JSACA主催によるスウェーデンの建築家レヴェレンツの映画『LEWERENTZ DIVINE DARKNESS』の上映会へ行ってきました。

レヴェレンツはアスプルンドと協働した森の葬祭場近くにある聖マルコ教会には足を運びましたが、その鬼気迫る空間と、常軌を逸したディテールの数々に、ちょっとヤバいもの見てしまった感が半端なかったのですが、その人となりはほとんど知られておらず、このドキュメント映画がいかに貴重な映像であるかがわかります。

それもそのはずで、アスプルンドとは対照的に社交性ゼロ、取材やインタビューはすべて断るという偏屈ぶり。残っていた数少ないアーカイブ記録がスウェーデン南部の地下室から発見される、というところから映画がはじまります。

映画アールトでは「動くアールト」に感動しましたが、ここでは人前に姿を現さない幻のレヴェレンツの動く映像が衝撃的でした。現場での異常なこだわりぶりに、あの常軌を逸した空間の意味もわかった気がしました。

アスプルンドとの森の葬祭場では、彼が設計を担当した復活の礼拝堂で、そのあまりの完璧主義から設計変更が多すぎ、当局から更迭され、アスプルンドと仲違いしていく有名なエピソードもドキュメントベースで描かれています。

アスプルンドとの関係でいうと、まるでアールトとブリュッグマンの関係のようでもあって、ライバルはいつも太陽と月なんだなと関係ないことまでぐるぐると考えてしまいました。

JSACA(ジェイサカと読むそうです)は、日本スウェーデン建築文化協会という団体で、今年発足したばかりとのこと。代表の藤井亮介さんにもご挨拶させて頂きました。同じ北欧建築を啓蒙する団体として、SADIとも今後交流を温めさせて頂ければと思います。