20. 03 / 29

AJ DOOR HANDLE

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sekimoto

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> 北欧



先週北欧家具taloに足を運んだ際、オーナーの山口太郎くんより「これは関本さんにお土産」と言われてドアノブをひとつ頂きました。デンマークの建築家アルネ・ヤコブセンのハンドル。え、本当に!?(太郎くん、どうもありがとう!!)

現状はくすんだ真ちゅう色だけれど、これは磨けば光るなと踏んで、この週末はポリッシャーでゴシゴシ。結果、こんな感じになりました。



磨けば磨くほどきれいになるので、ついどんどん磨きたくなってしまう笑。太郎くんからも、ビンテージはあまりピカピカにしてはいけないと言われていたので、ほどほどのところで止めましたが。

手元にある資料で調べたところ、このハンドルはアルネ・ヤコブセンのオリジナルデザインで、1957年にコペンハーゲンにあるSASロイヤルホテルのためにデザインされたハンドルとのこと。またひとつ私の貴重なコレクションが増えました。


プロペラのようにねじれたハンドル形状がとても美しい。握ってみると、手のひらと親指の位置がぴたりとハンドルにフィットする完璧なエルゴノミクスデザインです。

太郎くんからは、これは現代の住宅にも使えるのか調べて欲しいとのことだったのですが、このヤコブセンのハンドルは軸となる角芯が8mmで水平の角度なのに対し、国内シェアの高い美和ロックなどのハンドルは8mmの角芯が45度に傾いているので、基本的には取り付けられないんですね。

ただ色々調べたら、GOALやSHOWAのケースの場合は8mmで水平の角芯設定のため、こちらなら取り付けられることがわかりました。ためしに早速GOALのケースを取り寄せて取り付けてみるとぴったり!


私の自宅はほとんど引戸なので取り付けられる扉はないのですが、これなら将来どこかに使ってみたいですね。復刻品はないのかなと探したらありました。スガツネさんの方で出しているようです。丸座の形状がちょっと違いますが、日本人の小さな手にもぴったり納まるのでお勧めです!

アルネヤコブセン生誕100周年記念ハンドル/スガツネ
https://search.sugatsune.co.jp/product/g/g12-4053/

事務所には他にもアールトの某ハンドルもあるのですが、聞くところによると最近えげつない値段で取引されているそうで、ちょっと怖くなりました…。

北欧の建築家は手が触れるところに最も気を遣います。我々も設計ではそこは最もこだわるポイントかもしれません。ヤコブセンのハンドルもお宝として大切に保管したいと思います。
お気に入りの番組にNHK BS1の「空港ピアノ・駅ピアノ」がある。

空港ピアノ・駅ピアノ
https://www4.nhk.or.jp/P5389/

空港に置かれた一台のグランドピアノ。そこに定点カメラが置かれている。通行人がピアノに気づき、ためらいがちに鍵盤に指を乗せる。試しにポロンと音を鳴らしたらもうだめだ。その人は吸い込まれるようにピアノを弾き始めてしまう。

この演奏が本当に素晴らしいのだ。弾いているのはもちろん無名の人たち。とてもピアノを弾くようには思えないような風貌の人から、驚くほど繊細な演奏が始まるというギャップにまず引き込まれてしまう。

趣味でピアノを弾くという人、数学者、アスリート、たまにコンサートピアニスト。空港や駅という演奏には似つかわしくない場でいきなり始まるピアノ演奏に、ある人は無関心に通り過ぎ、ある人は足を止めて聴き入る。人だかりができるという程でないのもまた良い。

演奏後にこれからフライトでどこに向かうのか、また自分とピアノとの思い出を語る。これから兵役に向かうという男性。ピアノがいかに自分の心を支えているかを語る女子高生。そしてあっけないくらい、すっと去ってゆく。そう、この人たちはあくまで通りすがりの人たちなのだ。

明日9日はオランダのユトレヒト中央駅。その次からはエストニアのタリン空港のシリーズが始まる。エストニアは言語的にほぼフィンランドなので、もはやフィンランド人にしか見えない。オスロ空港シリーズも素晴らしい!(再放送で何度もやっている)

オンエアは不定期で時間帯もいつも異なるのでご注意を!

20. 03 / 05

伊都岐珈琲

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sekimoto

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今年の年始を京都で過ごした際、とあるセレクトショップが推していた豆を手に取った。それが伊都岐珈琲との出会いだった。広島の厳島神社で有名な宮島にあるお店のようだ。

お湯を落としてみてその実力に驚いた。口の中いっぱいに広がる濃厚な甘い香りの後に、一拍置いてぐっとフックするような強い香りが鼻腔の奥に抜ける。ものすごく立体的! 深煎り好みの私の好みのどまんなか。

やるな、広島!

伊都岐珈琲 #Blend NO.1
https://itsuki-miyajima.com

先日、吉祥寺のカフェmoiさんでのイベントのことを書きましたが、イベント終了後一人の男性がすっと紙袋を差し出され、「よかったらこれ使って下さい」とPITCHIIと名付けられたガラスのコーヒーサーバーをプレゼントして下さいました。

初対面なのにびっくり!
その方が、それを作っておられるTORCHの中林孝之さんでした。

中林さんは「東京のカフェでmoiが一番好き」とのこと。トークイベントで岩間さんが、ご自宅では「マウンテンドリッパー」というドリッパーを愛用しているとおっしゃっていたのですが、そちらもTORCHさんの商品ということで、そちらも後日お送り下さるとのこと。「いえいえ、自分で買いますので!」と恐縮する私を押しきり、本当に後日品物を送って下さいました。

■TORCHI
https://dodrip.net/
■マウンテンドリッパー
https://dodrip.net/free/mountain


手元に届き開封すると、その名の通りマウンテン型のユニークな陶器と木製のリングが。とても可愛らしいデザインです!

わくわくしながら、早速コーヒーを淹れてみることにしました。それまで私はケメックスというドリッパーを使っていたのですが、ケメックスよりも口が広くお湯を注ぎやすいのと、コーヒーにまんべんなくお湯が広がるのがわかります。


このマウンテンドリッパーは、コーヒーの落ち方に特徴があって、通常のドリッパーのように中央に筋状に落ちるのではなく、底面全体からボタボタッという感じでコーヒーが落ちてゆきます。

どうもこれが陶器の底にあいた意味深な孔と関係しているようです。きっと試行錯誤の賜なんでしょうね。是非製作秘話を聞いてみたいところです。


結果として、雑味のないとっても美味しいコーヒーを入れることができました。ちょっと感動!そして中林さんも相当なコーヒー通だということがわかりました笑

底部の木製リングが分かれているので、収納にも場所を取りません。何より置いておくだけでも美しいので、朝からテンションが上がります。

中林さん、どうもありがとうございました!

ご購入可能サイトのひとつを以下にご紹介しておきますね。
https://hokuohkurashi.com/product_contents/463

朝は徳島のアアルトコーヒーさんから取り寄せた深煎りのアルヴァブレンドからはじまる。こんなことを書くと、どんだけアアルトが好きなんだと思われそうだけれど、そうではなく普通に一番美味しいと思うから。もうちょっと言うと、私が一番おいしいと思うカフェモイの岩間さんが淹れてくれるコーヒーがここの豆だという理由もある。

アアルトコーヒーの庄野さんの著書に、オリジナルで作ったコーヒー缶の話が出てくる。私はこのエピソードが好きだ。昔お鍋を抱えて豆腐を買いに行ったように、コーヒー缶を持ってコーヒー豆を買いに来てもらいたい。そんな思いから、イラストレーターの佐々木美穂さんにデザインしてもらい「世界一格好の良い」コーヒー缶を作ったのだそうだ。

コーヒー豆をどう保管するかという話で、私は以前何かで読んだ「豆は冷凍保存に限る」を頑なに信じてその都度冷凍庫にしまっていたが、庄野さん曰く「常温で全然いい」そうで、あれはなんだったんだと思った。

そこでこのコーヒー缶をあらためて手に入れることになった。いつものように、アルヴァブレンドと一緒に注文してようやく手元に届いた。深いコーヒー色の光沢のある缶に、佐々木さんの愛らしいイラストが目を惹く。茶葉を入れる缶と同様に、内蓋が付いている。


豆の袋を開封すると、部屋中にしあわせな香りが充満する。奥さんが部屋に入るなり「いい匂い!」と声を上げる。豆をコーヒー缶に移す。瓶と違って缶だから紫外線の影響も受けない。密閉性も高いから香りも逃げない。深煎りならではの、脂の乗った香ばしい豆の表情が愛おしい。

最後に、庄野さんがなぜ自らのロースターにアアルトの名前を付したのかというエピソードについて。実は別に北欧が好きでもアアルトが好きだったわけでもなかったそう。幼い娘さんを、たまたま気に入って買ったアアルトの椅子に座らせたら泣き止んで笑顔になった。「それはアアルトに魔法をかけられた瞬間だった」詳しくは庄野さんの著書をお読みください。

aalto coffee
>>http://www.aaltocoffee.com

たぶん彼女は豆を挽く(庄野雄治著)
>>Amazon