22. 04 / 17

同級生

author
sekimoto

category
> 建築・デザイン
Warning: Undefined array key 1 in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/blog/cat_sekimoto.html on line 48



建築家の若原一貴さんと私は同じ71年生まれ。後輩でも先輩でもない。同級生というのはいつも特別な存在だ。

お互い住宅のスペシャリストでありながら、スタイルがまったく異なる。私が周りを見渡しパスを出す司令塔なら、若原さんは一人で前線を突破するストライカー。

けれどひとたびディテールに目を凝らせば、語らずとも伝わってくる。方法は違うけれど、たぶん考えていることの根っこは同じなのだと思う。

もっと頑張ろう。
そう思える友人がいることは幸せなことだ。

この春二人目のオープンデスクは、芝浦工業大学3年生の平井里奈さん。いつものように、現場などにも連れて行きながら、設計課題を出題して向き合って頂きました。

オープンデスクでの設計指導は、私はあえて大学とは異なる教え方をしています。大学では自由な創作を重視し、具体的なクライアントの設定や現実的な条件設定は避ける傾向にありますが、住宅設計という仕事は本来顔の見える相手に対してプレゼンテーション(=プレゼント)を行うものです。

オープンデスクでは空間の創作と同時に、どんな人がどんな風に暮らすのか、どのような提案をしたら喜んでもらえるのかを一生懸命考えてもらいました。今回は平井さんなりにアイデアの詰まった豊かな空間を最後に提案して頂きました。

平井さんは控えめな性格ながら、大学でもフィンランドのアールト大学との共同ワークショップに参加するなど、学びに対するバイタリティの高い学生でした。今後の活躍も楽しみです!また事務所にも遊びに来て下さいね。

3月と言えば卒業のシーズンですが、私もこの3月に卒業したことがあります。

日本建築家協会(JIA)の関東甲信越支部で発行している会員向けの広報誌に「Bulletin」があるのですが、私は今年度一年間、こちらの編集長として誌面づくりに関わっていました。一応一年限定と言うことで4月からは副編集長に退きますが、春号の発刊を終え、なんとか年間4号を発刊出来たということでようやく肩の荷を下ろしました。

編集長なんて書くと名ばかり編集長なんでしょう?などと思われるかもしれませんが、とんでもない、ガチ編集長です。この一年、誌面の構成から取材のアポイントや立ち会い、インタビューから校正まで。もちろん他の広報メンバーと共にですが、すべてに責任を持って関わっていました。

2021年度の年間テーマは『協働のかたち』

JIAの広報誌なので、当然会員である建築家たちの寄稿や紹介がメインにはなるのですが、敢えて今年度の特集には建築家の作品や思想ではなく、我々を取り巻く仕事人たち(エンジニアや職人、メーカーやデザイナーたち)にフォーカスを当て、ともに一つの目標に向かってものづくりをするチームのあり方を掘り下げたいと考えていました。

また普段原稿を書いたりする習慣を持たない方々も多いことから、寄稿ベースではなく、編集長の私が直接インタビューをして、対話ベースで内容を掘り下げてゆくという編集方針としました。このあたりは住まい手へのヒアリングで鍛えられた「聞く力」が功を奏したようにも思います。

それ以外にも、次世代を担う学生会員たちにもフォーカスを当て、学生関連ページを充実させたり、ややお堅い印象だった誌面デザインを一新し、柔らかく読みやすい誌面にするなど、私なりの改革は可能な限り断行したつもりです。

編集長としての一年で感じたのは、「編集は設計そのもの」だということ。
学んだことは大きかったです。

このBulletinはJIAの支部広報誌なので、会員以外は手に取ることはできませんが、太っ腹なことに以下のページより外部の方もPDFにて内容を読むことが出来ます。ご興味ある方は、是非覗いてみてください。

■ Bulletin 2021年度
https://www.jia-kanto.org/kanto/bulletin/2021/index.html

またこちらは最新号の春号の特集インタビューですが、うちの造園計画をいつもお願いしている造園家の小林賢二さんのインタビューも載っています。ご興味ある方はこちらもどうぞ!

■ 協働のかたち-4/デザイナーとの協働
https://www.jia-kanto.org/kanto/bulletin/2021/files/pdf/feature_291.pdf


さて卒業を迎えると、次は入学式です。

4月からは、JIA住宅部会にて第43代部会長をお引き受けする予定です。住宅部会でもやりたいことがいっぱい!部会員以外でも参加出来るセミナーなども企画して参りますので、どうかお楽しみに。

私の所属するJIA(日本建築家協会)関東甲信越支部・住宅部会において、毎年「住宅部会賞」というアワードを実施しています。これは住宅部会員相互の研鑽や交流を目的としたもので、特別選考委員に渡辺武信さん、選考委員には室伏次郎さんをお迎えし、今年で第4回を数えるアワードとなっています。

今年は2018年に竣工した「KOTI」を出展していたのですが、昨晩こちらのアワードの発表があり、「第4回住宅部会賞2021」部会賞を頂くことができました!(私を含めて5名の部会賞が選出されています)

私の案は選考委員票よりも、参加されていた部会員の皆さまの投票がほとんどで、ある意味今回は部会員の皆さまに選んで頂いたようなものかもしれません。投票下さった皆さま、どうもありがとうございました!昨日は受賞式の進行も私がやっていたので、「栄えある部会賞は…私です!」という非常に奇妙な発表となってしまいました。

実は…
プチ自慢が入ってしまうのですが、私は過去4回開かれているこの部会賞で、私は今回で通算3回目の部会賞受賞となります。もちろん、何度頂いても本当に嬉しいものです。

特別選考委員の渡辺武信さんからは、「関本さんは”メリル・ストリープ”。賞を取りすぎだから、もう引退しなさい!」とまさかの引退勧告。

引退はまだしませんが…実は来年度より、私は第43代住宅部会長をお引き受けする予定なので、来年の部会賞では私は審査委員長を務めることになっています。そのため来年の出展は結果としてお預けです。

来年度(4月~)の住宅部会でも様々なイベントを予定しています。
どうか我々住宅部会の活動にも、どうかご興味を持って頂けたら嬉しいです。そして住宅建築家の皆さま、是非一緒に活動しましょう!

.
■ JIA関東甲信越支部・住宅部会
https://www.jia-kanto.org/jutaku/




この春のオープンデスク、トップバッターは芝浦工大2年生の新村恵太くん。恵太くんは、実は我々が設計した住宅に住んでいます。つまりうちの建て主の息子さん。

彼が高校生の時に建ったその住宅は、彼にとって建築の原体験だったそうです。「建築家の設計した住宅で育った子は、建築家になりがち」あるあるです。彼はその後大学の建築学科へと進み、晴れてうちのオープンデスクへとやってきました。

オープンデスク中は現場に取材にと連れ回しましたが、どれも彼にとっては刺激に満ちた時間だったようです。毎日の設計エスキスで教えたことは、おそらく彼の住む家の設計において、我々が何を考えたかを知るヒントになったに違いありません。

恒例、最後のスタッフによる講評会も和気あいあいとして良い時間でした。最後はなかなか良い案になりました。恵太くん、一週間お疲れ様でした!