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sekimoto

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> 仕事
> 思うこと


関本さんはいつ仕事しているの?とよく聞かれます。なんだか、チャラチャラとイベントばっかりやっていると思われるといけないので、ここで書いておこうと思います。

私が抱える仕事は、本業の設計以外にも、ブログでもよく告知している頼まれたセミナーの講師だったり、SADIという団体での企画の取りまとめ役だったり、アールトイベントの事務局を仲間とやっていたり、一方では大学の非常勤講師もやっていたり、傍で原稿を書いたり、雑誌の企画協力をしていたりもします。この間までは同窓会の幹事もしていました。そしてブログの更新…。

言うまでもなくですが、人に与えられた時間は一日24時間しかなく、一週間は7日しかありません。でも人は隙間の時間というものが意外と多く存在します。電車の移動時間だったり、テレビを見ていたり、ぼうっとしている時間だったり。

そういう時間を無駄にしないで、テトリスのようにピッタリ隙間なく使ってゆくと、おそらく人の二倍の仕事はこなせるようになります。もちろん睡眠時間は削らずにです。私は寝ないとダメなタイプなので、毎日7時間は睡眠時間を確保するようにしています。

もう一つ心がけていることは、自分にしかできないことをやることです。自分じゃなくてもできることは、人にやってもらうということが一番です。その場合の鉄則は、自分と同じかそれ以上の能力を持った人を選ぶこと。そうでないと、逆に仕事を増やすことになります。

今うちの事務所には有能な人材が集まっていますので、私の使える時間はどんどん増えています。そしてもちろん、本業である設計や現場監理は要ですので、私も一番多くの時間を割いています。

私は前述の個人仕事(ソロ活動と呼んでいます)をこなしながら、週3〜4日の現場監理もスタッフと一緒になるべく行くようにしています。スタッフとの図面打合せも濃厚にやっています。

スタッフが進めた仕事も、設計で私が与り知らぬ所は一つもないようにと思い努力しています。クライアントへの対応ももちろん私の役割です。それこそが、リオタデザインの生命線ですから。

と、これを大学に向かう電車の中で書き上げ更新します。

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> イベント
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ビックサイトでの建築知識セミナー、無事終了しました。

今年は防水メーカー・栄住産業さんとのタイアップセミナー。防水に向き合う良い機会になりました。そしてまたひとつ肩の荷が下りました。

ご来場下さった皆様ありがとうございました!



17. 11 / 13

重版出来!!

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sekimoto

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> メディア
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拙著『上質に暮らす おもてなし住宅のつくり方』の重版が出ました!!
重版出来。皆さまありがとうございます!

『上質に暮らす おもてなし住宅のつくり方』 関本竜太|著
http://amzn.asia/5RUKj5T

担当編集者さんより重版決定のお知らせを頂いたのは10月24日のこと。初版の発売が9月27日でしたので、発売よりわずか1ヶ月での重版ということになります。

編集を担当して下さったエクスナレッジの上野さんはもちろんですが、がんばって販売をかけて下さった販売部の皆さまにも、この場をお借りして深く御礼申し上げます。


重版というのは、初版の発行部数を上回り、さらに版を重ねて発行することを言います。ベストセラーになると、どんどん版が重ねられてゆきますが、出版不況と言われる中、一部の書籍を除いては版が重ねられることはそう多くはないようです。

本を出せるだけでも十分だと思っていましたが、その版を重ねられるということは、内容についても一定のご支持やご評価を頂けた証だと思います。本当に嬉しく、ありがたいことだと思っています。


さて重版とは同じ判型・装丁で刷り直しをかけることを言います。ですから、もちろん今回も同じ判型ですし、内容も基本は同じなのですが、いくつかの点で修正をさせて頂いたところがございます。

きっと初版をお持ちの方でしたら、「あ!」と気づくところがあるかもしれません。ほぼわからないようなところがほとんどですが、一部にはやや大胆に手を入れたところもあります。

内容については敢えてここでは伏せたいと思いますが、お時間とお金のある方は初版と二刷とを両方手に入れて、どうか秋の夜長にじっくりと探してみて下さい笑。(見つけたらきっとニヤッとすると思います^^)

また二刷は初版の在庫が底をつき次第、順次各書店に配本されるようです。それがいつになるのかは著者である私にもわかりませんが、ご購入の際はどうか書店で裏表紙をめくり、版をご確認頂ければと思います。

一方の初版本は、一転して貴重本になってしまいました。たぶん、しばらくはアマゾンをポチッとしたら初版本が届くと思うのですが、これもいつ切り替わるのかはわかりません。

残り少ない初版本と、バージョンアップした(かもしれない?)二刷本、共にどうかお楽しみ下さい!


『上質に暮らす おもてなし住宅のつくり方』 関本竜太|著
http://amzn.asia/5RUKj5T

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17. 11 / 11

DECO打ち上げ

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> 仕事
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今日は竣工写真撮影と兼ねて、9月に竣工したDECO(U邸)の打上げを開いて頂きました。

贈り物の価値というのは、金額や物そのものではなく、相手のことを思う時間だと誰かが言っていました。そういう意味では、我々の設計という作業はまさしく相手のことを想う時間そのものなのかもしれません。

今回建て主さんは、サプライズとして我々のために似顔絵入りのケーキをご用意下さいました。何を用意しようかとても悩んだのだそうです。あぁ、悩んで下さったんだなということがとても嬉しいですし、何よりの贈り物だと思うのです。


建て主のUさんは時計職人さんでもあります。

この日は「2/100ミリの調整」という意味や職人技術について、根掘り葉掘りお聞きしました。設計の打合せがはじまると、決めないといけないことがたくさんあるので、打合せの時間の中でお聞きできることは限られてきますが、こうして設計が終わった後のお話しというのは時間の制約がなく、とても楽しいものとなります。

私も少し職人気質のところがあるので、こういう話は聞いていてとても楽しいです。肉眼(老眼とも言いますが…)では判別のつかないくらいのネジやパーツを、特殊なレンズで覗き込んで作業する、時に顕微鏡を見ながらの作業と聞くと、指の上に乗る折り鶴を折ってしまう人の話を思い出してしまいます。


自分では体験し得ない、いろんな職業の方のお話を聞いたり、それぞれの仕事観・価値観などを聞けるというのが、この仕事をしていて一番役得だと思うことです。思えばNHKの「プロフェッショナル」とか、様々な職業人の仕事観を紹介する番組が私は一番好きだったりもします。

これは住宅設計の職業柄というより、そういうことが好きだから住宅設計をやっているのかもしれませんね。ともあれ、楽しい時間をありがとうございました。そしてごちそうさまでした!



最近面白い本を読みました。小説ではありません。ノンフィクションですが、ドキュメントみたいなものとも違います。日記です。それもノルウェーの大工さんの。

『あるノルウェーの大工の日記』

オーレ・トシュテンセン著
http://amzn.asia/dESwFxE


ノルウェーの大工さんの日記と聞いたら、みなさんはどんなことが書かれていると想像しますか?私は、きっとあごひげ生やした屈強なバイキングみたいなオヤジさんが、強い酒あおりながらフォッフォッフォって。あ、それはサンタクロースか。でもそんなサンタさんみたいな大工さんが、ログハウス建ててご満悦みたいな、そんな日記かな~と勝手ながら想像していました。

それが、そんな先入観を全力でひっくり返す本だということは先にお伝えしておきます。私はまずはそこにカウンターパンチを喰らって、どんどん引き込まれてしまいました。

つまりこれ、日本の大工さん、いや優秀な現場監督の業務日誌だと思って読むと実に興味深いのです。私は去年行ったノルウェーのログハウスが強烈だったので、ついつい「ノルウェー=ちょっと粗野でダイナミック」みたいなイメージを持ってしまうのですが、どうしてどうして、この大工さん相当繊細で優秀な方のようです。

仕事を受注するための精密な積算や他社との駆け引き。建て主にいかに自分をアピールし信頼を勝ち取るかという努力や、工事をスムーズに遂行するための段取り。そして現場に姿を現さない”アカデミック”な建築家との付き合い方やボヤキなど、これそのまま日本の現場に置き換えてもそっくり成立しちゃうってところが最高に面白いんです。

遠く離れたノルウェーの現場事情や大工さんの考えていることが、日本と何ら変わることがないという不思議。ものづくりって万国共通なんだなあとしみじみ思ってしまいました。


この本のもう一つの魅力は、本文に出てくるこの大工さんによるしみじみと”深イイ”言葉の数々です。以下に、私の心にフックした言葉の数々を紹介したいと思います。

「この職業において、良質な仕事と悪質な仕事の差は、わずか1ミリしかない」
「物を不正確に造るより、正確に造る方が簡単だ」
「経験が教える最も役に立つことは、自分には何ができないか、を知ることである」
「腕の良い職人は、常に強い自信と不安とを同時に抱えている」
「測定、計算、それに精度というものは、メタファーとして人生にも当てはめられるかもしれない。必要以上に精度を追い求めるのはどうかと思うが、適当にやっつけた仕事が歪んでいるのはやはり問題だろう」

そうそう、そうだよね、と遠く離れたノルウェーの大工のつぶやきに一つ一つ相づちを打ちながら、自分の進行中の現場のことなどが一方でぐるぐると頭の中でまわるのでした。日本の住宅設計や施工に関わる人にも是非読んでもらいたい一冊です。