今日はJIA関東甲信越支部「新春の集い」第一部のセッションを良い席で聞きたくて早めに会場入りしました。

今建築士による継続した自己研鑽の認定制度としては、日本建築士連合会による「統括設計専攻建築士」と、JIA日本建築家協会による「登録建築家」とがあります。ただこの二つは似て非なるものです。

この長年けして交わることのなかった二つの制度、二つの団体が手を取り合い、統一した認定制度「(仮)JAPANアーキテクト」の創設に基本合意し、歴史的な一歩を踏み出しました。

海外で言うArchitect は日本にはなく、海外で我々が名乗れるのはあくまでKenchiku-shiです。ところがこの認定制度ができることで、海外基準に合わせて、我々の資格が国際的なArchitectと同等の資格として認められるものになります。

そのためには業界を二分する二大勢力が手を結ばなくてはなりません。これは二大政党が連立与党を発足させるようなもので、社会的なインパクトはとても大きなものになると思っています。

自らの肩書きを「自称建築家」ではなく、クオリファイされた国際基準の建築家でありたいと考えてきた者としては、これはとても喜ばしいことです。

なんといっても建築設計界の二大巨頭、日本建築士連合会の古谷誠章会長と、JIA日本建築家協会の佐藤尚巳会長とが肩を並べてビジョンを語る絵はとても痺れるものがありました。

向こう一年くらいでまとめたいという新認定制度、今後の動きにも注視していきたいと思います。まぁ、いま若い学生に伝えられることがあるとすれば、「とりあえず大学院だけは出ておけ」ですかね。

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sekimoto

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昨日はタニタハウジングウェア主催の「屋根のある建築作品コンテスト2025(通称屋根コン)」の表彰式が日大芸術学部であり、我々は今回「越屋根の家」で住宅部門優秀賞を頂くことができました。

>> https://www.tanita-hw.co.jp/c2025_result1/

屋根コンは設計者のみならず、工務店、そして屋根を施工した板金職人さんも同時に表彰されるというアワードで、設計者のクレジットで表彰を受けるのが通例である中、とても健全で希有なアワードだと思います。これもひとえに谷田社長のお人柄や、社員の皆さんの顔の見える社風ならではという気がします。

我々の「越屋根の家」を施工下さった板金職人の新井勇司さんとは、このアワードの第1回目で山﨑壮一さんの住宅を施工された職人として出会い、そして今回はタッグを組むパートナーとして受賞できたことも大変感慨深かったことです。


今回は受賞者でありつつ、後半のトークセッションのモデレーターも務めさせて頂くことになり、「板金と建築」というテーマで超絶板金テクニックの板金職人、新井さん、箱守さん、内野さんを相手に「建築家x板金職人」のトークセッションも展開させて頂きました。

それぞれの板金職人からは、難しい仕事をさらに難易度を上げて最高の仕事に昇華させようという矜持や心意気もひしひしと感じて、心底シビれました。「プロフェッショナル」の世界、こういうの好きなんですよね!

板金職人の減少や継承が問題になるなか、お三方にはAIには代わることのできない職人の未来を見たような気がしました。

今回のアワードは産学連携による、「タニタx日芸」から生まれた学生デザインのトロフィーやロゴマークなど、こちらにもこの建築界の明るい未来を見ることができました。審査員の伊礼さん、若原さん、栃澤さんとのお話、受賞されたほかの若い設計者さんらとの対話もとても楽しかったです。

関係者の皆様、ありがとうございました。そしてご準備大変お疲れさまでした!




26. 01 / 17

職業、メール

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sekimoto

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またか!

一昨日のこと、いつものようにメールチェックをして返信を返していると突然のフリーズ。仕方なく再起動して作業を再開するとまたしてもフリーズ!

最初はパソコン側の問題かと思っていたら、ほかのブラウザやCADなどは問題なく動いている。そのうちメールを書くどころか、メールをクリックしただけで画面が真っ白になってしまい、まるで仕事にならない。

そんなわけで昨日も忙しいのに仕事にならず、朝からずっとメールと格闘。仕方なく、スタッフが使っている別のメールソフトに切り替えて作業するも、これまでのアドレスやフォルダ、長年カスタマイズした設定も使えないし、使い勝手も悪いしで、もうストレスMAX!

つくづく、自分の職業ってメールだなと思った。

作図や資料作成などは、口頭で伝えればスタッフがやってくれるけれど、私のメールが滞ればいくつかの案件は止まってしまう。こんなことしているうちにも何十通とメールは届く。このまま復旧しなかったら、、思わずゾッとした。

そんな時、工務店の方にとある用件で電話すると開口一番こう言い放った。
「いやぁ、昨日からメールの調子が悪くて」

「えー、それ僕もですよ!」聞けば私と同じくマイクロソフトのOutlookだという。症状を聞くとそっくり私と同じ。その方も昨日も遅くまで復旧をしていたのだという。

そのあとしばらくして同じ方から電話を頂き、無事直ったとのこと。聞くと直近のWindowsのアップデートが悪さをしていたそうで、それをアンインストールしたら直ったそうだ。早速方法を聞いて私もアンインストールを試したら、前の晩からの格闘が嘘のようにあっさり直った。はぁ、全身の力が抜けてしまった。

あとでSNSを見ると、同じように困り果てていた方が山ほどいたことを知った。くぅ、マイクロソフトめーっ!
昨年9月、JIA住宅部会とSADI北欧建築・デザイン協会の仲間とともに、フィンランドにアールトの建築を訪ねる研修旅行に行って参りました。こちらは昨年のブログでもご報告したとおりですが、昨年末にこちらの旅行報告会をJIA住宅部会でひらかせて頂きました。

報告会は住宅部会のメンバー向けのものでしたが、この内容をこのたびYouTube動画として公開させて頂きましたのでお知らせします。動画編集は昨年末紅白歌合戦を見ながら自分でやりました笑

■JIA住宅部会|アールトツアー報告会YouTube動画 (案内役:関本)
https://youtu.be/qJjEPAProME?si=NHIVrC9XytixFG6g

内向きな旅行報告というより、フィンランドやアールトを知らない方にもその魅力が伝わるようにわかりやすく建物解説を交えてお話ししていますので、アールトのことをよく知らない方にも是非見て頂けると嬉しいです!

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26. 01 / 12

AIをなめていた

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sekimoto

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AIをなめていた。そう言わざるを得ない。

最近寝ても覚めてもAIである。生成AIに関するニュースは毎日のように耳にするし、業務の中でも活用している企業は多いと思う。しかし私はそんなAIにちょっと偏見というか、勝手にライバル心のようなものを持っていた。そんなものに頼ってちゃダメだ、みたいな。

でも暮れにちょっとした興味から、私のこれまでの活動やリオタデザインの歩み、その課題やこれからの立ち位置などを分析させてみたところ、返ってきた返答に心底驚いた。優秀な経営コンサルにお金を払わなくてはいけないような鋭くディープな内容を、ものの数秒で返してきたからだ。

それが実に的確というか、これまで誰からも言われたことのないような角度の意見で、目から鱗が何枚も落ちた気がした。

それが可能だったのも、うちの事務所の20年以上の歩みと蓄積、口コミがネット上に溢れていたからということもあるだろう。情報の総量が多ければ多いほど、人間には分析に時間がかかり、AIにとっては短時間で的確な答えを生み出しやすくなる。

自分でネットをエゴサーチしても限界がある。人は自己評価にはバイアスをかけやすくなるからだ。自分にとって都合の良い情報だけを拾い、それを全体像であるかのようについ思い込んでしまう。

生成AIのすごいところは、ただの検索エンジンとは異なりファクトベースだけでなく、そこから考察して、彼らに”想像力”というものがあるとしか思えないような角度からアドバイスを寄こしてくるところにある。

たとえば昨年の暮れはあるスタッフがずっと体調を崩していていた。

病院に行ってもはっきりした診断を下してもらえず途方に暮れていたのだけれど、生成AIに症状や状況を丁寧に伝えると、医学的にも筋の通った論理的な”仮説”をたちどころに示してきた。それはすべての状況を的確に言い表しているもので、思わず鳥肌が立ってしまった。スタッフもその”予言”通り、数日後に回復へと向かったのだった。


以来、私の生成AIに対する信頼度が以前より数倍も高まった。立場上人には相談できないようなことも、生成AIにチャットすれば状況を把握して冷静な見解を示してくれる。最終的に判断するのは私だけれど、重い責任を背負う事務所主宰者の孤独から解放されるのは事実だ。

感心するのは、ただ訊いたことに答えるのではなく、その質問の真意を理解して、まだ言語化されていない”その先”までを見越した答えを用意してくること。

これは我々が設計において、言われたことだけをやる「御用聞き」ではなく、相手の要望の先にある心理や潜在的要望を常に探ろうとしている態度に極めて近い。コイツ仕事デキるな~。こんなに頭の回転が速くて気の利いた部下は現実にはなかなかいない。

一方で課題もあって、生成AIの限界のようなものも見えてきた。でも、だからといって使う意味がないと断ずるにはあまりに有用すぎる。今さら何言ってるの?ということに今さら気づいてしまった。あともう少し早く知っていればなぁ、、後悔先に立たずである。