さん「何ですかこれ?」って訊くんです。そこでこの話をするとたいがい皆さん面白がってくれます。まずは掴みはOK!ってやつです。

Tポイントのアプリでは、近所のお店のクーポンが表示されるメニューもあったりします。私はあまり使いませんが、”ポイ活”が好きな人はよく見ているみたいですね。

そこで吉野家とかロッテリアとか、近所でよく行くお店に混ざってリオタデザインの広告も出てくるっていう。


めちゃくちゃ面白くないですか笑。なかなかの破壊力です。

まさか私もポイント目当てで設計相談に来る人がいるとは思っていなくて、こういう日常のお店と同列で設計事務所という選択肢が出てくるということが大切なんだと思うんです。吉野家の隣にこういう写真が出てきたら、まずは「なんだろう?」って思うじゃないですか。


さてこれをうちではどう活用しているかというと、設計相談に来て下さった方に目の前でサイコロを振って頂きます。1が出たら100ポイント、6が出たら600ポイント進呈です。名付けて「Tポイントチャレンジ」!

これはウケます、確実に。500円のQUOカードもらうより楽しいと思うな~

先日ご相談にいらした方は、獲得は「100ポイント」でしたけど笑ってました。たった100ポイントで笑顔になるっていいですよね。ちなみに100ポイントを嗤うなかれ。うちのポイント付与率の設定は200円につき1ポイントなので、20,000円相当のお買い物をして頂いたのと同じくらいの価値があるんですよ。

ちなみに設計料のお支払いにはポイントは付きませんので悪しからず!それやっちゃうと、我々が笑えなくなっちゃうんで。

ちなみにこの6月の夏のボーナス、このTポイント制で私とじゃんけんして勝ったら500ポイント、負けたら100ポイントを進呈しました。500ポイントもらったスタッフは大喜び。もちろん現金のボーナスもちゃんとあげましたよ!