22. 03 / 08
テレワーク家具@路地の家
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sekimoto
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「路地の家」の建主さんより、夫婦のテレワークスペースを拡充したいというご要望を頂き、最上階のスペースに家具を設えました。
奥さんのデスクに、ご主人用のローテーブル、また娘さんの電子ピアノスペースを設けた上で、家具と天井との間には梁をブックエンドがわりに、異なる判型の本もぴったり収まるよう製作しています。
既成の家具を並べるだけでもこうしたワークスペースは簡単に作れますが、建てようと思えばいくらでも簡単に家を建てられる世の中で、我々に設計を頼んで家を建てようという人はこういう時にも手を抜かないのだなと感心させられました。
家具だけでも空間は十分作れるものですね!



↓こちらは竣工当時の元の空間。納戸兼予備室代わりに使っておられました。

22. 02 / 27
「壇の家」一年点検
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sekimoto
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昨日は竣工後一年が経過した横浜市の「壇の家」に、一年点検のためにお邪魔させて頂きました。
外部の方は、その住宅を我々のHPの竣工写真などからしか知ることが出来ませんが、実際に暮らされて一年ほどすると、どのように生活が変化してゆくのかなど興味深いことと思います。今回はちょっと、そんな住まいの経年変化を知って頂くためのレポートとさせて頂きます。
壇の家(2021年1月竣工)
https://www.riotadesign.com/works/21_dan/#wttl
◇
当日は我々の訪問に備えて、建て主のFさんが玄関周りを熱心に掃き掃除をされておられました。
一年点検は我々にとっても設計の「答え合わせ」をする日でもあるのでとても緊張するのですが、建て主さんにとっても、この日は一年間の「暮らしのレポート提出」のようなものかもしれませんね。


アプローチに入れたクリーピングタイムは、アプローチにはみ出してほぼ理想的な伸び方をしていました。裏通り側に植えたクラピアは、一部枯れてしまった部分もあるのですが、逆にFさんのご家族で空いたスペースに次に何を植えるかを楽しんでおられるとのこと。
植栽は手入れが大変と思われる方も多いようですが、実際にはそんなこともありません。こうやって、お庭と向き合う時間が増えるのも幸せなことだと思います。


玄関扉には横一文字にクラックが入ってしまいましたが、木製建具あるあるでもあるので、この辺は大らかに受け流して頂きます笑。
一方の、最もダメージを受けやすい建具の下部はとてもきれいで、まったく劣化を感じさせませんでした。経験上、建具を外壁面よりも少し奥に入れると建具がとても長持ちするのですが、そのような設計上の措置もまた功を奏しているようにも思いました。


ウッドデッキには多少退色が見られましたが、まだこの段階では手入れはしません。あと二年くらいほったらかしにしたくらいがお手入れ時期になると思います。ちなみに、Fさんはデッキの隙間にはさまった落ち葉もピンセットで取り除いているのだとか。すごい!
手摺り上部にまわした木製手摺りもきれいですね。むしろこちらの傷みを心配していたので、安心しました。


続いてお風呂回り。こちらはリオタデザインでは定番の板張り併用の浴室になっていますが、これは竣工検査ですか?というくらい、非常にきれいに使って下さっていました。
木部は傷みが出やすいので、セラミック塗装を木部に施しているのも功を奏しているようにも思います。木はカビるから、と思っているそこのあなた。そんなことないんですよ。
またタイル目地はカビるからと思っているそこのあなた。このカビ一つないタイルを見て下さい。防カビ目地の効果も大きいと思います。

木製建具もこの通り。シミひとつありません。カビを防ぐための設計上の工夫と、セラミック塗装が功を奏しています。
ただ、ここでもうひとつのネタばらしをしなくてはなりません。Fさんご家族の努力を!
毎晩お風呂に入った後は、乾いたタイルで木部をちゃんと拭き取っているそうです。これはうちの建て主の多くの方がやって下さっていることです。
先のような措置を設計側で考えているので、別にそこまでやらなくても大丈夫ですよとはお伝えしているのですが、これが住まいに対する愛情なのでしょう。頭が下がります。

洗面カウンターまわりには、このような隙が出ることは多いです。乾燥すると収縮しますからね。これは木を使う限りは正直防げません、、。
後日シールなどを打って頂こうと思います。

洗濯機の上部には、無印良品のボックスがぴったり納まっています。たまたまだと思いますか?いえ違います。我々が、ちゃんと無印良品の規格で棚を作っているからなのです。
竣工時には誰も気付きませんが、暮らしが進んでゆくとこのような設計上の考え方が伏線回収されてゆきます。生活するということは、つまりこういうことですので。


キッチン回りもとてもきれいに使って下さっていました。背面の飾り棚はLEDを仕込んでいますが、ちょっとお店のような雰囲気で奥様もお気に入りの小物やツールをディスプレイされていました。
こういう棚は必ずしも機能的な棚ではないのかもしれませんが、生活にはこんな気分が”アガる”設えがどこかに必要なのだと思います。ここにもFさんのこだわりや愛着が伝わってくるようです。

こちらは2階の一角に設けた本棚。キチンとされていますね!これはうちの建て主さんの特徴ですが、こうやって本棚に入れる本も、高さを揃えたり分類をして美しく見えるように工夫をされています。
もちろん今回我々が行くから整えた部分もあると思いますが、でもちゃんとわかります。にわかか、そうでないかは。

こちらの一角にも、無印のパインラックがぴったり納まっています。
はい、もうおわかりですね。そうなるように設計しているからです笑


そして2階のハイサイドからはまっすぐに1階まで光の筋が。壇の家は吹抜けがありますが本当に温かくて、2階の廊下もポカポカでした。
断熱や気密性能が高いこともあり、上下階で温度差があまり生まれていないようです。シーリングファンも設けませんでしたが、特に問題はありませんでした。
◇
ということで、一年点検で訪問したのですが、ほとんど不具合らしい不具合はなく、ほっと安心してずっとFさんとおしゃべりしていたらあっという間に夜になってしまいました笑。暗くなったので、結果として我々の照明計画が適切であったかどうかも、この日検証することができました。




この写真でどのくらい伝わっているかはわからないのですが、実際にはこの数倍くらい良い感じです!
照度について、少し暗いかなと不安に思っていたのですが問題なさそうです。建て主のFさんも、住まいながら様々な照明の使い方を編み出したり工夫したりしているようで、そんなお話を聞くのもとても有意義でした。まさに設計の答え合わせですね。

そんなFさんとの語らいの時間は本当に楽しいものでした。何人かの建て主さんとは、コロナが落ち着いたら呑みましょうねと約束していますが、設計業務を離れて語らう建て主さんとのこうした時間は、何ものにも変えがたいものです。
この日のFさんからは、この家に対する愛着の言葉が止まりませんでした。一年を経過してもまったく飽きないとのこと。そんな”のろけ話”はどれだけ聞かされても良いものですね笑。
◇
このブログを読んだ方は、自分はそんなきれいに暮らせない、そんなに几帳面に手入れは出来ないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、自分が本当に愛着を持てる家を建てると人は変わるものです。このFさんもまさにそうだったとおっしゃっていました。
家づくりはそんな自分自身を変えるきっかけにもなるし、家族が今後どうありたいかを考え、現にその通りになってゆく過程そのものでもあるのでしょうね。この日も考えさせられることがたくさんありました。
Fさん、ご対応ありがとうございました!

住宅業界における2021年の流行語大賞は、間違いなく「ウッドショック」であろう。ウッドショックによって引き起こされた木材全般の高騰と物流の混乱は、我々が関わるあらゆる現場に大きな影響を及ぼし、今なおその影響を引きずっている。
我々を直撃しているのは、上記をトリガーにした工事費の高騰だ。しかしフェーズはもはやウッドショックですらなく、建築資材全般の高騰であり、いわゆるマテリアルショックと呼ばれる現象が業界全体を覆いつつある。
LIXILは4月からサッシュを1割、トイレを3割、ユニットバスに至っては最大4割の値上げを発表した。安価な断熱材の代表格であったグラスウールは8年ぶりに一律2割の値上げ、また最も価格安定性に優れていたせっこうボードも3割の値上げとなった。鉄材(ガルバリウム鋼板を含む)もまた「スチールショック」という言葉も生まれるくらい、過去例のない値上がりに業界は悲鳴を上げている。
建築資材の一部が2割上がるだけでも、業界的には数年に一度の「事件」である。それなのに3割クラスの値上げなんて考えられない。しかも、こんなニュースがほぼ毎月のように入ってくるのだ。一度値上げを発表したものを、数ヶ月後にまた再値上げをするというケースすらある。コロナどころの騒ぎじゃない。岸田内閣には緊急事態宣言を出してもらいたいくらいである。
結果として(かどうかわからないけれど)、昨年末から今年にかけて出てきた見積りは、ちょっと卒倒しそうな金額が続いている。
過去の単価と比べようにも、そのどれもがベースアップしているので話にならない。各業者も労務費は据え置きにしても資材が高騰しているので、減額交渉をすれば彼らの労務費が削られかねない。一方的に値上げを通達するメーカーが本当に恨めしく思える。
しかしそうはいっても、建て主さんも我々も、それを実際に建てるためにこれまで進めてきた計画である。どうにか頭を捻って工務店さんにも協力を求めてゆくほかない。建て主さんにも、出資出来る上限を見極めて頂く作業にもなるだろう。しかし毎月のように資材が2割上がっても、我々の収入は急には上がらない。そんなねじれ現象が今まさに起こっている。
日本は長らくデフレスパイラルの只中にあった。「安いが正義」とばかりに、あらゆるものが値引きされることはあっても、値上げされることは希であった。工務店との値交渉も我々が優位にあったし、元請けの工務店と下請けの職人との関係もまたそうであった。
これが完全に逆転した。今一番強い立場にあるのは職人ですらなく、その水上の資材を供給するメーカーだ。我々はそのねじれの累積を一方的に押しつけられる弱い立場になった。そして、その先にいるのは言うまでもなく建て主さんである。
建て主受難の時代だと思う。けれど、少しばかり待っていたって物価なんて下がることはない。時代の流れはハイパーインフレに入った。私は資材の次は人だと思う。職人不足で労務費も高騰してゆくに違いない。そうしたら、、もはやもう一般の人は、家なんて建てられなくなる日が来るんじゃないかとすら思う。
雨の中でも傘を差して進むのが正解だと思う。
次の台風がやってくる前に…。

昨年の暮れにベテランスタッフの矢嶋くんが退所し、その後任として新年より新しいスタッフが入りました。橋本紗奈さんといいます。
一昨年入所したスタッフに岩田舞子さんがいるのですが、橋本さんはこの岩田さんの大学の1学年後輩になります。となると、岩田さんから彼女に声をかけたのだろうと思うかもしれませんが、実はそうではなく、橋本さんは自らうちの事務所を選び、サイトをよく見たらよく知る先輩がいたのだとか。まったくの偶然のようです。
一方で構造設計でお世話になっている山田憲明さんの構造事務所の担当者もまた、彼女の大学の同級生であることがわかったり。
岩田さんが入所したときは、うちがいつもお世話になっている大和工務店の若い監督さんが、たまたま彼女の大学の先輩だったことがわかったり。
はたまた、造園でお世話になっている小林賢二さんと一緒にうちの造園を施工下さっている職人さんも、彼女たちの大学の先輩であることがわかったり。
彼女たちの出身大学は武蔵野大学といって学生数はけして多い大学ではないのですが、その遭遇率は日本一のマンモス大学、日本大学(私の母校です)のそれを完全に凌駕しています。こんなことってあるんですね、、。不思議なご縁です。
本人はとても明るく、質問をよくする好奇心旺盛なスタッフです。私はいつも「質問をしなさい」というのが口癖なので、彼女はうちの事務所でもきっと貪欲に吸収し学んでくれるものと思います。また、女性スタッフが同時に2名いるという体制も、リオタデザインでははじめてのことです。
すでにいくつかの住宅の担当につけていますので、皆さまと仕事の関わりがありましたらどうかよろしくお願い致します。
○リオタデザインについて (スタッフ紹介)
https://www.riotadesign.com/about/
