さて3月で完結したかに見えたタニタプロジェクト、まさかのPart2が始動です(とうとう、うちのブログにも「タニタ」のカテゴリができてしまいました)。前回、開発中のくさり樋を実験的に既存の住宅に付け替えるまでのプロセスを追いました。

タニタプロジェクト(最終章・取付け編) 15.3.9
https://www.riotadesign.com/blog/tntpj.html

その後、このくさり樋はこの夏~秋にかけての発売を目標に現在も調整を続けておられるそうです。開発担当者であるタニタハウジングウェアの岡田さん&関口さん(以下OSコンビ)も今ではスケジュールを睨みながら各方面の尻を叩く日々だとか。いつもは美しい岡田さんの顔が、般若のようになっている姿を想像して震えています。


で、今回持込みの案件はこれ。
現在柏で進行中の「暁の家」で、バルコニーからの排水管が軒天井から出てくるのですが、そこを縦樋ではなく、くさり樋で落とせないかというもの。

なんだ、そんなことかと思うでしょう?
ちっちっち。これだから素人は困る(失礼!)

これ意外と難しいんですよ。くさり樋に接続する前に一度管を絞ってやらないと、水が周りに飛び散って前回の「竹林の家」の二の舞になってしまうのです。

そこでこんなことを考えました。
VU管の出口でこんな感じに絞るパーツを作れませんか?と。で、なんならこれが既存の不具合を起こしているくさり樋をワンタッチで交換できるものになれば、世のくさり樋問題が一気に解決します。

新築もいいけど、くさり樋の魅力を世に広めるためには、絶対に付け替え需要に応えるべき!と無駄に熱くOSコンビに口説き続け、このプロジェクトもようやく前に向けて進み始めました。


しかしそれに応えるOSコンビの熱意がすごかった!さすが社長が修造並にアツい会社です。

私の思い付き(もしくはムチャぶり)に真正面から応えてくれました。実にたくさんの試作品を持って事務所にやってきました。え、これ全部作ったんですか?どん引き 感激です。写真に写っていないものもいっぱいあります。

たださすがOSコンビ、そんなものをたくさん見せて相手を撹乱させておきながら、ちゃんと答えは用意してあるわけです。で、こんな感じでと最後に見せられた図面にはバッチリ解決が示されていました!(最初から見せればいいのに)

やはり私もモノづくりの人間です。商品開発って本当に楽しいですね。私も外野ながらにいろいろ意見を言わせてもらいました。

やはり、タニタ製品の魅力は設計者に寄り添う製品思想だと思うんですね。メーカーの一方的な思惑で作り込み過ぎちゃいけない。設計者が自由にアレンジして使える余地を残してもらいたい。あんな場合や、こんな場合。あんな使い方や、こんな使い方。

最後はまだどうなるかわかりませんが、来月には試作パーツも上がってくる予定だとか。このプロジェクトの行方もどうかお楽しみに!

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sekimoto

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代々木八幡/代々木公園の集合住宅(A-FLAT)もようやく足場が外れました。

テナント、バレエスタジオ、賃貸住戸x4戸、オーナー邸x2戸という実に複雑なプログラム。工事も着工したのが去年の9月ですから、もう1年くらいやっていることになります。長っ!戸建住宅ならもう3~4件分くらい仕事した気分です。

木造の場合は上棟時にまず全体形が現れ、そののちに幕が張られて数ヶ月後に足場が落とされます。最初に全体を見ているので、その時に壮観だなあとか、意外とコンパクトだなあとか、印象が植え付けられるのですが、RCの場合は下階から打ち上げられてゆくプロセスがすべて”幕の内”となるため、全く全体形が見えないんですね。

で、今日初めて対面しました。本当に不思議な気分です。

この不思議さ加減をどう表現したら良いでしょう。例えて言うならば、我が子が生まれたのに全く会わず、初めての対面が成人式でしたみたいな。うわっ、知らないうちに大人になってる!?みたいな。

そっか、お前こんな顔だったんか。

顔を見たのは初めてでしたが、もちろん設計者ですから、中身のことはすべて熟知しております。その辺の教育はしっかりしてきたつもりです。


外観を特徴付けているルーバー手摺りは、リオタデザインの住宅ではおなじみのものですが、ここでは天然木ではなく合成木といって、樹脂とおが屑を混ぜて作ったような素材で作っています。

高所なので、メンテナンスフリーとするためです。でも機能は同じ、通風を確保しつつも洗濯物を見せないバルコニーになっています。あ、天端はちゃんとカバーが付きますよ。


5階のオーナー邸からは新宿副都心が一望できます。きっと夜景がきれいでしょうね。6階のフロアからは、今度は代々木公園の緑が独り占めできます。


賃貸ルームは一部コンクリート打放し。なかなかクールです。

写真の住戸にはオリジナルのアイランドキッチンも付きます。代々木八幡/代々木公園駅より徒歩3分の一等地です。渋谷・原宿は徒歩圏内。そこのオシャレなあなた、一部屋借りませんか?

・タカギプランニングさんの賃貸情報
http://www.t-p-o.com/rent/A02.php?property_id=273

今のところ内覧会を9月5日(土)に予定しています。
また近くになりましたら、この場でも告知させて頂きますね!

昨日はタニタガルバコンテストの授賞式があり、私は受賞者として、ではなくシンポジウムのモデレーター(司会)として呼んで頂きました。立ち位置は田原総一郎、もちろんこの役回りは初めてです。

テーマはずばり、建築と板金。どんだけコアなんだっていう。冷や汗かきながらも、なんとか乗り切りました。

受賞された山崎壮一さん、また成瀬・猪熊さん、おめでとうございます!どちらも素晴らしく、とても印象的な作品でした。

また、建築家の伊礼さんにもほぼ初めてお会いすることができました。もっとも、初めてという気はしませんでしたが笑

タニタさんらしい、アットホームで楽しい表彰式でした。今日はお呼びいただきありがとうございました!(来ていたOZONEスタッフさんからも司会業の打診を…。あまり知られてないかもしれませんが、私実は設計もやるんです)



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sekimoto

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このたび、新スタッフを募集させて頂くこととなりました。

〇募集: スタッフ1名
〇入所時期: 2015年9月(予定)



【労働条件】

・給与:
面談時にお伝えします。ただアトリエで働くということがどういうことか、とりあえず理解して応募してください。ただしボーナスは(業績次第ですが)一応ありますし、スタッフには一人暮らしをしている者もいます。

・交通費: 全額支給

・手当て: 休日出勤手当あり

・勤務時間: 月~金 9:30~18:30まで

・休み: 土日祝日/お盆休み/お正月休み (+有給制度あり)
ただし担当する住宅の施主打合せなどが土日にかかわらず随時入りますので,その場合は基本的に仕事優先でお願いします.ただしその場合は手当が付きますし,打合せも半日程度で終わります.

・残業:
なかなか18:30きっかりには帰れないかもしれませんが,自分のやることが終わっていればそれも可能です.平均的には20~21時ごろまでやっているスタッフが多いです.(というか早く帰ってください)

・徹夜: ありません

<今回求めているのは以下のような方です>

ずばり【即戦力】

1.現在設計事務所等にお勤めの方(中途採用)
2.過去に設計業務に携わっていた方
3.実務経験はなくとも、上記に準ずる能力を持つと認められる方

こちらは即戦力を求めていますので、スキルを重視します。資格の有無は問いません。CADはもちろん、設計から現場監理まで一通りのことができる人であれば尚可です。過去に携わってきた業務経験にかかわらず、弊社の業務方針にて、図面の描き方から業務の遂行に至るまで一から指導します。


条件が合いそうな方とは面談させて頂き,本人の意欲と我々との相性,スキルなど鑑みて相応しいと判断した方を1名のみ採用致します.別に早い者勝ちなどはありませんが,希望者が一定数を超えましたら一旦締め切らせて頂きます.

将来の夢や目標を明確に持っている人,とにかく建築が好き!という方は是非門を叩いて下さい.

【ご応募のながれ】

まずはメールか電話にてご連絡ください.その後履歴書を郵送して頂き,基本的な条件に適った方とは追って面接日を設定してお会いさせて頂きます(平日or週末).条件にぴったり来る方がいれば仮採用させて頂き,研修期間を経て本採用と致します.

メール: riota@riotadesign.com
TEL: 048-471-0260  担当: 関本まで

今日はちょっとしたウェブ媒体の取材のためにトンガリの家へ。

降って湧いたトンガリ祭り。トンガリの家に通うのは、ここ1ヶ月でもう3回目くらいになるでしょうか。取材やら食事会やらが続いているせいですが、いつ行ってもYさんご夫婦は明るく迎えて下さいます。

さて、そんな竣工してからも通い詰めているトンガリの家ですが、いつも感心させられることがあります。それは家の”住みこなし力”について。


正直言って、Yさんのお宅は物が多いです。いつ行っても至る所に物が溢れています。でも、なんかセンスが良いんですよね。

Yさんの家に行くと、私はずっと棚ばかりを眺めてしまいます。そこにはいろんなものが飾ってあって、でもそのどれもがとっても愛情に溢れていて、家族の歴史がそこに刻まれているのです。


奥様はテキスタイルをやっておられたということで、どうも”織られたもの”がお好きなようです。家の至る所にはラタンや木で織られた籠が所狭しと置かれています。

ただこれも、家を建ててからお店でまとめて買ってきたという体ではなく、これまでにいろんな場所で、気に入った籠に出会うたびに一つ一つ買って増えてしまったという感じで、証拠にどれも形が不揃いでデザインも微妙に異なります。でもこれがまたいいのです。



ベッドのリネンも季節によって変えているようです。ソファのクッションも北欧のテキスタイルでまとめられていました。柄が同じで形が違うものもありました。

トンガリの家に来ると、幸せな生活というのは好きなものに囲まれて暮らすことなんだな、ということをあらためて感じます。先に書いたように、おしゃれな家を建てたからといって、慌ててセレクトショップで買い揃えたのではなく、これまでもYさんご夫婦は美しいものに囲まれて生活されてきたのでしょう。

しかしこれまで、その生活を納める器だけがなかった。それらが我々の設計した住宅の隅々に納められ、その居場所を得たように感じられたのは設計者冥利に尽きることです。


うちのクライアントの中には、本当に物を少なくして、竣工写真のままの状態でいつまでも暮らして下さっている方もいます。本当に頭が下がります。

それもまた家に対する愛情の表れだと思いますが、一方で家族の思い出や歴史のいっぱいに詰まったものが、部屋いっぱいに飾ってある家というものも良いものです。大切なのはぶれないことで、好みの統一がなされている空間というのは、物が多くても決して雑然とはしないものです。私はこういう生活感のある空間も大好きです。

最後に外部の植栽。竣工時にはまだまだ寂しかった道路際は、イイ感じに草花が育っているようでした。思い入れがあり移植した花梨の木も、今年も大きな黄色い実をつけてくれたそうです。