昨年ヘルシンキのアルテックで買ったポスターを、ようやく額装して飾ることができました。というか、正直言うと買ってきて仕舞ったまま忘れていたのですが…。

このポスター、こう見えてかなり激レアなポスターなのです。私の好きなイルマリ・タピオヴァーラのドムスチェアをモデルにしたポスターなのですが、このデザインじつはミナ・ペルホネンの皆川明さんが手がけているのです。

数年前に、タピオヴァーラの関連イベントが青山のスパイラルであったのですが、そこで行われたトークイベントでもこのポスターにまつわる話を皆川さんがしておられました。ドムスチェア70周年を記念して、特別にポスターのデザインをアルテックから依頼された皆川さんは、この愛らしい椅子を”お下げ髪の女の子”に見立てて、artekのロゴをまるで女の子がウインクしているかのように配置したのだとか。

こちらは当時のサイト記事です。
https://casabrutus.com/design/25915

これ可愛いなあ、と思って欲しかったのですが、当時はドムスチェアを購入した人しか手にできない限定ポスターだったんですね。つまり非売品。ただ国内ではまず手に入らないこのポスターが、ヘルシンキのアルテックでは普通に売っていたのです(!)

そんなポスターを押入れの中に仕舞っていたのではもったいないですよね。先日発見?して、重い腰を上げてようやく額装して事務所の廊下に掛けさせて頂きました。

視線の先には…そう、本物のドムスチェアです。

これは18年前留学先のフィンランドから帰国する際に、友人のフィンランド人からボロボロのドムスチェアを譲り受けて持ち帰ってきたもの。ボロボロだったので、脚から座面からバラバラにして持ち帰り、日本でまた組み立てたのでした。

こちらは背もたれが壊れていて、残念ながら座ることはできません笑。事務所にいらしたら、是非この椅子とポスターを併せてご覧頂けたらと思います。


19. 05 / 07

チャージ完了!

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sekimoto

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> 生活


元号も変わり、史上最長の10連休のGWが明けました。みなさま、(いろんな意味で)お疲れのことと思います。

私はというと、何の予定も入れなかった休日は2日間くらいで、あとはご面談や建て主さんとの設計打合せなどがたて込み、なんだかんだと結局ずっと仕事をしていたような気がします。

ただ、そこまで仕事モードだったかというと、現場などからの電話やメールが一切なかったので、のんびりと自分のペースで作業が出来て終始リラックスモードでした。

つくづく思ったのは、我々が日々メールなどに割かれている時間や集中力は相当なものなのだなあということ。GW期間中はメールチェックをしてもほとんど仕事に関わるものがないので、作業の集中力が途切れることがなく、このGWは実に仕事がはかどりました!

事務所での私の仕事は、すべてのプロジェクトのマネージメントはもちろんなのですが、これから実を結びそうな計画のプランニングを練ることが最重要の業務になります。ただこの作業は事務的な左脳ではなく、クリエイティブな右脳をフル回転させる作業なので、途中で集中力が切れると、なかなかギアを元に戻しにくいという困った作業でもあります。

そんな作業も、このGWにまとめて整理することができたので、GW明けからはスタッフも加わり、パワー全開で各プロジェクトを推進してゆけそうです。これが私のGWのパワーチャージでした。

さぁ、仕事するぞー!(ずっとしてたけど)


19. 05 / 02

令和婚

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sekimoto

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> 大学
> 生活



元号の変わった昨日は大学の教え子の結婚式でした。場所はF.L.ライト設計による自由学園明日館。建築に携わる夫婦らしい、手づくりのとても心温まる式でした。

新婦の奈津実さんは今から10年前、彼女が1年生の時の担当でした。研究室の恩師が結婚式に列席することはあっても、わずか数ヶ月しか担当しない非常勤講師が呼ばれることは異例かもしれません。もちろん、私も初めてのことです。

彼女は担当を外れたのちも、毎課題のように私の元にやってきました。果ては卒業設計、修士設計、そして就職の相談まで。これまで400人近くの学生を教えてきましたが、このような学生は彼女を除いてはほとんどいません。なので、今日のこの日を我が娘のような心境で見守りました。

列席者には私の、そして彼女の恩師でもある本杉先生もいらっしゃいました。ちなみに本杉先生は教え子の結婚式にはまず出席しないのだそうです。そんな先生が終始ニコニコしながら列席しているというのも、彼女の人徳と言えるかもしれません。

隣席の先生とも、少し緊張しながらもいろんなお話をさせて頂きました。思えば付き合いは長いのに、こんなに長く会話をしたのも初めてだったかもしれません。今年で退任される先生とも貴重な時間を過ごさせて頂きました。

新しい時代の幕開けにふさわしい、とても清々しい時間を過ごさせて頂きました。奈津実さん、あらためておめでとうございます!どうか末永くお幸せに。

19. 04 / 06

微差と違和感

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sekimoto

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> 思うこと
> 生活


我々の仕事はつくづく微差や違和感を拾い上げる仕事だと思う。

たとえば何の変哲もないただの土地を見て、我々はアイデアを膨らませる。何の変哲もないように見えて、そこにある微差や違和感を拾い上げ、それを強調したり隠したりしながらプランはできあがる。

仕事におけるリスク回避やミスを未然に防ぐ行為も、この微差や違和感を拾い上げる行為にほかならない。野生動物が、そこにいつもと違う何かを感知すると警戒して近寄らなくなるように。「これはちょっとまずい気がする」という微差や違和感を大切にしておかないと、いつ脚を掬われるかわからない。

微差や違和感に敏感になると、人には見えないものが見えるようになる。そう書くと超能力者のようだけれど、どんな仕事にもそういう領域があるように思う。たとえばイチローにはイチローにしか見えていない世界があるように。端から見たら、ただピッチャーの放った球をバットに当てているだけとしか見えない行為だとしても。

逆に見えている人からすると、今そこに実在しているのに、どうしてそれが見えていないのか不思議でたまらなくなることがある。そして時に苛立つ。仕方なく「ほら、ここに」と手に取って見せるとはじめて人は気付いて、「ほんとだ!いつからここにありました?」という表情を見せる。いつからって、最初からずっとここにありましたよとしか言いようがない。

それが建築、それがデザインという仕事なのだと思う。

日常生活でもよくあると思う。部屋を汚くしても平気な人がいるとする。それが嫌でたまらない人からすると、どうしてそんな汚い部屋にいて平気なのかと思うけれど、本人には見えていないのだから仕方ない。あるいは政治家の失言もそうだ。目の前にあるものが、すべての人に同じように見えていると思ったら大間違いなのだ。

我々のような設計事務所にご相談に見える方は、こういう微差や違和感に対する感度の高い方が多い。社会的には少数ではあるけれど、その方達に言わせれば「どう考えてもそうした方が良いのに、そうしないという選択肢を選ぶということが考えられない」ということになる。

微差や違和感に対する感度が高いと疲れることもある。人が気にならないことが、すごく気になってしまうからだ。それは人から見たらやはり神経質だということになるのだろうが、私の場合それが100%仕事に活かせているので、やはり幸せなのだと思う。



19. 03 / 31

隅切りの家の桜

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sekimoto

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> 生活



隅切りの家にお誘い頂きお花見をさせて頂きました。拙著の表紙に写っていたお母さんに抱かれた赤ちゃんも、今はもう5才。

当時の担当スタッフの牛島くんと、現スタッフの矢嶋くんとでお邪魔させて頂きました。矢嶋くんは空間をはじめて体験し、体感の空間が写真と全然違う!と驚いていました。

私も取材などでは何度も来ていますが、一緒にお花見をさせて頂いたのははじめてでした。建主のTさん、お誘いをどうもありがとうございました!