
先週末のことですが、少し遅めのGW休みに、島根県の隠岐の島に行ってきました。
流刑の地の歴史を持つ隠岐の島は、まず来るだけで大変!流刑の地に選ばれるだけのことはあります。そこから他の島に渡ろうものなら、船が少なくてもっと大変!!今回の旅程はまさに針の穴を通すようでした。
島には何もないけど、すべてがある。そんな印象です。本当に豊かな島ですね。ジオパークの認定を受けた自然はワイルドで、手付かずの素朴さもとても良いです。
そんな隠岐の島の西郷港地区のコンペを取った建築家の菅原大輔さんとも空港でばったり!ニッチなところでニッチな人に会うと嬉しいものですね。


ところで私は、毎年全国のいろんなホテルを訪ね歩いています。今回の隠岐の島行きの目的のひとつは、ずっと行ってみたかったENTOというホテルに泊まることでした。
ENTO https://ento-oki.jp/
設計はMount Fuji Architects Studio。昨年度のJIA優秀建築賞も受賞された建築です。


構造は木造CLTパネル構法によるモノコック構造。職人不足から、島での建設を最小限として、本島側で材料をほとんど刻み、島ではほぼ組み立てだけというプロセスにすることで驚異的な短工期を実現しているそうです。
構造設計は、山田憲明さんの事務所の元スタッフでもある蒲池さんと中さん。中さんは、過去にリオタデザインとの仕事でもパーゴラテラスの家、VALO、TOPWATERなどの構造設計を担当下さっています。
プロジェクト全体の歯切れの良さと、唯一無二の環境を活かし切った設計に感服しました。客室からのこの眺めも大迫力です!
ロビーなどには、このCLT構造がデザインとしてもうまく活かされています。地上階には隠岐の島の悠久の歴史が地球の歴史と重ね合わせて展示されたギャラリーが併設されています。こちらもなかなか見応えがありました。


わずか2泊3日の隠岐の島滞在でしたが、ほかにもここでは語りきれない様々な出会いや発見がありました。
なによりもこの大自然には圧倒されました!季節も良かったですね。ご縁にも恵まれて、もう二度と来れないかもという思いと、もしかしたら二度三度と来ることになるんじゃないかという予感とが交錯しています。
最後にいくつかの写真だけ挙げておきます。きっとこれだけで十分伝わるはず!!隠岐の島、皆さまも是非足を伸ばしてみて下さい。






一昨日、15日~16日にかけて裏磐梯にあるホテル、ホテリアアルトにスタッフを連れて研修旅行に行ってきました。
今回は野地木材工業のYouTubeチャンネル「のじもく酒場」の12月のスペシャルゲストに、益子義弘先生をお招きしようという話から始まり、それを益子先生の設計されたホテリアアルトで生収録をする話に発展!野地さん側のスタッフも三重県熊野から参戦するなど、念入りな準備を進めてきました。
スタッフとは、過去にも別のスタッフたちを連れて5年ほど前にホテリアアルトに研修旅行をしたことがありました。やはりこのような素晴らしい空間体験やホスピタリティは、実際に体験しないと理解できず、特に若いスタッフに体験してもらいたいとの思いでしたが、この日のために仕事を片付けていた今村くんが、当日朝にまさかの発熱ダウン!ひとりお留守番になるというかわいそうなことになってしまいました。(今村くんはまた次の機会に!)
今回ののじもく酒場の収録は、益子先生自らのご案内や夜のトーク収録を含めて、正直神回になった手応えがあります。私は数年前に建築知識ビルダーズにホテリアアルトの長文記事を寄稿、その時にいろいろと向き合った時の思いや疑問なども多々あり、それらを益子先生に直接質問が出来たことも本当に良かったです。今の私はホテリアアルトについて、きっとホテルの建設関係者の次に詳しいと思います笑。また伊礼さん、小谷さんらともご一緒させて頂き、一緒に部屋を巡りながら意見交換を出来たことも貴重な体験となりました。
こちらは編集後に配信予定とのことで、トーク編は年内に、ルームツアー編は年明け以降のアップ予定と聞いています。どうかお楽しみに!
素晴らしいお料理やホスピタリティの数々、、スタッフたちにも良い刺激となったことと思います。我々もこのような仕事を目指したいものですね。ホテルスタッフの皆さまにも心より御礼申し上げます!
■建築家たちの飲まずにはいられない話(のじもく酒場)
https://youtu.be/bMK8JU7xG2s
■ホテリアアルト
https://hotelliaalto.com/






この夏休みは沖縄へ。一度訪れてみたいと思っていたmuiという宿に泊まってきました。muiはホテルというより、全部でたった4室しかないゲストハウス。ですが、その沖縄らしい開放的な共用空間や設えに特別な空間体験をさせて頂きました。
いつも旅行に出る時は、どこに行くかではなくどこに泊まるかから始まります。何度もない特別な空間体験ができる機会なので、普通のところに泊まるのはもったいない!とつい思ってしまうのです。そしてもちろん、そこでの体験は心の栄養となって仕事にも活きてくることになります。

オーナーの西さんも沖縄出身の方ではなく、移住組とのことでした。沖縄のここ百名には、ほかにも個性的で素晴らしいお店が沢山あって、観光地的ではないところも大変気に入りました。パワースポットもたくさんあります。もし沖縄に住むことがあれば、この百名はとても良いなと思いました。

今回の沖縄滞在でもっとも印象的だったのは久高島でした。琉球の祖アマミキヨが降臨したとされる聖地。手付かずの自然が神々しい島でした。
自転車に乗って、島最北端のハビャーンという岬まで。そこには吸い込まれるように美しい海が広がっていました。

これまではもっぱら冬の沖縄がほとんどで、夏の沖縄に来るのははじめてでした。関東の夏がぐつぐつ煮込まれているような暑さなら、沖縄の夏は中華鍋で炒められているような暑さ!全身がシャワーを浴びたように汗でびっしょりになります。これはこれで沖縄らしいけど、、次はやっぱり冬に来よう。
しかし、このクリアな光は忘れられません!


「あまちゃん」の列車に乗ってみたい。そんな妻のリクエストから、このGWは東北三陸の旅に出かけてきました。
元スタッフの砂庭さんは青森出身で、現在は郷里八戸にいるということで、八戸まわりで旅をスタートさせることになりました。砂庭さんにも久しぶりにお会いしましたが、とても元気そうで安心しました。
彼女の車で蕪嶋神社など市内もいろいろ案内して頂きました。蕪嶋神社は現在ウミネコの産卵期で、島中がウミネコで埋め尽くされ、すごいことになっていました!




翌日はJR八戸線で久慈駅まで。そしてそこから宮古駅までは三陸鉄道リアス線で、それぞれのんびりローカル列車に揺られる旅を満喫しました。
この日は強風のため、列車も徐行と停止を繰り返してなかなか先に進めませんでしたが、今回は駅に下りてからではなく、列車に揺られながら、その車窓を楽しむこと自体に楽しみがあったので、むしろ贅沢な時間でした。
車窓からの眺めも最高でした。列車は海岸線を沿って進むため、海を眺めながらの車窓が続きます。一番トップの写真もまた列車からの眺めです。こんな絶景ポイントでは列車を止めて、車掌さんが説明をしてくれたりするのでした。
息子も大学生でGWは予定がいっぱいのようです。こうして妻と二人きりで旅行をするというのも本当に久しぶりでした。ふとフィンランド在住時代、フィンランドの地方都市をよく電車で旅をしたあの頃を思い出してしまいました。東北の街はなんだかフィンランドの街とよく似ているような気もします。



最後に盛岡に一泊して帰ってきました。
盛岡は気品ある街並み。多くの文化人を輩出した歴史ある街並みと、ところどころに用意された広場のような都市空間とのバランスが絶妙でした。
市内はサイクリングで巡るのにちょうど良いスケール。この日は一日、アプリで借りられるレンタル自転車で市内のあちこちを巡りました。自転車で廻れるというのはとても良いですね。車と違って、寄り道も自由自在です。
この日も気持ち良い五月晴れの一日でした。あっという間の3日間でしたが、夫婦で三陸の旅を満喫しました。やっぱり東北は良いですね!またゆっくり巡ってみたいと思います。



暮れを瀬戸内で過ごす、そう決めて今年は早めに仕事を締めることにしました。多忙を極めた今年の暮れ、今は直島の静かな波音の響く部屋にいます。
家族3人での予定が、予定が入ったとのことで息子だけ一日遅れて合流することに。妻と二人きりで旅行に出るのは20年ぶりくらいかもしれません。
20年ほど前、牟礼のイサムノグチのアトリエを二人で訪れました。奇しくも2回目の訪問も二人で訪れることになるとは。昔はここはこうだったよね、と話しながら、お互いずいぶん記憶が曖昧になっていることに気づきます。でも20年前もこの道を歩いていたんでしょうね、きっと。
直島はもう何度目になるのだろう。いつ来ても、本当に素晴らしい島です。最後に訪れたのはおよそ8年前、息子はまだ小学生でした。直島は関本家のルーツの島で、親戚に連絡を取ると宿泊先までいらして下さいました。
この一年、このために仕事をしてきたのだと思いたいです。

