author
sekimoto

category
> 仕事



私が大学を卒業して飛び込んだ事務所は、建築家・棚橋廣夫先生の率いるエーディネットワークという設計事務所だった。入ってすぐに集合住宅の担当になり、立て続けに次もワンルームマンションを担当させてもらった。

今でもよく思うのは、大学を出て最初のキャリアというのはとても重要な意味を持っていて、その時選んだ選択肢というのはその人のその後のキャリアにも大きな影響を及ぼすように思う。

私で言えば、言うまでもなくエーディネットワークで学んだことが全てなわけで、血気盛んな頃は、それでも他の事務所の仕事を見てみたいと思ったこともあったけれど、結果的にエーディでの仕事しか知らなかったことで、筋の通ったキャリアをその後も歩めているような気がする。

棚橋先生はとにかくディテールに一家言ある人で、派手さはなくともちゃんと基礎を押さえるということを、それこそ千本ノックのように繰り返し学んだ。今リオタデザインが”ディテールのちゃんとした事務所”というポジションを築けているのは、ひとえにエーディネットワークでの修業時代があってこそだと思っている。

それはさておき、私にとって集合住宅やRC監理のイロハを学んだのがエーディだったこともあり、私の初集合住宅はどうしても棚橋先生に見てもらいたかった。そこで5日のオープンハウスに先がけて、まだ絶賛工事中の現場を今日はご案内させて頂いた。

エーディで学び、そのノウハウを独自に進化させてきたという自負のもと、棚橋先生がそれについて何とコメントするか。もうね、緊張ものですよ。

私「見て下さい。これはエーディで教わったやつですよ!」
棚橋先生「もうね、そこにはあまりこだわってないんだよね」

ええ~っ!?
エーディでの6年間を返してくださいと思いましたが、かろうじて呑み込みましたよ。

現場は5日のお披露目に向けて着々と、仕上がって・・仕上がって・・いるのかなあ?とっても不安ですが、外構・植栽を担当して下さったいつもの”ストライカー”こと湊さんは絶好調で今回も仕上げて下さいました。

久しぶりにお元気そうな棚橋先生のお話しもいろいろ聞けて、今日は盛りだくさんな一日でした。