
今日は国立(谷保)にある、デザイナー小泉誠さんの「こいずみ道具店」にスタッフとお邪魔してきました。
■こいずみ道具店
http://www.koizumi-studio.jp/douguten/shop_info
こいずみ道具店は、小泉誠さんがデザインしたプロダクトの数々を展示販売しているお店。すっごく気になる店構えで、その佇まいはさながらモリゾーとキッコロのモリゾーのように、もしゃもしゃとツタに覆われています。でも誰でもふらっと入れるかというと、事前に予約が必要なのでお気を付け下さい。
スタッフと共に、この日お邪魔するのを楽しみにしていたのですが、到着すると小泉さんが上の窓からひょっこりはん!

小泉誠さんとは先だってセミナーイベントなどもご一緒させて頂きましたが、私が独立した頃にはすでにトップランナーのような存在。そして憧れのデザイナーのひとりでした。
こちらは私が今も大切に持っている2005年にギャラリー間で開催された小泉誠展のフライヤーと、その時に一緒に買った本です。小泉さんによる「9坪ハウス」の本も。
これらは私が駆け出しの頃に擦りきれるくらい読み込んでいました。当時から、小泉誠さんが醸し出す軽やかで柔らかい空間世界が好きだったんですよね。

スタッフ達は商品棚の小泉さんデザインに食いつき、その場で買い物大会が始まってしまいました。私は直近の案件で採用予定の照明器具を念入りにチェック。
小泉さんのダイニングチェアも大好きなので、機会あればどこかの案件で使ってみたいです。とても座り心地がいいんですよ!

お店の上は秘密基地。小泉さんの仕事スペースや納戸スペースなどがあります。その作りは迷路のようでもあって、増築部分もあわせて5層分ものフロアが積み重なっています。
たびたび小泉さんがセミナーなどで語られているこの迷路空間を、細部まで案内して頂きました。これには一同大興奮!


最上階の畳空間。多目的であり無目的?遊び空間のようなこういう場所が、小泉さんのデザインの真骨頂なんでしょうね。いろんなところにギミックがあって、見ていて飽きません。なんといっても楽しい!楽しいは正義です。
トップライトの部分で直立している私の写真が、とてもシュールです。


収納庫や至る所には、小泉さんが世界中のノミの市などで集めた小道具たちが納められていました。どれもデザインを考える上でのリソースなのでしょうね。
こういうものを見ていると、小泉さんが普段モノとどういう関係を結んでいるか、どういう視点でモノを見ているかがわかって、頭の中を覗いているようでとても興味深かったです。



あとはなんといっても工房スペース!
小泉さんのように、手で触れるような原寸のデザインを考える人にとって、こうやって手で削ってモノが考えられるスペースというのはとても貴重ですね。羨ましく思いました。

そのあとは、すぐ近くにあるコイズミスタジオも案内して頂きました。こちらではスタッフさんが仕事をしていらっしゃいます。
でも外から見るとお店のよう!ギャラリーのようなトンネルを抜けた先に、ミーティングスペースがあります。このトンネルスペースは収納スペースも兼ねていて、無駄のように見えて実はとても合理的なつくりであることがわかります(上半分のパネルはすべて扉になっていて、中が収納になっています)。う~ん、さすがです!

小泉さん、大柴さん、本日はお忙しい中ご案内をありがとうございました。スタッフ一同とても楽しく刺激的な空間体験をさせて頂きました。
またお邪魔させて下さい!!

住宅設計の仕事をしていると、建て主さんとの打合せはどうしても土日に集中することになる。かといって平日に代休を取るわけでもないので、結局何週間も休みを取っていない状態になることもあるけれど、まわりから思われるほど負担は感じていない。
週末の打合せも朝から晩までかかるわけではないし、わずか3~4時間ほどのことなので、朝はいつもよりはゆっくりできるし、打合せが終わったあとは解放感とともに外出することもある。
また私の場合は自宅と事務所が一緒になっているので、階こそ分かれてはいるけれど職住一体であることには変わらない。そのことについても、公私が一緒にならないのかと良く聞かれるけれど、私としては部屋が分かれている時点で気分は変えられるし、自宅のダイニングでもメールチェックやエスキースなどをすることもあるので、私の中ではたぶんどこでやっても同じなんだろうと思う。
前職に勤めていた頃は、公私の区別はもちろんあって、平日に働いたら週末に働くことはないし、仕事のことも考えることはなかった。けれど、独立して仕事をするようになったら、いつしか仕事とプライベートは分かちがたく同じものになった。
こういう話をすると、すぐ「働きすぎ」とかワーカホリックのように思われてしまうのだけれど、どうもそういう感覚とも当てはまらない。私の中ではすでに仕事とプライベートの区別がなくなっているので、「仕事=生活」になっているからかもしれない。(生活しすぎ!という言葉はありませんものね)
そういうライフスタイルを「ワークアズライフ」というのだと最近教えてもらった。夜寝るとき以外は、常に仕事であり生活であるという考え方。この言葉を知ってから、私はずいぶん気が楽になった。そうか好きなだけ仕事してもいいんだと思えるようになった。
要は仕事のしすぎは良くないというのは、緊張状態やストレスを抱える状態が長く続くと病気になってしまうということを差しているのだと思うけれど、仕事が好きな人は仕事をしているときが楽しいので、むしろ良い精神状態を保てるということもある。
もちろん仕事を離れて気分転換をすることもとても大事だと思うけれど、私はそんな時ですらも建築や設計のアイデアを探してしまうし、創造のための充電時間になっている。
私にとって仕事は自己実現であると同時に、人から求められたり感謝されたりすることで、自分の存在理由にもなっている行為だ。だから、歳を取ってもリタイアして第二の人生を歩むというイメージがまったく持てない。自分という存在が社会に求められる限りは、仕事のために尽くしていきたいと思う。
週末の打合せも朝から晩までかかるわけではないし、わずか3~4時間ほどのことなので、朝はいつもよりはゆっくりできるし、打合せが終わったあとは解放感とともに外出することもある。
また私の場合は自宅と事務所が一緒になっているので、階こそ分かれてはいるけれど職住一体であることには変わらない。そのことについても、公私が一緒にならないのかと良く聞かれるけれど、私としては部屋が分かれている時点で気分は変えられるし、自宅のダイニングでもメールチェックやエスキースなどをすることもあるので、私の中ではたぶんどこでやっても同じなんだろうと思う。
前職に勤めていた頃は、公私の区別はもちろんあって、平日に働いたら週末に働くことはないし、仕事のことも考えることはなかった。けれど、独立して仕事をするようになったら、いつしか仕事とプライベートは分かちがたく同じものになった。
こういう話をすると、すぐ「働きすぎ」とかワーカホリックのように思われてしまうのだけれど、どうもそういう感覚とも当てはまらない。私の中ではすでに仕事とプライベートの区別がなくなっているので、「仕事=生活」になっているからかもしれない。(生活しすぎ!という言葉はありませんものね)
そういうライフスタイルを「ワークアズライフ」というのだと最近教えてもらった。夜寝るとき以外は、常に仕事であり生活であるという考え方。この言葉を知ってから、私はずいぶん気が楽になった。そうか好きなだけ仕事してもいいんだと思えるようになった。
要は仕事のしすぎは良くないというのは、緊張状態やストレスを抱える状態が長く続くと病気になってしまうということを差しているのだと思うけれど、仕事が好きな人は仕事をしているときが楽しいので、むしろ良い精神状態を保てるということもある。
もちろん仕事を離れて気分転換をすることもとても大事だと思うけれど、私はそんな時ですらも建築や設計のアイデアを探してしまうし、創造のための充電時間になっている。
私にとって仕事は自己実現であると同時に、人から求められたり感謝されたりすることで、自分の存在理由にもなっている行為だ。だから、歳を取ってもリタイアして第二の人生を歩むというイメージがまったく持てない。自分という存在が社会に求められる限りは、仕事のために尽くしていきたいと思う。

OMソーラー主催の小泉誠さんのオンラインセミナーが昨日あり、私は特別ゲストということで相羽建設の会場から参加させて頂きました。
私は3週間前のわざわ座セミナーで登壇し、同様に小泉誠さんとセッションさせて頂きましたが、今回はその逆の立場で質問役ということでの登壇でした。リアルSWITCHインタビューのようでもあり、状況も含めて楽しませて頂きました!
今回のセミナーの事前登録者数は450名超!さすがですね。セミナーも今回のためにゼロベースで構築されたそうで、意外なことに「インテリアデザイン」というテーマで話をするのは初めてだったのだとか。
私にとって小泉誠さんは、駆け出しの頃からの憧れのデザイナーのひとり。そのミニマルな線や素材使い、機能を直球ではなく一癖あるカーブをかけて返すトンチなど、この発想はどこからくるのだろうといつも不思議でなりませんでした。
思考を重ね、手数を増やすほど線が減っていくというデザイン手法は、トランプで言うところの「ばば抜き」をするような感覚に近いのかなと思ったり。最後のセッションも示唆深くとても楽しい時間でした。
ちなみに私のハートシャツ、前回の私のセミナーで小泉さんがハートのドットシャツを着てきてくれたことへの返歌のつもりでしたが、結局セミナーでで触れてもらえなかったので、ただのハート好きなヒトになってしまいました…。ここで補足させて頂きます。
小泉さん、相羽建設さん、どうもありがとうございました!



映画「アアルト」がいよいよ10月13日に全国ロードショーとなります。今日はその関係者向け試写会があり足を運んで来ました。
映画「アアルト」
https://aaltofilm.com/
この映画は本国フィンランドではすでに公開され、ユッシ賞(フィンランドのアカデミー賞)で音楽賞や編集賞を受賞している映画になります。日本では2020年に封切られる予定だったところコロナで公開延期、3年後の今年ようやく満を持しての公開となります。
私は2020年の関係者試写会で一度鑑賞させて頂き、その素晴らしい内容に大感激したのですが、その内容には触れられないという箝口令が敷かれていたのでこれまでずっと黙っていましたが、ようやく言えます。これ本当に素晴らしい映画なので、是非劇場に足を運んで下さい!!
もっとも衝撃的なのは、モノクロ写真でしか見たことがなかったアアルトが、スクリーンの中でフルカラーで動き、そして語っていることです。アイノとのハネムーンの秘蔵写真やら映像、夫婦の間で交わされた赤裸々な手紙の内容も本編ではモノローグで語られ、本編を貫く美しいストーリー軸にもなっています。
高画質ドローン撮影されたパイミオサナトリウムやマイレア邸、夏の家など、その美しい映像は建築の鑑賞としても十分に耐えられるレベル。これを眺めるだけでも十分に価値があります。
ほかにもクリスチャン・グリクセンのインタビューがあり、ナレーションにユハニ・パッラスマー、エサ・ラークソネン、ヨーラン・シルツなど、これまた鼻血が出そうなレジェンド陣でびっしり固められています。これはもう、本当にすごいことなんですから!サッカーなら、ジーコからペレからマラドーナまで全部出てくるやつです。
でもやっぱりなんといっても、動くアアルトでしょうね!もうたまらないです。幕末好きなら、坂本龍馬を演じている役者じゃなくて、本物の龍馬が出てきてしゃべってる映画を見せられている感覚といえば良いでしょうか。
アアルトってよくわからないという人、アアルト大好きになっちゃいます。そしてパンフレットには私も寄稿しています(これは嬉しかった!!)。とりあえず前売り買って、10月までお待ちください!



【建て主アンケート】 小川の家|2021年竣工
[小川の家]
DATA
○家族構成:3人家族/ご夫婦+お子様(3歳)※設計当時
○竣工写真:https://www.riotadesign.com/works/21_ogawa/
◇
■この一年を暮らしてみて
Q. 良かったこと/気に入っているところは何ですか?
【良かったこと】
庭の木々や植物から季節の移ろいを感じ、日々の生活が満たされるようになりました。また、庭で焚き火や果物の収穫が出来るようになったので、子供に様々な経験をさせることが出来るようになりました。あと、集合住宅に住んでいた時は、ハウスダストのアレルギーで体調が優れない時期があったのですが、それがなくなり健康で充実した日々を送ることができています。
【気に入っていること】
たくさんありますが、住みやすさ、デザイン、性能、周辺環境との調和、サイズ感、家事がしやすい間取り、ルンバ・食洗機・乾太くんなどの時短家電が使いやすい所です。
Q. これは失敗だった/後悔しているところはありますか?
失敗や後悔という訳ではないのですが、中庭を有効に使う方法を考え中です。また、生活してみると、窓を開ける機会が多くなかったので、開けない窓はフィックスでも良かったと思いました。
Q. 生活してみて、それまでの生活と変わったことはありますか?
エアコン1~2台で快適に生活出来るようになりました。また、太陽光パネルやパッシブな要素を入れて頂いたので、季節や天気に応じて家電を使う時間やスクリーンの開け閉めを考え、家じゅうの温度・湿度をコントロールすることを意識するようになりました。
■リオタデザインについて
Q. 設計事務所で家づくりをしようと思ったのはなぜですか?
最初はモデルハウスにも見学に行きましたが、ハウスメーカーだと自分が良いと思える家がなく、一生に一度の買い物なので、後悔したくないと思ったからです。
Q. リオタデザインをどのような経緯で知りましたか?
様々な設計事務所を調べている中で、リオタデザインのHPを見つけて興味を持ちました。
Q. リオタデザインに決めた理由は何ですか?
リオタデザインのHPや関本さんの本を読んで、ここなら理想の家が建てられるのではないか感じました。そして、関本さんに直接お話を聞いたり実際にオープンハウスに伺ったりして、その思いが強くなり依頼することに決めました。
Q. 弊社以外に検討した選択肢(ハウスメーカーや他の設計事務所)はありましたか?
工務店に直接依頼することも検討しましたが、最終的に間に設計事務所が入った方が、検査体制やデザイン性などがより良いものになると感じました。
Q. 設計依頼前と依頼後で、印象が変わったことはありましたか?
大きく印象は変わりませんでした。
Q. 家づくりのプロセスで大変だったことや、印象に残っていることはありますか?
書籍やネットで情報収集をしているうちに、性能の数値を意識するようになり、どこまで追求するのかについて悩みました。
Q. リオタデザインに改善してもらいたい点はありますか?
改善ではありませんが、デザインと性能の両立を更に突き詰めていってほしいです。
■その他思うことがありましたらなんなりと!
夜、庭で焚き火をして、家の中から眺めていると、とても幻想的で時間を忘れてぼーっと出来ます。この贅沢な時間は、リオタデザインで家を建てたからこそ得られた時間だと感じます。それから、関本さんをはじめ担当して頂いた元スタッフの矢嶋さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。

◇
[竣工2年目を迎えて] ~関本から
建て主のSさんがはじめて弊社にご相談にお見えになったのは2018年のこと。ご実家の所有地に家を建てたいというご相談でしたが、法的な問題などもあり、その後2年近くの中断期間を経て2020年に敷地を変更して設計が再開されました。
控えめな建て主ご夫婦からは特殊なプラン上のご要望は特にありませんでしたが、断熱性能や環境性能などについて熱心にお調べになり、住宅には高い性能を求められていました。
弊社もデザインと性能の両立を標榜しつつも、コストの壁もありいつも”ほどほど”のところで筆を置くことが多かったのですが、この案件ではもう少し踏みこんで、充填断熱など一般的な工法の枠組みの中でどこまで性能が上げられるのか、大きなチャレンジとなった案件でもありました。
わずかな小数点の数字を上げるのにこんなにも苦労するのか!と当時は戸惑いもありましたが、それゆえにこの家での設計経験は我々にとっても大きな経験値となり現在の設計にも活かされています。Sさんにはそういう意味からも大変感謝しています。
一方で、キッチン周りの収納についても事細かに条件を整理して下さり、我々も精度の高い設計をまとめることができました。生活感は残しながらも凛とした美しさのあるSさんのキッチンは、その様子を竣工写真からも窺うことができますが、この家に流れるSさんの美意識が端的に現れた場所であるようにも思っています。
繊細さと大胆さ、緻密さとざっくり感とが入り交じった「小川の家」は、我々にとってもお気に入りの仕事でもあります。本アンケートへのご回答、ならびに雨が続いて延期が続いた撮影にも根気強くお付き合い下さいまして誠にありがとうございました!引続き、末永いお付き合いをお願い致します。
また精度の高い施工を涼しい顔でご対応下さった(いや、我々の見ていないところで相当な苦労があったはずですが!)、松本建設さんにもこの場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。こちらもありがとうございました!
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