2014年竣工のDIVEもかれこれ築12年。構造家の山田憲明さんと協働した崖に2.7mも持ち出したキャンティレバーは今見ても鮮烈。スターウォーズに出てくる要塞みたいだなと改めて思う。

最近の集中豪雨でのお困りごとのご相談に。当時小さかった娘さんは高校3年生。建築学科を目指していると聞き嬉しかった。

過去のほかの建て主さんのご家庭でも、お子さんの建築学科進学率は群を抜いている。家が与える影響の大きさを思う。

断続的に見える景色が、その向こうに広がる風景を編集し拡張する。最近感じていたことを、昨日のイベントで中村篤史さんの語った視点に頷いた。

つくばの古い集落の一角に建つ家。周辺は昔から皆同じ苗字だという。集落の風景に馴染ませるというより溶け込ませたい。最近続いているカモフラージュ・ローカリティ。

最近農家の持つ構えにとても興味がある。そういえばアールトのマイレア邸も、モデルになっていたのはニエメラの伝統的農家だった。


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sekimoto

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2025年に竣工した三鷹市のRISE(T邸)が、エクスナレッジ刊『はじめてのマイホーム』の巻頭の事例紹介にてご紹介頂きました。

『はじめてのマイホーム 建て方・買い方2026-2027』エクスナレッジ
https://amzn.asia/d/0bCZkWbu

RISE(2025)
https://www.riotadesign.com/works/25_rise/#wttl

「はじめてのマイホーム」シリーズには過去何度かご掲載を頂いておりますが、今回もRISEを取り上げて頂き大変光栄に思います。

この本ははじめて家を建てるという方のために編集された、資金計画からプランニング、家づくりの基本知識までが網羅された一冊ですので、これから家を建てようという方も是非参考にされると良いと思います。

◇
RISEの建て主さんは30代前半の、まだご結婚後間もない若いご夫婦でした。アラウンドアーキテクチャさんと共に土地探しからご一緒し、三鷹にある敷地内に段差のある個性的な敷地に辿り着きました。

そこからは本当にスムーズに設計が進みました。なによりご夫婦仲がとても良く、お互いがお互いの要望や希望を譲り合いながら、基本的には我々の提案をほぼすべて受け入れる形で設計が進んでいきました。

この夫婦の関係が良いというのは、うちの建て主さんほぼ全員に当てはまる共通点ですが、家づくりでは大事な決定が続くのでちょっとした違和感をそのままにしたり、意見が相違したまま進めるとあとで大きな手戻りになったりトラブルになったりします。

Tさんの場合は、ご予算の設定にも無理がなく、最初から最後まで本当に一筆書きのようにできあがった住宅でもありました。こうしたプロセスが、この伸びやかな構成や素直なつくりにすべて表れているような気がします。

もうひとつ。この住宅ができあがるとすぐに奥様のご懐妊が分かり、竣工一年のタイミングで第一子が生まれました。これは実にあるあるで、設計中は子供がいなかったのに、設計中や工事に入ったタイミングでご懐妊、新居ができて早々に子育てがはじまるというご家庭のいかに多いことか!今回の写真にもご家族三人で写って頂きました。

これは家を建てたから子供を生んだのではなく、本能的に子供が生まれることを察してそのタイミングで家づくりをはじめた、というほうが近いのかなと解釈しています。これも家づくりの不思議な魔力のような気がしています。

Tさん、取材のご協力ありがとうございました!



丸山弾さんの芳賀町の家へ。不思議な佇まいの家。和でも洋でもない感じ。地面から生えたのではなく、空から降ってきたみたいな、そんな印象の家だった。

室内も抽象化されていて、視線を外に導くための設えだという意図も伝わってきた。「船みたい」田園風景に囲まれた環境を海だとするなら、そんな例えがしっくりくる。たぶん、弾さんが感じた敷地の印象はまさにそんな感じだったのではないか。戦わずに浮かべた。それが導いた答えだったのではないかと想像した。

私なら何ができただろう、と考えるともしかしたらもう少し風景の見え方にヒエラルキーを付けたかもしれない。風景を等価に捉えるというのは弾さんの住宅の特徴なのかもしれない。

空間の抽象化は、同時間に来ていた若原さんに似ているようで違うこともわかった。若原さんは視点が動的で、弾さんは静的なのだ。同じく同時間にいらした石川素樹さんはもっと違う。風景との距離の取り方、視点など気づきがいろいろあってとても楽しかった。

最後はそんなたまたま居合わせたおじさんたちで記念撮影。弾さん、今日はご案内ありがとうございました!



左から、私・石川素樹さん・若原一貴さん・丸山弾さん

26. 09 / 10

20年目の贈り物

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sekimoto

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昨日は午後から外出して夕方に事務所に戻ってくると、事務所のテーブルに見慣れない箱が。留守中に対応してくれた妻によると、20年ほど前に手がけた「ひかりハウス」のTさんが不在中ご夫婦でいらして届けてくださったのだという。

え、Tさん!?

ひかりハウスは、なんとこの日(9月9日)がちょうど竣工20年の記念日だったとのことで、この日に私にお二人で贈り物をお持ちくださったそう。もうだめ、これだけで泣きそうです。

ひかりハウス
https://www.riotadesign.com/works/06_hikari/#wttl

ひかりハウスは2006年に竣工した住宅で、私にとっては駆け出しの頃の仕事です。Tさんのお父様がアルミのリサイクル業をやられていたというお話から、外装や中庭のルーバーに大胆にアルミを使用した住宅です。さすがにここまで攻めた住宅はその後はありません笑


箱にはお手紙も添えられていました。

当時小学生だったお子さんたちは皆大きくなって家を離れたこと、お住まいは一部に手を入れた以外は当時のままお住まいであること、週末になると頻繁にご友人が集まり、ご自身の趣味も楽しめる家であること。

すまいの20年の”成人式”にあわせて、私に何か贈りたいとご夫婦で話し、北欧のモビール「ヒンメリ」を習って作ったこと。(なんと材料のライ麦から畑で育てたそう!)

そしてこう結ばれていました。
「このおうちのおかげで、毎日が平穏で、安心で、とても幸せです」

あぁ、、なんて幸せなんだろうと思いました。本当に涙が出そうなくらい嬉しかったです。この仕事を続けてきてほんとうに良かったと思えた瞬間でした。

箱を開封すると、


す、すごい!!!

私もヒンメリを自分で作ったことがあるのでわかりますが、このサイズのヒンメリを作るのにどれだけの時間をかけられたことか。これは1~2日ではないですよ。しかもすごくきれい!まるでプロの作家さんが作った作品のようです。

早速、事務所の天井から下げさせて頂きました。


写真だと伝わらないかもしれませんが、これ本当に大きいんです!

本当に嬉しいです。私の事務所には他では絶対に手に入らないお宝がごろごろ飾ってあるのですが、またもうひとつ宝物が加わりました。


この”お宝ヒンメリ”に混ざって、こんな可愛らしいお人形も。これってE.T.じゃないですか笑 うわ、かわいい~~!!

ってよく考えたら、もしかしてこれも手作りですか?

このことにはお手紙にも触れられていませんでしたが、きっとそうなんじゃないかという思いが確信に変わっていきます。昨日お会いできなかったことが本当に悔やまれます。Tさん、本当にありがとうございました!!

◇
20年も前に家を設計してくれた人を思い出して、夫婦で20年目の記念日に贈り物を届けに来る。そんなことある?今でもにわかに信じられません。それってどんな思いなんだろう、と建て主さんの気持ちに思いを馳せます。

竣工時にお礼のお手紙を頂くことはたまにあります。もちろんそれもとても嬉しいことです。一年後に食事に呼んで頂くこともあります。10年の節目にご訪問することも。

でも20年前に家を設計してくれた人に、ここまでの思いを届けに来て下さる方はそうはいらっしゃらないと思います。我々の仕事はそういう仕事なのだと、あらためて自分の仕事を見つめ直す出来事になりました。背筋が伸びる思いです。

今進めている仕事も、建て主さんにとって20年後の今日の日を幸せな気持ちで迎えられますように。そして私もまた、その日にまだ元気でいられますように!