15. 12 / 26

仕事納め

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sekimoto

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今年は暦がイレギュラーで、いつもは27~28日あたりが仕事納めになるのですが、今年は土日を挟むため、キリ良く金曜日(25日)を仕事納めにすることにしました。少し長めの冬休み、リオタデザインは地方出身のスタッフが多いので、皆少し早めの里帰りができそうです。

今年は過去最高に忙しかった年でした。リフォームも含めると、今年は9件もの住宅が竣工しました。周囲から毎月オープンハウスをやっていると揶揄されましたが、誇張でなくまさにそんな感覚でした。

この日の納会は、OBスタッフの柴くんと吉里くん、またいつもお世話になっているエクスナレッジさんからも、西山さんと上野さんが参加して下さり、いつになく賑やかな会となりました。

私からのクリスマスプレゼントはこちら。



といっても、エクスナレッジさんからの提供ですが笑。この冬休みの課題図書にさせて頂きます。あ、リオタのディテール連載もちゃんと読みこむこと!

ほかにも、この暮れに一級建築士に合格した吉里には私からアールトスツールを、連載でお世話になっているエクスナレッジの西山さん、上野さんにはアイノグラスをそれぞれプレゼントさせてもらいました。今年の納会は感謝感謝の大盤振る舞いです!



さて今年は10月に新スタッフ矢嶋くんが加わり、一方この暮れでベテランの牛島くんが退職することになりました。ちょうどスタッフの入れ替わりの時期となるわけですが、通過儀礼として先輩達からの容赦ないツッコミが!がんばれ矢嶋くん笑

そんなこんなで、賑やかに楽しくこの年の瀬を過ごすことができました。あらためて、クライアントや現場の皆さま、編集部のみなさま、スタッフのみなさま、今年も大変お世話になりました。

さてさて、来年はもっと忙しくなりそうです!!

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sekimoto

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16/01/04 追加情報
タカギプランニングさんのサイトにも告知が出されました。
http://www.t-p-o.com/buying/C02.php?property_id=59
1/17(日)のオープンハウスに参加ご希望の方は、タカギプランニングさんか弊社関本までご連絡下さい(連絡先はこのブログの末尾にあります)

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突然ですが、2012年に竣工した「川風の家」が売りに出されることになりました。

お仕事の都合で転居しなくてはならなくなり、我々と一緒に建てた家を手放さなくてはいけなくなってしまったとのこと。まだ築4年弱の住宅です。最初はびっくりでしたが、売却にあたっては、設計者としても可能な限りお力になりたいと思っています。

今回の売却における仲介は、タカギプランニングさんにお願いすることになりました。この暮れ(12/28頃)にはタカギプランニングさんのサイトその他での告知がはじまると思いますが、クライアントのKさんより「リオタデザインのファンで大切に住み継いで下さる方がいれば、是非そういう方を優先したい」とのありがたいお申し出を頂き、このたび先行して告知を出させて頂くことになりました。

売り出し価格はズバリ「3,650 →3,300万円」です。
(12/23現在|もちろん土地+建物込みです)

ただし、ご家族のご事情もあり、ご入居可能時期は2016年4月1日以降となります(応相談)。言うまでもなく家は一軒しかありませんので、お住まいになれる方もひと組のみです。

年明けの1月17日(日)(予定)に内覧会も予定しているそうです。埼玉エリアで新居をご検討中の方は、是非この機会にご検討下さい!


『川風の家』
https://www.riotadesign.com/works/12_kawakaze/

所在地:埼玉県志木市(東武東上線「志木駅」よりバスで約10分)
構造:木造 地上3階建
敷地面積:66.30m²/20.05坪
建築面積:35.30m²/10.67坪
法延床面積:84.51m²/25.56坪
竣工: 2012年3月
施工: 堀尾建設


川風の家のクライアントは、実は息子の幼稚園時代の”パパ友”でした。人見知りの私が、唯一仲良く会話を交わすようになったのがクライアントのKさんで、我が家とは文字通り家族ぐるみのお付き合いをさせて頂いています。

そんなKさんから家づくりを依頼され、それはもう張り切って腕まくりしていた矢先に、先の東北大震災は起こりました。

さすがに私の心も折れかけましたし、軒並み進みかけていた計画が凍結されてゆく中、Kさんだけは「今家を建てることに何の迷いもない」とおっしゃって下さいました。

事務所を主宰する者として最悪のことも考えていましたから、この言葉がどんなにありがたかったことか。この家は「川風の家」と名付け、自然エネルギーを最大に活かした家にしようと考えました。



敷地近くに流れる柳瀬川周辺には、「川風」と呼ばれる風の流れがあります。敷地は住宅密集地の中にありますが、この地域風を吹き抜け上部より掴まえて、家の中を循環させるというのが、この家の骨子となっている考えです。

難のある日照も、吹き抜けと北側のトップライトからふんだんに採り入れています。冬期には深夜電力利用による蓄熱床暖房が、リビングエリアを温めてくれます。

また釣ってきた魚をその場でさばいて友人に振る舞いたいとおっしゃるご主人のために、キッチンとダイニングは居酒屋風土間キッチンになっています。今ではうちでも定番の土間キッチンスタイルですが、はじまりはこのキッチンからでした。



そしてキッチン上の吹抜けは子供部屋とつながっています。キッチンに立ちながら、上に話しかければ子供と会話することもできます。

この家の子供は、このキッチン上の吹抜けから、テストの結果をおそるおそる下に吊り下げて渡すのだとか笑。私がこの家で最も気に入っているポイントの一つです。


個室はとても小さいのですが、手前に踊り場があり、ここが子供たちの格好の遊び場になっています。秘密基地のように押入の上によじ登るタラップも設けました。ここからの景色もなかなか格別なのです。


また特徴的なのは玄関。こんなに開放的な玄関は、後にも先にもこの家だけかもしれません。これもKさんご一家のライフスタイルから生まれたものですが、下町の雰囲気を残す街角に、昔ながらの土間空間のような場所を作っています。

とてもオープンなKさんご一家は、もともとこの地にお住まいで、玄関を開け放ち、近所の子供たちがいつでも入ってこられるようにしていました。はじめてお邪魔した時も、どうして玄関が開けっ放しになっているのか不思議でしたが、そのくらいオープンに暮らすというのは今どき珍しいことかもしれません。

そんなに開放的に暮らせない!?
ご安心下さい。ちゃんと曇りガラスの建具によって、ここはちゃんと仕切ることができます。防犯ガラスによって、防犯対策もばっちりです。

網戸もありますから、もし夏に開け放つことができるようでしたら、ここを通る風が階段を伝って建物の中を駆けのぼってゆくことでしょう。

この土間玄関は、釣り好きのKさんが、ここに座って釣りの仕掛けを作っているシーンをイメージして設計しました。この土間の段差部は、すべて引出収納になっていて大容量の収納が隠されています。

下足入れも変わっていて、「各自ロッカー方式」。4人の家族が自分の領域を持って、それぞれに自分の荷物をしまえるようにというご意見を取り入れています。



実際、この家は最高のロケーションの中にあります。

すぐ近くには柳瀬川が流れ、橋から川底を覗くと、大きな魚がたくさん泳いでいるのが見えます。夏には浅瀬で川遊びやバーベキューをしている人もたくさんいます。川沿いには桜並木があり、毎年花見客でも賑わいます。そして土手にはジョギングや散歩を楽しむ人たちもいます。

徒歩数分のところには大型ホームセンターもあり、関越道にもアクセスの良い浦和所沢バイパスのすぐ近くでもあります。首都高速「浦和南IC」までも約15分のアクセスです。

最寄り駅となる志木駅は、東武東上線のほかにも有楽町線や副都心線、東横線などが乗り入れており、池袋はもとより、渋谷や横浜にも乗り換えなしで行けます。池袋まで20分、渋谷までは30分ほどです。志木駅前には丸井などもあり、程よい賑わいもあります。(リオタデザインもあります笑)



冒頭に書きましたように、暮れの12月28日頃より一般告知がはじまります。タカギプランニングさんのお話でも、建物・環境共に申し分なく、すぐに買い手が付くだろうとのことでした。

「リオタデザインの設計した家に住みたいけれど予算が厳しい」とか、「子供の入学時期に間に合わせたい」などのご事情をお持ちの方は、是非前向きにご検討下さい。ただし、実際に入居できるのは2016年4月1日以降となります。

お問合せは以下まで。
・リオタデザイン (担当:関本 riota@riotadesign.com)
・タカギプランニング (担当:野口 info2@t-p-o.com)

この暮れに、どうか家族会議をお願いします!

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sekimoto

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2007年に自邸を建てた際、リビングに畳の家具を入れました。
けして広くはないリビングを広く使う工夫として、当時友人の家具デザイナー・野木村敦史さんにお願いして、座ることのできるような可変の収納家具を作って頂いたのでした。

上の写真は、当時とある取材で撮影して頂いたものですが、日常がこんなにオシャレなわけはなく、実際にはそれはもう…という状況(惨状?)で、子供がいるご家庭はどこもそうだと思いますが、我が家とてそれは例外ではありません。

そしてこれが今の状況。



畳の下はこんな風に引き出しになっていて、主に子供のおもちゃ箱になっています。この家具を作ったことは本当に大正解で、さもなくばこの大量のおもちゃはどうなっていたことか…。

そうでなくとも、上の畳奥の一角のように、ここには収まりきれないものが溢れています。一過性のものではあるかもしれませんが、子供はある時期までは自分の部屋ではなく、家族の空間の中に自分の領域を作ろうとします。これは片付けろと言ってもダメなんですね。子供にとって、そこに自分の領域があるということが重要なのでしょう。

それはさておき、この畳家具、少し掟破りな畳の使い方をしています。縁なし畳の小口をそのまま見せているのです。この処理によってデザイン的にもとてもスッキリすると同時に、子供がぶつかっても怪我をすることがありません。手触りも座り心地も良いです。野木村さんによる思慮深いデザインです。

ところが案の定というべきか、竣工してもうすぐ9年になろうかというこの時期、だいぶ畳が痛んできました。



そこで畳替えをすることにしました。

幸い畳床はとてもしっかりしたものを使ってくれていたので、ベースはそのままで、畳表だけを交換すればなんとかなりそうです。ただ野木村さんは静岡の方なので、送るにも一苦労です。そこで、自邸でお世話になった堀尾建設さんに相談することにしました。



畳屋さんも気を利かせて、いろんな畳表を持ってきてくれました。
実にいろんな畳があるんですね。ふだん畳表単体で手に取ることはほとんどないので、とても興味深く勉強になりました。


たとえばこれは「市松表」
い草の根と穂の部位を交互に折り込むことで、このような不思議なパターンが浮かび上がります。当初のこの畳家具に使われていた畳表は、この市松表でした。


次にこれは「目積(めせき)表」
目が詰まった繊細な表情になります。縁なし畳の定番かもしれません。


そしてこれは「琉球表」
いわゆる琉球畳といわれるもので、い草の断面が三角形の形をしていてとても強いのが特徴です(産地は大分だそうです)。表情もゴワゴワしていて、いかにも”南国”な感じが出ています。

今回は強度を持たせたいと思っていたので、この琉球畳にはとても惹かれました。風合いも好みで、空間にも変化が出そうです。ただ、散々迷って決めたのはこちらでした。


いわゆる「和紙表」というやつですね。うちの住宅でも定番としているものです。

琉球表はやはりその「ゴワゴワ感」がネックでした。端部をちゃんときれいに織り込めるか。普通の畳と違って端部が見えるので、ここに固定針を使えないことなどに不安がありました。あとちょっと値段も高かったですね・・。

和紙表はとても強度が強いのが特徴です。強度はい草の3倍くらいあるのではないでしょうか。しかも安価です。

実際この畳家具は、普段はこの上にたくさん物が置かれてしまっていて、表が見えることがあまりないのです…。なので子供が成人するまでは、実用重視でいくことにしました。



ようやく畳が出来上がり、運び込まれてきました。
すっかり見違えるようになりました!端部もこの通り。



今回畳交換に協力して下さいました堀尾建設さんと、その畳屋さんに感謝です。また、相談に乗って下さいました野木村さんもありがとうございました。家具をこうして経年と共に手を入れてゆくと、益々愛着がわいてきますね。

なにより、この畳家具は我が家のトレードマーク!
これからもまだまだ現役でリビングの中心にあり続けることでしょう。

15. 12 / 09

TOPWATER

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sekimoto

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小金井に計画中の住宅です。タイトルはTOPWATERといいます。敷地は23坪と小さく、しかもそれに対して建ペイ率が50%、容積率が80%と非常に厳しい制約がかかっています。

狭小住宅のセオリーとしては、まずは建ペイ率いっぱいに平面を展開し、あとはどこまで高さを稼げるかという解き方になるのですが、ここでは容積率80%という壁も出てきます。つまり、1階を50%で展開しても2階は30%しか床ができないのです。

しかも敷地は陽当たりも悪く、今回は既存住宅の建て替えなのですが、クライアントは一日中陽の差さない1階リビングでの生活に不満をお持ちでした。つまり今回は2階にリビングを持っていき、かつその面積が最大になるような作り方を考えなくてはなりませんでした。

いや、できてしまえば何ということのないことなのですが、これプランニングに相当苦労したんですよね。まず敷地に車を2台駐車するための駐車パターンを100パターン以上作りまして、そこから4パターンに絞りました。そしてそのうち捨てがたい2パターンについてそれぞれプランを作り、結果決まったのがコレというわけです。

だから、どこからどうツっこまれても絶対の自信があります。
この敷地にはコレなんです!間違いありません。


それに加えて、クライアントの嗜好にも真っ正面で応えました。
タイトルのTOPWATER、釣りをやらない人にはわからないかもしれませんが、バス釣りをかじったことのある人ならニヤリとするはずです。

バス釣りのルアーにトップウォーター・プラグというのがあり、水上にプカプカ浮かんで決して水中に潜っていかないタイプのルアーのことなんですが、熱狂的なバスアングラーの中にはこのトップウォーターしかやらないという人がいます。

なぜか?面白いからです。
ルアーがキテレツな動きをしながら水面をスベってくるのが目で見えますし、バスがバシャッ!と食いつくその瞬間もすべて目の当たりにできるわけです。こんなに面白い釣りはないでしょう。

じゃあ、良く釣れるのか?残念ながらあまり釣れません。
いや、まず釣れないと言っても過言ではないかもしれない。

限られたシーズンの、限られたコンディションの中でなら面白いように釣れることもあるのですが、そんなことは本当に希なことです。そういうときは、状況に応じた別のルアーや小さなソフトベイトを使うというのが定石の釣り方なのです。

ただトップウォーターマニアにはそんなことなどお構いなしです。TPOは無視、空気も読みません。冬だろうがなんだろうがトップしか投げないのです。

なぜなら、”遊び”だからです。

競馬でいえば大穴しか狙わない人。当たったときの喜びは大きいですが、そうでないと…。まぁ、反社会的とまでは言いませんが、道楽者の誹りは免れないところでしょうね。

ハイ、これでこのクライアントがどんな方かおわかり頂けたかと思います。


そして、たまたま10月に竣工した「暁の家」のクライアントもそんなトップウォーターマニアの方でした。上の写真は、この方のタックルを見せて頂いた時のものです。見事にトップウォーターしか入っていません。(もう笑うしかありません)

そして「暁の家」の玄関前にドーンとカヤックが掛けられていた写真もこのブログで紹介しましたが、トップをやる方はルアーだけでは飽き足らず、自分もプカプカ浮かびたくなるのでしょうか。暁の家同様、今回もカヤックを所有されている方になります。

さてカヤックを今回はどう収納するのか?
上の模型写真にもチラッと映っているので探してみてください。(下の模型写真でも”トップウォーター”が隠れキャラになっています。わかりますか?)


内部はロフトが天井から吊られている構成になっています。

果たして天井から床を吊るなんてことがどこまでできるかわかりませんが、ここは構わず攻めましょう!なんといってもTOPWATERなんですから。でも不思議とこの床が、水面にプカプカ浮かぶトップウォーターそのものに見えてくるから不思議です。

そして外部のバルコニーも、外壁からドーンと2.2mも飛び出しています。構造はどうするのか?って。そんなことはどうにでもなることです(たぶん)。ここは構わず攻めましょう!なんといってもTOPWATERなんですから。

とにかくクライアントがいつも楽しそうに打合せをして下さるので、こちらもついつい乗せられてしまいます。プレゼンも大変喜んで頂きました。

遊び心満載のTOPWATER、こちらも進捗が楽しみです!

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sekimoto

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今年7月に竣工しました「紫陽花の家」の写真を以下にアップしました。
撮影は新澤一平さん。安定のクオリティです。

『紫陽花の家』
https://www.riotadesign.com/works/15_ajisai/

写真家がレンズを通して見た空間は、どうも設計者が見ている空間とは異なるようで、気にも留めていなかった視点にフォーカスが当てられ、知り尽くしたつもりだった空間に新たな発見をすることになります。それが毎回新鮮で、第三者に撮影をお願いする所以にもなっています。

この住宅は、竣工時は「コートテラスの家」というタイトルでしたが、その後湊さんに庭に植えて頂いた紫陽花(あじさい)をクライアントがいたく気に入られたため、「紫陽花の家」というタイトルにすることにしました。7月の梅雨空の下完成した家としても相応しい名前です。

この日もこのタイトルにお似合いの薄曇りの天気。
こんな霞がかった光がこの家にはよく似合います。