22. 10 / 22

ちょっと休憩

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sekimoto

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> 動画
> 生活


最近は週末になると事務所にこもって一日中原稿を書いています。詳細は明かせませんが、また来年に本を出す予定です。

原稿の内容はいつも書いているブログの延長のような内容なのですが、一日に長文のブログを7~8本書いている感覚なので、すでにブログを半年分くらい書いているような感覚、、。そのためこちらの更新が滞りがちで申し訳ありません。

さて以前も書きましたが、野地木材工業さんのYouTubeチャンネル「建築家たちの飲まずにいられない話」は、4月から始まり早半年。こちらには告知していませんが、毎回のように業界の著名人の方々がゲストに来て下さり、面白くも深イイトークが繰り広げられています。

■建築家たちの飲まずにいられない話(YouTube)
https://www.youtube.com/playlist?list=PL8U10lwp4E-Z57YEFcBIXMb0HLVqYZ1zT

まだ動画は上がっていませんが、先日のゲストは建築家の佐藤重徳さん。ひょんな流れから、建築家の自邸の話になったのですが、私も小谷さん、伊礼さんも住宅建築家というのは”リアクション芸人”的な性質があって、自分から「こういう家に住みたい」というのはないという話が、みんなそうなんだなぁと共感が持てておもしろかったです。

私も自分の自邸(OPENFLAT)を作る際に、「こうしたい!」というものがほとんどなく、とても困ったという経験がありました。ご依頼頂く他人様の住宅はとにかくがんばりますが、自分の家だとどうでも良くなってしまう、、。そんなユルさがかえって心地よい空間を生んだとも思っています。

まったくオチのない話ですみません。文章も原稿は「他人様」、ブログは自分事なので今私は脳みそをオフにして書いています笑

さてそろそろ原稿に戻ろう、、休憩おわり!

22. 10 / 10

Ghost

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sekimoto

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> AALTO
> 思うこと



昨日は代官山で開催中の写真家・髙橋恭司さんの個展「Ghost」へと足を延ばした。恭司さんとは20年も前にフィンランドで出会った。

エクスナレッジが社運をかけて創刊するという雑誌「エクスナレッジホーム」が、その創刊特集号に選んだのはアルヴァ・アアルトだった。そして編集部がその目玉であるアアルトの建築を撮影する写真家に選んだのは、建築写真家ではけしてない髙橋恭司さんだった。

当時私はフィンランドに留学中で、たまたまその創刊号の現地コーディネーターを引き受けることになった。ほかにも一線のクリエイター陣で固められた創刊号のキャスティングは錚々たるものだった。

恭司さんは不思議な写真家だった。私は最初の夜の食事をご一緒させて頂いた。インディアンのような風貌の大男だった。その傍には不釣り合いに華奢な女性のカメラアシスタントがいた。

次の日から取材は始まった。取材班は二つに分かれ、私は別の取材班をガイドしていたのだけれど、これはもう一つの取材班で恭司さんのガイド役をしていた友人から聞いた話だ。

*****
マイレア邸が近づき、小高い丘にハンドルを切ろうとしたら、恭司さんはおもむろに「真っ直ぐ進んで欲しい」と言った。そっちはマイレア邸ではないのに、と思いながら言われた通りに車を走らせると、川のほとりに辿り着いた。恭司さんはおもむろにそこで写真を切り始めた。

同行した編集者は撮ってほしいのはその景色ではないのにと困惑していたそうだが、のちにマイレア邸に着いてその話を管理人に話すと「どうしてその川がわかったのか?」と言われたそうだ。その川のほとりは、アアルトが最初にマイレア邸の敷地として選んだ場所だったという。マイレ夫人の反対にあって翻意したものの、そこには何か念のようなものが残っていたのかもしれない。
*****

マイレア邸では、その川の写真を含めて、恭司さんが切った写真はわずか6枚ほど。海外ロケである。普通の写真家なら内外観含めて何十枚も切ったかもしれない。創刊号には、そんな川の写真もなんのキャプションもなく挿入されているので、ページをひらいた人には一体なんの写真だかわからなかっただろう。

恭司さんの個展にはまさかアアルトの写真はないだろうと思って行ったら、あった。マイレア邸のグリーンルームでの一枚だった。見た瞬間に、あっと声をあげてしまった。

作品集にはもう一枚フィンランドでの写真が収録されていた。苔むした岩の写真。これはアアルト夏の家の近くで撮られた一枚だ。ここでも切られたのはわずか数枚。岩の写真は雑誌にも収録されていた。相変わらず、アアルトの建築写真ではないのだけれど。

恭司さんはスピリチャルな写真家だ。目の前の被写体ではなく、その向こう側の、あるいは手前の霊的な何かを切り取る。それはある意味、広義の心霊写真とも言えるのかもしれない。今回の個展のタイトル「Ghost」もまた示唆深いタイトルだ。

今回限られた展示の中に、あの時の写真が2枚もあるとは思わなかった。20年ぶりに私が恭司さんのことを思い出し、会場に足を運ぶことを予期していたのかもしれない、というのは考えすぎだろうか。



写真は左側は髙橋恭司さんの作品集から。右側はエクスナレッジホームの誌面より。

徳島にアアルトコーヒーがオープンしたのが2006年。そこから現在に至るまでずっとアアルトコーヒー。朝はこれがないと始まらない。昨年徳島に行った目的のひとつもアアルトコーヒーに行くことだった。

アアルトが好きだからではなくて、完全に豆が好みだから。深煎りのアルヴァブレンド以外は注文しない。たまに他の店の豆も試すけど、すぐに戻ってくる。やっぱりこれだ。朝のルーティンを変えると一日のリズムも狂うような気もする。

そんなアアルトコーヒーオーナーの庄野さんが新しい本を上梓し、代官山蔦屋でちょっとしたイベントをやっているとのこと。豆も買えるそうだったので行ったら、豆は売り切れたそうだ。本を買って読む。2時間で読み終えた。心が満たされた。淹れたてのアルヴァブレンドのようだ。特にタイトルにもなっている「融合しないブレンド」という文章には深く共感した。

アアルトコーヒーはとうとう新規オーダーの受付をやめてしまった。これまでのお客さんを大事にしたいという考えのようだ。アアルトコーヒー歴16年の私としては、少し申し訳なく、そしてとても嬉しい。

22. 10 / 02

秋風

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sekimoto

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> 生活


10月に入って秋風が気持ちいい。
原稿書きなどもあり、こんな秋晴れの日も事務所でひとりで作業。

なんて書くと、日曜日なのに仕事をしていると同情されそうですが、休みの日に静かに事務所で作業を進めるというのは私にとっては至福のひとときなんです。

原稿書きはプランニングと同じで、書き始めるまでが気が重く、作業に取りかかると思いのほか楽しくて時間を忘れて没入してしまいます。

たぶん休日に趣味の模型を作っているお父さんと同じくらい、私にとってはリラックスタイム。やっぱり庭の見える事務所というのが鍵なんでしょうね。


ふと入ったお店に懐かしいケトルがあった。フィンランドのOPAというメーカーのケトル。フィンランド在住時代、生活を始めるにあたって、とりあえず近くのスーパーでいろいろ買い揃えたもののひとつで、当時は毎日これでお湯を沸かしていた。

そこで値段を見てびっくり!うそでしょ、1万円以上してる。だってこんなの、地元のスーパーに行けばどこでも売っていたし、いくらで買ったかは覚えていないけど、たぶん日本円でも2~3千円とかそんなものだったのではないだろうか。

そもそもフィンランドという国は物のチョイスの幅がほとんどなくて、ケトルといえばこれしかなかった気がする。カイ・フランクのような著名デザイナーがデザインしたわけでもない、ただの無骨なケトルだ。

店頭のキャプションを読むと、どうやら映画「かもめ食堂」で使われたことから人気に火が付いたらしい。現行品は0.5Lと1.5Lの2種類。ところが我々が使っていたのは1.0Lのタイプ。どうやらこれは現在は製造されていないらしい。現行の0.5Lや1.5Lですらもネットでは売り切れているところが多く、ましてやこの1.0Lのタイプはかなりの希少品のようだ。

実は、正直言うと当時からこのケトルはただの安物だと思っていて、デザインもあまり気に入っていたわけではなく、帰国の際もかさばるので置いて帰ろうとすら思っていた。妻が「かわいいから持って帰る」と言って、家でもずっと戸棚に入れっぱなしだったのに、気がついたらお宝になっていた。

事務所で使っているiittalaのKartioグラスも、コバルトブルーのタイプは現在は製造しておらず、人気の高さからかなりの希少品になっていると聞いた。取り扱いに気をつけねば、、。我が家も探せばまだまだそういうものがありそうだ。