その手があったか!

今年3月に日本橋高島屋で開催されていた『北欧のあかり展』はその後大阪に巡回し、この6月からは九州での巡回展がはじまっています。

■ 北欧のあかり展|九州(福岡)展
6月14日(土)~7月27日(日) 
会場:九州産業大学美術館
概要詳細は >>こちら より

以前ブログでもお知らせしましたように、展示に使われているユハ・レイヴィスカの照明器具4点はグッドシェパード教会モデルを含めて私の所蔵品を出展させて頂いています。

そんな折、企画監修をされている小泉隆さんより九州展の様子について写真が送られてきました。九州展は小泉隆さんが教鞭を執られている九州産業大学での開催ということもあり、会場設営なども教え子の学生さんなどと行われたようです。

その中でレイヴィスカの照明コーナーについては、研究室の4年生を中心にグッドシェパード教会の光の効果を再現すべく、特別にインスタレーションを製作されたとのこと!小泉さんから送られてきた資料の一部をご紹介させて頂きます。








[空間デザイン・制作:木山翔太]

素晴らしいですね!思わず感動してしまいました。

2.8mの天井高を持つ会場に、どうやってこの壁を自立させるかということから難問だったようで、学生さんが知恵を絞りに絞って、この林立するスリット壁を製作されたようです。

レイヴィスカの教会建築は、祭壇の林立した壁から光を間接的に取り込むことで幻想的な空間をつくり出しているのが特徴になっています。1984年のミュールマキ教会では控えめでモノトーンな採光手法だったものが、1992年のマンニスト教会では壁の裏側に色を着彩するという方法で壁の反射光に彩りを採り入れています。

晩年の傑作とも呼べる2002年のグッドシェパード教会に至っては、このスリットにプリズムのようなガラスを埋込み、マンニスト教会で試みた彩りのある反射光とあわせて、時間帯によって刻々と変化する光の”あそび”を最大限に表現した空間になっています。

今回はそれを再現したインスタレーションのようです。実際にレイヴィスカも、今回のように様々な色を壁の裏に取り付けては光の効果を検証したのかもしれませんね。

展覧会もさることながら、学生さんにとっても素晴らしい光のワークショップになったことと思います。照明器具の出展者としても、レイヴィスカの空間をこよなく愛する者としてもとても嬉しく感じました。

小泉さん、資料をお送り下さりありがとうございました。そして学生の皆様、お疲れさまでした。是非いつかフィンランドでも実際の空間を体験してくださいね!




グッドシェパード教会(撮影:関本竜太)

25. 06 / 14

フルキャスト

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sekimoto

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現場帰りにスタッフが「この現場には良い職人が集まっていますね」と言った。良い職人が集まるから良い現場なのか、良い現場だから良い職人が集まるのか。多分どっちも。すべてはつながっているのだろう。

良い現場って個性が立っていると感じる。多分リーグ優勝を成し遂げるチームってこういう感じなんだろうな。個性派揃いの職人に、それを束ねる監督の統率力。

いつも一緒に仕事をしているから顔なじみになることもあるけれど、棟梁、板金、家具から設備屋さんに至るまでの顔が見えて、向こうもこちらの仕事を理解している。

僕らは脚本家のようにキャストの顔を思い浮かべて本を書く。彼らはその期待に応え、その行間を読み、難しい台詞回しを完璧に演じてくれる。

先日ある工務店から、我々の現場は大工が自ら志願してくるのだと聞いた。面倒な現場なのに申し訳ない。その昔、戦艦大和のプラモデルを作った時のことを思い出した。ものづくりの現場ってきっとそういうものかもしれない。


浴室に鏡をつけるか。設計打合せではこの問いに対して、「つける派」と「つけない派」はほぼ半々だ。

ちなみに我が家の浴室にも鏡がある。数年で白濁し、以降無用の長物となった。だから私は「つけても意味ない派」。

ところが知人のSNSの投稿ですごいアイテムを知った。「アルタクラフト超ハード」業務用のダイヤモンド研磨ブロック。なんだかすごく興味があって、早速買って試してみた。

これがすごいのなんの!
15年くらい曇りっぱなしだった鏡がピッカピカに。ホームセンターの研磨剤でも絶対落ちなかったのに。ダイヤモンドおそるべし、、!

うちの設計は浴室の出入口にもガラス扉をよく使うので、これは今後メンテナンスの切り札になりそう。実際うちのガラス扉もピッカピカになった。

これはオススメ!ちょっと高いけど効果は裏切りません。Amazonでも買えます。

25. 06 / 05

出世払い

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sekimoto

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> 仕事
> 思うこと


先日うちに挨拶に来た若い営業がいた。そもそも挨拶に出向くという発想が間違っている。相手の時間ばかりを奪ってこっちには何も得るものがない。

その若者も例に漏れず、手ぶらでやってきて本当に「挨拶」だけに来たようだ。そこからずっと説教。昨今の叱っちゃいけない風潮なのか、仕事のなんたるかがわかっていない。きっと上司にも怒られたことがないのだろう。

普段どういう営業をしてんだと聞いたら、これまた消極的な紋切り型のやり方で、そこにもまた腹が立った。だからお前はダメなんだ。そもそも営業っていうのはという話から始まって、自分ならこういう売り込み方をする。相手の懐にはこうやって入って、こうやって口説くんだと。

なにこれ俺はこいつの上司か?腹の立つことにそいつは、私の説教を一字一句メモっている。まったく授業料もらいたいよ。

ちょっと言いすぎたかなと思ったけど、後日彼から電話がかかってきた。なんでもあのあと私に言われた通りのやり方をしたら、面白いように仕事が取れたとお礼の電話だった。やっぱりどこかズレている。そうか良かったな。上司はちゃんと仕事教えろよ。授業料は出世払いでツケておくから。