以前も書きましたが、野地木材工業(通称のじもく)さんのYouTubeチャンネル企画で、建築家の伊礼智さん、小谷和也さんらと毎月ゲストを招いてのトーク番組をやっています。

■ のじもく酒場 -建築家たちの飲まずにいられない話-
https://www.youtube.com/playlist?list=PL8U10lwp4E-Z57YEFcBIXMb0HLVqYZ1zT

手前味噌ながら、毎回のゲストがなかなか豪華で、住宅設計業界のトップランナー達に毎回登場して頂いています。これまでのゲストは、大迫学さん(ベガハウス)、飯塚豊さん、丸山弾さん、若原一貴さん、青木律典さんと続いています。

毎回お酒を呑みながらの放談のため、酔いが回るときわどい(あるいは完全アウトな?)話がポンポン飛び出すのですが、すべて編集して頂いて流しています。配信前には我々も目を通すのですが、ちょっと確認のつもりが毎回ゲストの話が本当に面白くて、一度は聞いた話なのについつい手を止めて見入ってしまいます。

トークを回しているのが気心の知れた我々ということもあるので、ついつい油断してしまうのでしょう。講演会やインタビューでは絶対に話さない本音や裏話が飛び出すのがこのチャンネルの魅力だったりします。


さてそんな「のじもく酒場」ですが、第6回目を数える今回はいよいよ家具デザイナー、小泉誠さんの登場です!

小泉誠さんは、肩書きこそ家具デザイナーを名乗っていますが、住宅設計も手がけ、それが格別に上手いのです。私も独立当時からの憧れの存在であり、目標にしてきた方の一人です。それ以外にも、生活小物や文房具に至るまでありとあらゆる物のデザインを手がけ、そのどれもが愛らしく、クオリティの高い仕事なんですよね。

Koizumi Studio
http://www.koizumi-studio.jp/

今回は私のたっての希望で「次は小泉さんを呼んで欲しい!」とお願いしたのでした。なので誰よりも楽しみにしているのは私かもしれません!ということで、今から”神回”決定ですので、皆さまにも是非ご覧頂きたく思っています。

当日配信の1時間は生放送。こちらは後日録画配信もありますが、失言?をカットした編集版なのでノーカット版は当日配信のみです。それ以降もトークは続き、前述の通りヤバいトークをカットした編集版が、やはり後日配信となります。こちらもどうかお楽しみに!

■ のじもく酒場 -建築家たちの飲まずにいられない話-
次回(9月16日)ゲスト:小泉誠さん

9月16日(金)19時~ YouTubeLive
当日のご視聴はコチラから↓
https://youtu.be/caYLJ8LNIJE






以前アップしましたYouTube前編の続きとなる後編です。後編は前編のインタビューの続きと、自邸OPENFLATの”建もの探訪”です。事務所もご紹介頂いています。こちらもどうかご覧下さい!

JCTVたてものチャンネル
[建築に詳しいTVディレクターが建築家に会いに行く_vol.7]


■事務所兼自邸はやっぱり北欧風?キモは中庭! -リオタデザイン後篇
https://youtu.be/YaKtrSORoU8

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「建築」とはなんでしょう。
「建物」との違いについて、あなたは明確に答えられますか?

我々は建物(building)ではなく、建築(architecture)を作りたいと思っています。私はおこがましくも、自らを建築家と称してもいます。でも自らを建築家と名乗っている人でも「建築」の定義を明確に語れる人は少ないような気もします。

私は最近こう思っています。
建築とは「こうなりたい、こうありたいと願うこと」だと。

なんだそりゃと思うかもしれません。でも私の中の定義はそうなんです。「こうなりたい、こうありたいと願うこと」。もしかしたら建築以外のジャンルでも同じ事が言えるかもしれませんね。私は建築をつくるというジャンルにおいて、いつもそう考えて行動したいと思っています。

そんな面倒な回り道をしなくても、手っ取り早く、もっと楽に作れたり、手に入れられたりする方法は世の中に溢れています。しかしそれによって得られるものは、心がときめくような理想ではなく、あくまで現実の延長線でしかないとしたら、我々は少しでも現実を乗り越えて理想に近づきたいと思っています。

これはなにも我々設計者だけの問題ではありません。クライアントとなる方もそうです。あなたが望んでいるものは「建築」でしょうか。それとも「建物」ですか?それによっては頼む依頼先も異なるかもしれませんね。

うちの事務所にいらっしゃる方は、もれなく「建築」を望まれている方です。間違っても「建物」ではない。建築の定義はアートではありません。高級品という意味でもありません。ただひとつ「こうなりたい、こうありたいと願うこと」これに尽きます。

そしてそれは設計行為だけに留まりません。建築とは生き方そのものだからです。それに照らせば、建築家の定義は「こうなりたい、こうありたいと願う人」です。世間的な評価や、建築専門誌に載るかどうかはまた別の話です。

建築をつくる人の空間はオリジナリティに溢れています。なぜならその空間がその人自身を体現しているからです。それはクライアントの要望にすらも左右されない体幹のようなものです。

良い建築を見ると、私は背筋が伸びる思いがします。こんなにもストイックに、誠実に物事と向き合っている人がいるのだということに気づかされ、そして現実に流され、現状に甘んじている自分の弱さを同時に突きつけられます。

それはきっと人がアートを見たり、とびきり美味しい料理を食べたときに感じる、作り手へのリスペクトそのものとも言えるでしょう。そしてこう思うのです。自分も「こうなりたい、こうありたい!」と。

そう思い続けるためには、自分の立場にリミッターがあってはダメなんだと思います。もし自分の置かれた立場が邪魔をして、自分が本当に願うことができないとしたら、その時が人生の節目であり、建築の旅のはじまりです。

残念ながら、私はまだ自分が満足するような仕事を残せていません。私が感じるように、私もまた人々の背筋を伸ばせるようなものを作りたい。それが私にとっての目標であり「建築」なのです。

22. 08 / 09

人間、アールト

author
sekimoto

category
> AALTO
> ディテール



すでに先週の話ですが、8月3日の新建新聞社主催によるオンラインセミナー『北欧アルヴァ・アールトに学ぶこと』にご参加下さいました皆様、誠にありがとうございました。事前に300名の参加応募があったと聞いてびっくりしました。

今回のセミナーで一番伝えたかったのは、以下のアールトの言葉でした。

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「あなたの家のためにアドバイスをするならば、さらにもう一つの特色を家に与えなさい。どこか小さなディテールの中で、あなた自身をさらけ出すのです。家の形態のどこかに故意に弱点を、あなたの弱点を見せるのです。(中略)この特色なしには、どのような建築の創造も完全ではありません」
Alvar Aalto, “Porraskiveltä arkihuoneeseen”, 1926

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ディテールに神が宿るとよく言われます。そう聞くと、なにか神懸かったもの、常人には真似できない匠の技のようについ思ってしまいます。

しかしそうではなく、「あなたらしさをこそディテールに込めなさい」というのが、アールトの教えなんじゃないかと思っています。どんなに不器用でもいい。その人が身の丈で考えたものは誰にも盗まれることはない、その人だけのものなんです。

アールト自身も謎めいていて、そのカリスマ性から神様のように語られることも多いのですが、でもアールトの建築には弱点(言い換えるとつっこみどころ)がいっぱいあって、とても人間臭いんですよね。失敗すらも隠さない。やらかしたときこそチャンスだと言わんばかりに、その造形を積極的に表出させてゆくんですね。

そんなアールトの建築にはいつも勇気がもらえます。煮詰まってしまったとき、アールトや北欧の建築はいつも懐深く迎えてくれます。私にとってアールトはそんな存在なんですよね。人間、アールト。そんなことが伝わっていたら嬉しいです。




昨日は和光市から所沢の一軒家を改修したアトリエに拠点を移したアンドウアトリエさんのアトリエ内覧に、スタッフ一同とお邪魔してきました。

アンドウアトリエの安藤和浩さん田野恵利さんとは、私が独立間もない頃からのお付き合いで、当時まともな木造住宅を知らなかった私にとって、毎回お誘いいただくアンドウアトリエさんのオープンハウスは何よりの刺激と学びの場でした。

田野さんが在籍した中村好文さんのレミングハウスからの仕事の流れを汲むその作風は、手が触れるところに徹底的にこだわり、家全体を家具のように丁寧に作り込むというもので、毎回自分には到達できない高い壁のように思いながら、これまでアンドウさんの仕事を目標に仕事をしてきました。

著書にもようやくサインを頂き、久しぶりに楽しい語らいの場も設けて頂きました。楽しかった!OBスタッフの柴くんも参戦したので、リオタデザインのシェア率がはんぱなかったですが、、。

安藤さん、田野さんありがとうございました。うちからも近いので、また困ったらちょくちょく寄らせて頂きますね!