24. 05 / 05

プロ猫



一昨日は奇跡のような快晴のなか、「越屋根の家」の撮影を終えました。今回の写真は繁田諭さん。(投稿写真は私のiPhoneです)

新緑が眩しい5月、でもあと少しすると6月からは梅雨に入ります。この刹那の期間は一年で最も撮影映えする季節。明日も別の撮影がありますが、毎日天気予報を祈るように眺めます。



撮影中視線を感じて振り返ると、そこには猫。我々の撮影を興味深そうに遠巻きにずっと眺めています。

カメラアングルにも入ってもらいたくて近づくとするりと逃げます。しかし、カメラを構えると欲しいところに納まる。いい仕事してくれます。さながらプロ猫といったところでしょうか笑

猫って不思議!





昨日は午後から高野保光さんのオープンハウスへ。高野さんは私が憧れを持つ建築家の一人。実作を見せて頂くのは今回が2回目でしたが、本当に素晴らしく、深く感動した住宅でした。

高野さんのお仕事で自分には到底真似ができないと思うのは、そのディテールに向けられた繊細なまなざしです。

私は設計者の技量のひとつに「見えないものが見えているか」ということがあるように思っています。

たとえば霊能者に霊が見えるように、建築家には建築が見える。しかし建築は霊とちがって物理的に存在している訳だから、誰の目にも見えるはずなのに、実はごく限られた人にしか見えていない。

見える人にははっきり見えているので、どうしてそれが見えていないのか理解が出来ない。建築とは本来そういうものかもしれません。

高野さんの空間にあるのはグラデーションなのだと思います。それも無段階のグラデーション。

設計は抽象化することで合理性を獲得します。寸法をわかりやすく切りの良い数字にしたり、色や素材を統一したりと、最小限の要素で建築を作っていこうとする考え方が支配的です。

けれど、自然界にモジュールが存在しないように、その場その場の空間のあり方を最適化していけば、本来は統一の原理はそこには存在し得ないのだともいえます。

高野さんの空間に存在する無段階のグラデーションは、まるで水彩画の世界を見ているかのようです。隣り合う微妙な“色”のコントラストを決定的に見分ける高野さんの感覚は、私にとってはアールトのそれに近いものです。

自分の今登っている山は富士山の五号目くらいかと思っていたら、まだ高尾山だったみたいな…。まだまだ先は長そうです。高野さん、ご案内をありがとうございました!



今日は建主さんを連れて、国立のこいずみ道具店へ。

いろいろ見せて頂いて建主さんのお好みの椅子も張り地も決まり、小泉さんにもお会いできて建主さんも大喜び!こちらはご案内ありがとうございました。


私は小泉さんの近著を持参。小泉さんにサインをお願いすると快くお引受けくださいました。ちょっと待ってて!と奥でサインして「はい」と渡された本をお店を出てから開いてみたのですが、表紙をめくってもあるべき所にサインがありません。あれれ!??


いや待てよ。一筋縄に行かない小泉さんのこと、これは絶対何かのメッセージだとカバーを外してみたり、帯の裏側を見たりしてもやっぱりサインはありません。

もしかしたら、どっかページの余白に書いていたりして!と思って、本のページを全部めくって探していくも、やっぱりどこにもありません。というか、普通に考えてサイン頼まれてそんなところに書く人なんていないわけなんですが、小泉さんはそういうことする人なんです!

そうか、つまりこれはあれか。サインお願いして、わかったよと言っておきながら実はサインしてないという、裏のまた裏をついたやつか!そうかそうなのか!?だとしたらこれはこれでショックだぞ。それとか、別の本に間違ってサインしちゃって、私の本にサインするのは忘れたとか。流石にそれはないか。いや小泉さんならありうる!?と思考回路がぐるぐる…。

無限考察地獄ののち、ちょっと悔しかったけど小泉さんに「あの、、どこにサインしたんですか?」とSOSのメッセージをすると、しばらくして「ヒントはこいずみ道具店」と返信が。

え、どこを見落としたんだろう?と再び本の森へ。いくつか登場するこいずみ道具店関連の記事をよく見ていくと、あった、ありました!


なにこれ、サイン?サインなのか!?こういう図版なのかと思った。まるで暗号じゃないか~~!!!

と、サイン探しで半日潰れるという。もう最高です!小泉さん。ありがとうございます。宝物にします。

24. 04 / 08

矢嶋くんの仕事

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sekimoto

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> STAFF
> 仕事



元スタッフの矢嶋くんによるマンションリノベーションを見せて頂いた。

ひとつ前の戸建てリノベーションでは、独立間もなかったこともあってリオタデザイン色を強く感じたけれど、熊澤さんとの仕事も彼にとって良いアク抜きになったようだ。素材の丁寧な使い方や外部との繋げ方に彼らしさを感じた。それがとても良かった。

どんなに上手く納まっていても、オリジナリティのない空間には価値がない。その人でなくてはできない空間をやらなかったら独立した意味がないと思う。彼のこれからが楽しみだ。

矢嶋宏紀|ヒロヤジマ・デザイン
https://hiroyajima-design.com/

留学中から使っていたアラビアのTEEMAの皿を、2枚あるうちの1枚を割ってしまった。TEEMAの皿は今も買えるけれど、現行品はIittalaのラベルになっていて個人的には興醒め。やっぱり陶器は(ブランド統合前の)アラビアのものに限る。

スタンプだけでなく、割ってしまったTEEMAは直径19.5cmのもので、このサイズも現行品にはないものだ。どうでも良いことかもしれないけれど、20年以上毎朝同じ皿を使っていると、少しだけサイズが違うというのはどうしても違和感になってしまう。朝のルーティンは重要なのだ。

そこから当時のTEEMA皿を探す旅が始まった。この19.5cmのアラビアのTEEMA皿というのはレアもののようでなかなか見つからない。このなかなかないというのも宝探しのようで楽しい。メルカリなどで見つけてはコツコツ買い足し、今では4枚にまで増えた。

しかし値段こそ言わないが、今では結構な値で取引されていることにびっくりする。当時はアラビア工場で数百円で売っていた皿だ。古いもの持ち続けていると、価値は上がる一方だというのをつくづく実感する。