13. 12 / 18

未完の

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sekimoto

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> 仕事
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現場に行ってモルタルで下塗りされた外壁を見ると,いつもきれいな色だなと思う.このままでいいんじゃないかと思うほど.内部に入ると作業用の照明が無造作に棚に取り付けられていたりする.これまた凝った照明計画にするより,ずっと魅力的な光を放っていたりしてはっとさせられる.

現場はやっぱり美しい.なんだろ,未完だからいいんだろうな.無限の可能性が詰まっている.仕上がったところを想像するのもまた楽しい.あれだ,子どもと一緒だ.幼いときほど可能性が詰まっている.それが成長すると…いや違う,何の話だ.

13. 12 / 17

降りてくること

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sekimoto

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> 思うこと
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アイデアを考えるとき,「降りてくる」という表現を使うことがある.アイデアが生まれた状態を「降りてきた」ともいう.けれど何もアイデアが浮かばないときに,「降りてこない」から浮かばないのかというと,必ずしもそうではないと思う.

はたして何もしていないときに「降りてくる」ことなんて,どれほどあるのだろう.少なくとも私は一度も経験がない.だからそんな人はきっと天才なんだろうと思う.

ピッチャーはマウンドに立つ前に,ブルペンで肩慣らしをする.マウンドを意識しながら出番を待っている.舞台に立つ前には相応のウォーミングアップが必要だ.いきなり投げろと言われてもできない.きっとそんなことをしたら,本調子になる前に交代を告げられるだろう.

私もプランニングを頼まれたら,ウォーミングアップからはじまる.まずはエスキース帳に敷地の輪郭をオンスケールで描き,漠然と配置やゾーニングを描いてゆくところから始める.周辺状況やご要望を浮かべながら,焦点の結ばないぼんやりとした線を何本も何本も引いてゆく.重要なのはスケールを手放さないこと.必ずスケールを当てて考える.どんなつまらない案でも,ひとつでも出来ればそれは一案だ.ここまではいわばルーティンワークである.

なんとなくアイデアはある.そしてすでに案もいくつかできてはいる.けれども降りてきてはいない.決め手に欠ける.そこからが長いのだ.けれどもそこまでブルペンで肩慣らしをしておくと,頭に図面が入っているので,歩きながらやお風呂の中で,布団の中でも案を温め続けることができる.毎日考える.何案も何案も頭が沸騰するくらい考える.エスキース帳は一件の住宅のプランに一冊を使い切るくらいだ.そして,ある瞬間に焦点が結ばれる.

それがいわゆる「降りて」きた状態なのだと思う.

学生を見ていていつも歯がゆく思う.設計指導をしている学生達の多くは,毎週の指導日に真っ白な状態で何も浮かばなかったと言う.アイデアにスケールを与えず,いつまでも抽象的なイラストのまま現実逃避を続けている.

彼らはきっと,ニュートンがリンゴを見て万有引力を発見したという話を勘違いしているのかもしれない.ぼんやり庭を眺めていただけで歴史が変わるはずはない.何も浮かばないまま真っ白なエスキース帳に向き合い続けるのはさぞや苦痛だろう.どこかにショートカットキーがあれば押してみたいものだ.けれども人生にショートカットキーは存在せず,地道に手数を積み重ねることでしか真の解決には辿り着かない.

今さらこんなことを言ったところでもう遅いのかもしれない.けれども毎回同じ事の繰り返しで悩み,苦しんでいる学生があまりに多いことにいつも心が痛くなる.

抽象的な言説とお絵描きからは早々に決別しなくてはならない.模型ばかり作っているというのも考えものだ.右手には鉛筆,左手にはしっかりと三角スケールを握りしめて,苦しくも地道な作業に没頭しなくてはならない.一案に囚われてはならない.行き詰まったら何案でも考えるのだ.

せめて言い訳をするならば,像を結ばない無数の線とプランニングの軌跡を記した丸一冊分のエスキース帳を差し出して欲しい.けれどもそこまでする人はいないだろう.その時点で必ず降りてきているはずだから.

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sekimoto

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> 子ども
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そろそろサンタさんに手紙書かないと。

最近すっかり生意気になって可愛げのない息子がおもむろに手紙を書き始めました。あれまだサンタさんは信じてるのかな。それともこれは親におねだりの"振り"なのか。「ねえ、サンタさんてどうやってプレゼント届けてるの?」真顔で質問してるところを見ると、どうやらまだ信じているようです。

「このルシファーて何?」ここはちゃんと聞いておかないと。
「え?お父さんがわからないくらいじゃサンタさんはわからないな」ルシファーのイメージを描き始めました「こんなかんじ」

「やっぱ住所も書いておいた方がいいよね?」そうだな。あとサンタさんはフィンランド人だから、フィンランド語も書いておいたほうがいいぞ。「MOI KIITOS」

「で、これどこに送ればいいの?」うむ、じゃあお父さんが出しておいてあげるよ。「ありがとう!じゃあ、おやすみ」…まだ可愛いところ残ってるんだなあ。笑いをこらえながらの、ほのぼのしたやりとりでした。

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> 建築・デザイン
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新国立競技場議論に,今ひとつ乗り切れていない自分がいました.
確かにでかすぎるとは思います.けれども,そうだそうだ!と一緒に拳を振り上げられなかったのは,じゃあどうするんだ?という問いに自分に答えが用意できなかったことがありました.

何より知りたかったのは,一切コメントを出さない審査委員であった建築家たちの個別の考えです.私は心のどこかで,きっと審査委員のひとりである建築家の内藤廣さんは絶対ザハ案に反対したに違いないと思っていました.あるいはそうであってほしいと願っていました.

それらすべてに反論をすべく,ついに内藤さんが重い口を開きました.
http://www.naitoaa.co.jp/090701/top/forarchitects.pdf

誤解を恐れずに言いますが,胸がすくようでした.何より救われたのは,内藤さんが全力でザハ案を擁護していたことです.ザハは望まれずに産まれた子ではなかったのだということ.そして,一審から極刑やむなしの判決が覆ることのなかった被告に対して,世論にすべて背を向け,最高裁で無罪であると言い放った気骨ある弁護士の登場には拍手を送りたいと思います.(例えとして適当かわかりませんが)

ここ数ヶ月の私のモヤモヤに対して,その勇気ある内藤節が少し輪郭を与えてくれたような気がします.もちろんまだ議論は続きます.けれども魔女裁判にならなくて良かったというどこか安堵の気持ちです.

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sekimoto

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> 大学
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非常勤を務める大学の設計演習では某集合住宅のスケルトン図面を渡して、インフィルを考えさせるという即日課題。

演習課題はいつも講師は手持ち無沙汰。暇なので私も一案考えることにしました。学生案の方がよっぽど斬新ですが、私は住むならこういうのがいいです。