25. 11 / 05

縁の家

author
sekimoto

category
> 仕事
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4月に竣工した「縁の家」の写真をサイトにアップしました。

【縁の家】
https://www.riotadesign.com/works/25_en/#wttl

さまざまな奇跡のような”ご縁”がつながってできた家、という思いを込めてオープンハウス時よりタイトルを変えていますが、変更したタイトルをお伝えするとまったく同じ由来で生まれたばかりのお子さんの名前を名付けたと聞き、本当の意味でのご縁も感じました。

赤ちゃんが生まれて子育てが始まると、大人ふたりの生活とは一変し毎日が戦争のような騒ぎになります。もう少しすると家中におもちゃや積み木が散乱し、整頓どころではなくなるかもしれませんね。撮影はそんなさなか、騒ぎを一切感じさせない穏やかで幸せな空気が流れる中行われました。

あたりまえのことですが、真の住まいは人が住まうことで完結します。人は映っていませんが、そんな暮らしの残像をほのかに感じて頂けたらと思います。

建て主さんのご厚意もあり、先週10/30と11/2の二日間に亘って「回廊の家」の内覧会を開催させて頂きました。ご来場者は事前申し込みだけで、のべ130名を越え、過去最高の反響とご来場になりました。

このようなご来場者になると、一人一人個別に説明したのでは間に合わないので、毎時間ごとにギャラリーツアーと称して、設計の趣旨や完成形では想像できない設計で苦労したところなどを解説させて頂きました。

聞きたい方は任意で聞いて下さい、とお伝えしたものの、いらした方のほとんどがツアーに参加して下さったので、ぞろぞろとまるで団体ツアーのようになってしまいましたが笑、皆さんからは詳しい話や裏話が聞けて面白かった!とおおむね好評だったようです。



私も人のオープンハウスに出かけると、設計者の方から設計趣旨文からは窺い知れない裏話をお聞きするのがひそかな楽しみだったりします。

我々もこのような設計をすると、常人とは違う設計であると思われてしまったり、本当に特殊な建て主さんだと思われてしまったりするのですが、けしてそんなことはなく、どの家づくりでもそこで交わされる会話や建て主が悩まれるポイントは同じで、当然ご予算も厳しい制約の中でやっています。

当日はさすがにお金の話まではしませんでしたが、たぶん話すと同業の方は腰を抜かすコストパフォーマンスだと思います。だからごく一部の恵まれた特殊な方の家ではなく、一般の方でも覚悟を決めて、本気で家づくりに向き合って下さればちゃんと夢は叶うのだということをここで強調しておきたいと思います。


今回は一般の方も多くいらっしゃいましたが、特に同業の設計者の見学者が多く、その中でも大先輩の”大御所”のような方々が多く足を運んで下さったことも、とても嬉しかったことでした。

私くらいの年齢になると、自分の立ち位置を、俯瞰した目線から批評して下さる方が段々少なくなってくるのを危機感のように思うことがあります。この日は、そうした大ベテランの方々から口々に感想を頂けたことは、私にとっても大変励みになりました。






大屋根の下で展開されるシンプルな外観からは想像のつかない複雑な内部構成。抑制することで土間空間に最大のハイライトを持ってくるというゾーニング。表の通りから裏の畑までが一本の通り土間で貫かれ、郊外地ならではの大きな空を一望できる家。敷地の豊かな環境があってこそのこの家になったとあらためて思います。

二日間とも天気に恵まれ、素晴らしい光のコンディションで見て頂けたこともとても嬉しかったことです。





今週はいよいよお引き渡しです。この空間でどんな賑やかな生活が展開していくのでしょう。続きは来年以降の竣工写真をお楽しみに!

ここまで真摯に丁寧な施工をして下さいました松本建設さんには、この場をお借りして深く御礼申し上げます。数々の気の利いたリカバリーにどれだけ助けられたことか…。

造園の小林賢二さんのお力添えには、最後にいつも通り”魅力3割増し”にして下さり、こちらにも大変感謝しています。やっぱり造園の力はすごい!

また構造家の小倉直幸さんには、この難しい構造のままで耐震等級3まで達成して下さり、神経の行き届いた設計とあわせて素晴らしい架構模型まで作成下さいました。こちらのご尽力にも感謝申し上げます。

そして我々にご依頼下さり、建築への理解と寛容な姿勢で全幅の信頼を寄せて下さった建て主さんのおかげで、我々も最後までのびのびと仕事をさせて頂くことができました。「家が竣工するのは嬉しいけれど少し寂しい」とおっしゃって下さったお気持ちお察しします。最後まで共に走り抜けましたね!

Mさま、ご竣工誠におめでとうございます!!

坂戸市「回廊の家」はまもなく竣工を迎えます。昨日は完了検査がありましたが、問題なくパスしてあとはおおむね来週の造園工事を残すのみとなっております。内部足場も外れ、一次クリーニングが終わった空間は見違えるようでテンションも上がります!

こちらの内覧会を、10月30日/11月2日に予定しております。こちらは以下をご覧下さい。
https://www.riotadesign.com/blog/251011.html

造園が入ると3割(当社比)は見栄えが増しますので、最後にどんな感じに仕上がるかとても楽しみです!




先週木曜日(16日)は、JIA住宅部会の企画でarflex「CASA MIA 河口湖」の見学ツアーがありました。CASA MIAは完全予約制の体験型モデルハウス。広大な敷地に、arflexが提案する3棟のモデルハウスがあり、内部はarflexのソファをはじめ、普段見ることのできない工夫の凝らされた建具や、プレミアムなキッチンや家具の数々を見学することができます。

そのどれもがため息が出るものばかり!そこまでやるかという徹底した作り込みやゆったりとした空間スケールなど、世の中にはこういうライフスタイルがあるのだということ、そしてそれは全て理にかなったホスピタリティの延長線にあるものであることがよくわかりました。まさに「これが住宅の正解」

学生の設計はもとより、設計塾などで教える受講生の図面に共通するのは、ライフスタイルの不在です。生活が見えない、ソファをどこに置いて良いかわからない、そこに座って何をするのかイメージできない。あぁ、これを見てほしい。本当に豊かな暮らしとはこういうことなのだということが実感を伴って腹落ちするのを感じます。

部会員でarflexの重鎮でもある稲川さんには、arflexの歴史やエピソードなどもたくさん聞かせて頂きました。もはや本国のarflexを超えるブランドに成長した日本のarflexは、もはや日本のブランドであるということもよく分かりました。

ご担当の久保田さん、中村雅子さん、企画してくださりありがとうございました。こんな贅沢な企画を貸切で。こういうことができるのが住宅部会の素晴らしいところですね。大満足の一日でした!





一昨日はうちのOBスタッフとの会でしたが、昨日は我が師である棚橋廣夫さんのご自宅に訪問。事務所の方は数年前に畳まれたので今は稼働していませんが、場所は仕事をしていた当時のまま時間が止まったようになっています。

今思えば生意気なスタッフでした。私は人の一生分この事務所で叱られたと思っていますが、よく口答えしていましたし、納得がいかないと反抗的な態度をとって所長を困らせたこともありました。まさに反抗期の息子そのもの。そんな息子も結婚(独立)して子供(スタッフ)を持つと、かつて所長に言われたことをそのまま諭すようになります。

自分も大人になったと思う一方で、所長にもあの時はごめんなさいという気持ち、そしてこの師を持てて本当に良かったと感謝の思いです。まさに子を持ち、はじめて親になる心境というのでしょうか。私が事務所に入所した時の所長の年齢に今自分がなりました。

今年で85歳になるという棚橋さん。相変わらずしっかりされていて安心しました。かつてスタッフ時代から何度も聞いている話も一字一句変わらず聞けて、あの頃に戻ったような気もしました。一方で私なりに齢を重ねてお聞きする話は、もはや師弟を超えて分かり合える領域もあり感慨深いものがありました。

その昔、棚橋さんには「啐啄(そったく)」という言葉を教えて頂きました。
雛鳥と親鳥が卵の殻を内側と外側から同時に叩いて世に出る、という師弟の呼吸を説いた禅の教えですが、なんだか今日はそんな答え合わせをさせて頂いたような気がしました。自分のスタッフともいつかはそんな時が来るでしょうか。

今日はお忙しい中お時間を取ってくださり、ありがとうございました。近々OB会を招集しましょう!