15. 09 / 11
リネストラランプと
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sekimoto
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台風一過の今日、一本の電話が鳴る。過去のクライアントからだ。
胸がざわつく。雨漏りかもしれない・・。大雨の後にクライアントから電話がかかってこないことを祈る、という習慣がついたのはいつの頃からだろう。もはや職業病のようなものである。
ところが違った。我々がスペックした照明器具にリネストラランプというランプがあるのだけれど、これが切れてしまい、ネットで探したのだけれど既に生産中止になっているようだ、というご相談だった。
私の表情が明るくなる。実は、リネストラランプの生産中止の報は既に受けていて、過去に使用したクライアントに迷惑をかけることのないよう、事務所で数本買い置きをしていたのだ。
あれが活きる!逆にちょっと嬉しくなってしまって、夕方に直接お届けに伺う旨をお伝えした。空いていれば車で30分の距離である。そして先ほど無事お渡しして、クライアントにも感謝され、なんだか今日は良いことをした気分で帰社した。
事務所に戻ると電気は消えていた。そんなに遅い時間じゃないのに、みんな帰るのが早いな。今日は何の日か知ってる?といっても男だけの事務所でそんなことを期待する方が野暮というもの。
女性スタッフがいた頃は、こんな日はケーキが出てきたものだと、
ふと遠い目をするのだった。
15. 09 / 03
エーディで教わったやつ
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私が大学を卒業して飛び込んだ事務所は、建築家・棚橋廣夫先生の率いるエーディネットワークという設計事務所だった。入ってすぐに集合住宅の担当になり、立て続けに次もワンルームマンションを担当させてもらった。
今でもよく思うのは、大学を出て最初のキャリアというのはとても重要な意味を持っていて、その時選んだ選択肢というのはその人のその後のキャリアにも大きな影響を及ぼすように思う。
私で言えば、言うまでもなくエーディネットワークで学んだことが全てなわけで、血気盛んな頃は、それでも他の事務所の仕事を見てみたいと思ったこともあったけれど、結果的にエーディでの仕事しか知らなかったことで、筋の通ったキャリアをその後も歩めているような気がする。
棚橋先生はとにかくディテールに一家言ある人で、派手さはなくともちゃんと基礎を押さえるということを、それこそ千本ノックのように繰り返し学んだ。今リオタデザインが”ディテールのちゃんとした事務所”というポジションを築けているのは、ひとえにエーディネットワークでの修業時代があってこそだと思っている。
それはさておき、私にとって集合住宅やRC監理のイロハを学んだのがエーディだったこともあり、私の初集合住宅はどうしても棚橋先生に見てもらいたかった。そこで5日のオープンハウスに先がけて、まだ絶賛工事中の現場を今日はご案内させて頂いた。
エーディで学び、そのノウハウを独自に進化させてきたという自負のもと、棚橋先生がそれについて何とコメントするか。もうね、緊張ものですよ。
私「見て下さい。これはエーディで教わったやつですよ!」
棚橋先生「もうね、そこにはあまりこだわってないんだよね」
ええ~っ!?
エーディでの6年間を返してくださいと思いましたが、かろうじて呑み込みましたよ。
現場は5日のお披露目に向けて着々と、仕上がって・・仕上がって・・いるのかなあ?とっても不安ですが、外構・植栽を担当して下さったいつもの”ストライカー”こと湊さんは絶好調で今回も仕上げて下さいました。
久しぶりにお元気そうな棚橋先生のお話しもいろいろ聞けて、今日は盛りだくさんな一日でした。

15. 08 / 27
大人のやり方
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友人の建築家・佐藤布施建築事務所のオープンハウスに行くと、いつも凝った建具と無垢材をふんだんに使った家具があるんですね。
いい仕事だし、ずいぶん贅沢だなあと思って、でも工事費聞くと安いわけです。聞くと”新潟の建具屋さん”に作らせているとのこと。いつもここを指名しているようです。
でも”新潟の建具屋さん”以上の情報は教えてくれないわけです。こいつは隠し球だな?と思いましたよ。でもね、どんな仕事にだって企業秘密ってやつはあるもんです。
にしても口を割らない。その割にオープンハウスでは、良心的でウデの良い”新潟の建具屋さん”をちょいちょい自慢してくるわけです。羨ましい。いつか盗んでやるっ!
というわけで盗みましたよ。
今回は佐藤布施事務所でも使う工務店にお願いしていますからね。いわゆる大人のやり方ってやつです。監督から聞き出しましたよ。今回の建具と家具はここにお願いしますよ。新潟から来てますよ。
引き抜いた後はどうなるか?
すべて佐藤布施事務所が懸念しているとおりです。
その辺もね。まぁ、大人のやり方ってやつです。
15. 08 / 06
向日葵の家
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梅雨時に雨天が続き、竣工後半年してようやく「西荻の家」の竣工撮影。
道路側のルーバーの前には、クライアントの植えたひまわりがびっくりするくらい繁っていました。一瞬、「向日葵の家」に改名しようかと思ったくらい笑。
いやこれがとっても良くて、クライアントは私に怒られると思ったみたいですが、そんなことないです笑。住まい手の活き活きとした生活が、住宅の表情になって表れていますね!

昨晩は各地で花火大会があったようですね。
現場(暁の家)が進む柏市でも昨日は花火大会があり、この日は隣接する我孫子市でも同時開催。花火が”ステレオ放送”で見られるかも?とのことで、クライアントのSさんが「一緒に現場から見ませんか?」とお誘いを下さいました。
数日前に志木市の花火を見た話を書きましたが、さすが柏スケールが違います。現場からは我孫子の花火とちょうど重なり合うように見えたのですが、志木市の花火のフィナーレのような豪華さで、終始圧倒されました!

家から毎年こんな眺めが見られるのかということで、Sさんご家族も大喜び!ダイニング脇に設けるパーゴラのあるデッキテラスが毎年の特等席になりそうです。
家づくりにあたっては、途中不安になったこともあったという奥様も、ここに住むことができて本当に良かった!と終始幸せそうで、こちらもそんな幸せのお裾分けを頂きました。仲の良い、本当に素敵なご家族です。

この家のタイトルにもなっている「暁の家」は、大自然のような敷地の中でも特に東側に大きな抜けを持ち、ここから昇ってくる朝日が一家を照らしますように、という思いが込められています。
この東側には2階にも通称「月見テラス」が設けられ、ふと物思いに耽ることができるのですが、この日はこのテラスから文字通り大きな満月を見ることができました!都内では見ることのできない幻想的な風景でした。

最後には、この満月と花火の競演!
なんという贅沢。
この日も車載温度計では、日中は40度に届こうかという日だったのですが、現場に到着した途端に空気がひんやりしています。ここは周囲を自然に囲まれ、川の上をそよいでくる風が絶えず建物に向かってきており、その風は止むことはありません。外に出ていても汗が出ることがないというのは、この季節でも信じられない体験です。
でもその昔は、夏の暑さもこんな感じだったような気もします。まさに絶滅危惧種のような微気候が、奇跡のようにこの場所には残っているようです。
この家で営まれるであろう生活を想像しながら、ウラヤマシイ!という気持ちと、完成を待ちわびる気持ちが相半ばしております笑。Sさん、昨晩はありがとうございました!
