16. 06 / 06
『馬事公苑の家』竣工
author
sekimoto
category
> 仕事
Warning: Undefined array key 1 in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/blog/cat_sekimoto.html on line 48
世田谷区で進めておりました住宅「馬事公苑の家」が、本日無事引渡しとなりました。今回はクライアントのご要望もあり、オープンハウスは行いませんので、どうかご了承下さい。
クライアントのSさんとの家づくりは、実は東日本大震災のあった2011年にまで遡ります。当時土地探しのご相談に乗っていたものの、震災が起こり凍結となってしまいました。そして一昨年再び土地探しがはじまり、土地探しも困難を極めましたが、現在の土地での家づくりがようやく再開し、現在に至りました。
Sさんは設計時より、本当にこまめにショールームに足を運んで下さいました。おそらく、設計図に書かれたほぼすべてのメーカーのショールームに行かれたのではないでしょうか。また現場にも、ほぼ毎週のようにご夫婦で足を運んで下さいました。その熱心さにも頭が下がる思いでした。
時には我々も気づかないような点もご指摘下さり、ありがたい反面、冷や汗が出る場面もありました。
敷地面積は23坪弱と小さく、敷地には現況で1m程度の高低差がありました。ビルトインガレージのご要望もあったことから、玄関部より奥に行くに従って半階ずつスキップする、スキップフロア形式としています。
スキップフロア形式の特徴は、なんといっても室内に広がりが出ることです。ひとつのフロアから2つのフロアを視界に捉えることができるので、平面形式に比べても空間を広々と視認することができます。結果的にご家族の気配もわかり、家族が各フロアで別々のことをしていても、ひとつの空間で暮らしているという感覚を持って頂けると思います。
結果的に生まれたリビングの天井高は実に5.9m!吹き抜けの高さでは、過去最高の高さです。これはお見せできないのが残念なくらいの迫力で、ロフトから下を覗くと足がすくむくらい。おそらく外部からは、内部にこんな空間が隠されているとは思えないかもしれません。
他にも売りはいっぱいあるのですが、続きは竣工写真ができてからのお楽しみということで。
今回は施工を、今回2回目のお付き合いとなる宮嶋工務店さんにお願いしました。前回と同様、精度の良い施工と、隅々まで配慮の行き届いた対応をして下さいました。我々にとって、こうした優秀な工務店さんとの協働は最近は益々不可欠となってきています。今回は我々の至らぬ点も多く助けて頂きました。
クライアントのSさんからは、最後に以下のような記念品を頂きました。「かまわぬ」の手ぬぐいに、このような刻印が入れられるのですね。しかも馬事公苑にちなんで”馬”の図柄が笑。どうもありがとうございます!お昼もご馳走になり、午後も仕事があるのにほろ酔い気分で帰路につきました。
Sさん、長い間大変お世話になりました。
今後とも末永いお付き合いをお願い致します!
16. 06 / 05
SPH
author
sekimoto
category
> 仕事
Warning: Undefined array key 1 in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/blog/cat_sekimoto.html on line 48
昨日は友人のオープンハウスの後、近くで設計したSPH(H邸)にお招きを受けお昼を頂きました。この食卓に、丁寧な生活をされている様子が凝縮されています。
お子さんも大きくなっていて感慨ひとしお。Hさん、久しぶりの再会嬉しかったです。このあとは別件の設計打合せのため、事務所にトンボ帰り。
いずれまたゆっくりと!
北海道で子どもが置き去りにされた事件で、無事保護されたという昨日の報には、心底よかったと思った。ほっとするあまり、危うく涙すら出そうになった。
普段報道は他人事であり、一喜一憂することのない私にとって、そこまで心が動いたのは、これは自分のことだと思ったからだと思う。
言葉で言って理解できない、あるいは収まりのつかない時期の子どもの教育はとても難しい。暴力は控えるとしても、やはり特効薬は「恐怖」をちらつかせて子どもの本能に訴える方法があることは否定できない。「言うこと聞かないと鬼が来るよ」といった方便もこれにあたる。
今回の事件もその延長線上にある。結果的に大騒ぎになってしまったけれど、どの家庭でもそんな経験の一つや二つはあるのではないか。
例えば、躾のためにほんの5分ほど押入れに閉じ込め反省を促したとする。開けたら子どもがぐったりして動かなかったらどうだろう?その日からその親は犯罪者の一人となってしまう。
私も子どもの頃父に夜のベランダに出されたことがある。でもそこでパニックになり、自力でベランダから飛び降り頭を打っていたら、今の自分はいないかもしれない。
今回の事件の衝撃は、まさに日常に潜む恐怖であり、いつどんな時に、同じ災いが自分に降りかかるかわからないという教訓である。
今回子どもが無事保護されたことを、我が事のように安堵した。そして我が子が今まで何事もなく成長してくれている幸運と、自分も今何事もなく生活できている幸せが奇跡であることをあらためて感じた。
普段報道は他人事であり、一喜一憂することのない私にとって、そこまで心が動いたのは、これは自分のことだと思ったからだと思う。
言葉で言って理解できない、あるいは収まりのつかない時期の子どもの教育はとても難しい。暴力は控えるとしても、やはり特効薬は「恐怖」をちらつかせて子どもの本能に訴える方法があることは否定できない。「言うこと聞かないと鬼が来るよ」といった方便もこれにあたる。
今回の事件もその延長線上にある。結果的に大騒ぎになってしまったけれど、どの家庭でもそんな経験の一つや二つはあるのではないか。
例えば、躾のためにほんの5分ほど押入れに閉じ込め反省を促したとする。開けたら子どもがぐったりして動かなかったらどうだろう?その日からその親は犯罪者の一人となってしまう。
私も子どもの頃父に夜のベランダに出されたことがある。でもそこでパニックになり、自力でベランダから飛び降り頭を打っていたら、今の自分はいないかもしれない。
今回の事件の衝撃は、まさに日常に潜む恐怖であり、いつどんな時に、同じ災いが自分に降りかかるかわからないという教訓である。
今回子どもが無事保護されたことを、我が事のように安堵した。そして我が子が今まで何事もなく成長してくれている幸運と、自分も今何事もなく生活できている幸せが奇跡であることをあらためて感じた。
16. 05 / 23
アトレウス家の新築
author
sekimoto
category
> 建築・デザイン
Warning: Undefined array key 1 in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/blog/cat_sekimoto.html on line 48
先週末は大学の先輩であり、大学でもお世話になっている佐藤慎也先生の設計した住宅の見学会へと行って参りました。
慎也さんは学生時代からそうでしたが、型破りな先生で、大学でも研究テーマを”アート”に置いていることから、今回の見学会もいわゆる”オープンハウス”とはせずに、「アトレウス家の新築」というタイトルのアートイベントとして開催されていました。おそらく、案内を受け取った方の半数以上は意味が分からなかったと思います笑
[アトレウス家の新築]
http://thoa.gr/
建物としては文京区の下町に建つ木造3階建ての住宅で、今回は単なる見学会ではなく、製作のプロセスを映像化し、そこにモノローグを載せることで固有性の高い住宅を、一種のアノニマスな現象に置き換えてしまう(私の解釈が間違っていたらごめんなさい!)という映像作品が室内でも上映されていました。
実はこの住宅の計画の初期では、慎也さんの紹介で、私もこの建て主さんと面談をしていました。結局スケジュールその他で折り合いがつかず、結局慎也さんが共同設計者と共に設計を引き受けることになったようですが、このように「もしかしたら私が設計していたかもしれない住宅」を見に行くというのは、いつもとても興味深いものです。
細かい具体的なポイントは省きますが、この住宅の作り自体とても大らかで、ヒューマンスケールで作られていたことにとても好感を持ちました。また1階が特定の目的を持たない図書館のような公民館のような空間となっており、おそらくは生活に直接は直結しないであろうこの空間が、全体の1/3を占めているという構成にも驚かされました。
おそらくは、街とどのようにつながるかという点を突き詰めていった結果なのかもしれませんが、それを受け入れたクライアントの度量も賞賛に値するものがあると思います。
そこであらためて思ったのは、私の住宅の作り方は極めて職人的なのだなということです。全体の細かい整合性を突き詰めて行った先にリオタデザインの住宅はあるわけですが、ひとたび筆を置いて、このように都市的に、大らかに全体を構成していった先には、きっと豊かで大らかな生活があるのだろうなと思うと、とても魅力的であるように思います。
かといって我々の住宅ポリシーが変わることはないかもしれませんが、ただひとたび一部のディテールが崩れると全体系に影響を及ぼしてしまうような作り方ではなく、もう少し街やいろんなものを懐深く受け入れる住宅のあり方を考えていきたいなあと、この日は強く思ったのでした。
慎也さん、またクライアントのFさま、ご案内をありがとうございました!
16. 05 / 20
全体講評会
author
sekimoto
category
> 大学
Warning: Undefined array key 1 in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/blog/cat_sekimoto.html on line 48
昨日は非常勤を勤める日大2年生の全体講評会がありました。課題は「サードプレイス」。自宅でも、職場でもない、第三の場所(カフェなど)を作るというもの。うちのクラスからも2名を選出し、他のクラスの先生方にも講評をして頂きました。まさに”まな板の上の鯉”状態です。
まだ2年生ということで、発表の学生達も論理も破綻していたり、表現やプレゼンもまだまだな側面もあるのですが、企業に例えればまだ上場前のベンチャー企業のようでもあり、その奥底にマグマを蓄え、ちょっとしたきっかけで噴火してゆきそうな、そんなエネルギーを大いに感じました。
一方では、私の2年生の時などに比べれば、比較にならないくらいレベルの高い作品ばかりです。私も偉そうな顔でクリティックなどしていますが、本当は手放しですべて褒めちぎりたいくらいです。
最後には、各班の発表作品の中から優秀作品が2点選出され、来年の優秀作品集や夏のスーパージュリーへとエントリーされます。うちの班の学生は残念ながら選からは漏れてしまいましたが、この日の発表のために仕上げてきた作品はとても素晴らしく、次の第2課題でも期待が持てそうです。
次の第2課題はいよいよ「住宅」。大学2年生の通過儀礼であり、彼らにとっては最初で最後の住宅設計となる者も多くいることでしょう(高学年になると、美術館や地域センターなど公共建築の設計がメインとなります)。
私は住宅設計のスペシャリストですから、彼らにはより濃密に住宅設計の奥深さについて教えたいと思っています。ただ一方で、特定のクライアントを想定しない大学課題の住宅は、ある意味”住宅”ではないとも言えます。教え方に悩むところです。
昨日は放課後に残った学生を相手に、住宅の設計アプローチについて簡単なレクチャーをしました。私にとっては、こうして放課後に学生と触れあう時間が何よりも楽しく、濃密な時間が昨夜も過ぎていったのでした。リアルな設計の話が聞きたい学生は、放課後関本クラスに来ると、いいことあるかもよ!?
category







