ついに買ってしまいました。
イルマリ・タピオヴァーラのドムスチェアを、なんと2脚も!

今回購入したドムスチェアは、”ONNEA”という名の付いた特別モデルになります。ONNEAはフィンランド語で「おめでとう」という意味。表参道にオープンしたARTEK TOKYOの開店を記念したモデルで、限定50脚のみの限定販売品となります。

DOMUS CHAIR -ONNEA-
>> Artekのサイトへ

椅子の裏側に取り付けられた真鍮のプレートにはシリアルナンバーが入っています。ちなみに事務所のONNEAは#27と#29。「27/50」「29/50」と表記され、この世に50脚しかないことを証明しています。


このモデルの最大の特徴はその張り地で、スウェーデンの老舗レザーブランドであるタンショー(Tärnsjö)社のナチュラルレザーを無着色のまま使用しています。無着色無加工のため、購入後まずは自分で撥水オイル加工等を施すところから始まります。このひと手間がいい。

現時点では生まれたての仔牛のように初々しい生成色のレザーですが、これが経年と共にどんどん色が深まってゆきます。ちなみに以下の写真はArtek店頭の展示販売品。


写真右側の椅子よりも、左隣の椅子の方が気持ち色が濃くなっています。4月の開店直後からお店に置かれていたのでしょう。わずか4ヶ月程度でこのくらい色が変わるのですね。これからの経年がとても楽しみです!

ちなみに一番左側の椅子は、現行品の着色レザー品です。私が仕事を引退する頃にはこのくらいの色になっていたら嬉しいですね笑


ちなみにこちらは、私とフィンランドから一緒に帰国してきた古いドムスチェアとのツーショット。私のドムスチェアへのこだわりについては、過去のこちらのブログをご覧下さい。(どーでもいい人はスルーして下さい笑)

○ the chair ≠ a chair (16.10.08)
https://www.riotadesign.com/blog/161008.html

○ ドムスチェアの70周年記念ポスター (19.05.09)
https://www.riotadesign.com/blog/190509.html

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ところで、わが事務所のミーティングデスクでお客さんが座る椅子は長らくこれでした。


イームズのシェルチェア。一応これにも曰くがありまして、アレキサンダー・ジラルドのデッドストック生地を張り込んだ1998年当時の限定販売品です。結婚して、新生活のために買ったはじめての家具でもありました。

しかし、今では北欧通を自認する設計事務所として、椅子がイームズ(アメリカ)で良いのか?というのは(誰も気にしていないでしょうが…)個人的には気になっていました。

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それがこうなりました。


すごい、ぴったり!

ドムスチェアの傍らにあるアールトのスツール60もまた、ARTEK TOKYOのオープニングレセプションで頂いた、アイノ・アアルトの「KirsikanKukka」のファブリックを人に頼んで張ってもらった特注品(ブログ)。期せずして、ARTEK TOKYOを全力で祝福(onnea)した一角になりました笑

今後事務所にいらっしゃるお客様は、もれなくこちらにお座り頂けます。事務所のこれからにも、どうか祝福がありますように。

ARTEKにONNEA!
リオタデザインにONNEA!

19. 08 / 30

フラット35問題

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sekimoto

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> 仕事
> 社会



また頭の痛い問題が起こった、と思う。

この問題はマンション投資におけるフラット融資の不正利用であり、我々が関わる真っ当な戸建て住宅への融資案件とは全く関わりのないものではあるが、今後融資審査の厳格化は必至であろうし、その影響は我々にとって少なくないだろう。

こういう事が起こると「フラット35なんてやめてしまえ!」という暴論が必ず出るが、問題はそう簡単ではない。一般の民間銀行融資で融資審査が通らない案件の中には、なんら後ろ暗いものはなく、職場が変わった(むしろキャリアアップした)など耳を疑うような理由で融資を断られるケースも少なくなく、そんな時に「フラット35」は最後の切り札にもなっていた。ただの長期低金利ではないのだ。

姉歯事件後の”過剰反応”のように、厳格化によってそんな建て主さんにとっての受け皿が機能しなくなることを危惧する。今後の動きに注視したい。

YAHOOニュース記事
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6334924

19. 08 / 12

夏休み

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sekimoto

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> STAFF
> 仕事



投稿が遅くなりましたが、リオタデザインも夏休みを頂いております。(~8月15日まで)

今どきは休みはずらして取るという風潮もありますが、建築では正月とお盆は工務店や現場もお休みになるため、現場への影響を少なくする意味からも、この時期に合わせて事務所もお休みを頂くことになります。

9日には毎年恒例の、夏休み前の暑気払い(呑み会)を開きました。現役組とOBスタッフ、そして今年はオープンデスクの学生が二人(日芸と日大理工)。オープンデスクの学生さんは、お盆明けから1週間ずつずらして事務所で実務の空気に触れてもらいます。

私はスタッフがいない間に、少しずつ事務所の仕事を片付けます…。皆さん、良い夏休みを!

横須賀を本拠にされているハウスメーカーのハウスイズムさんから依頼を受け、設計力を上げるためのお手伝いをさせて頂いています。

我々が実際に取り組んでいる実在の敷地に同条件で設計提案をして頂いているのですが、私が講評すること以上に良いと感じるのは、同じ条件で同僚がどう応えるのかというのが一斉に見える化することです。

そういう手があったかとか、俺の玄関って小さすぎ?など、普段担当者は他の人からは口出しをされないので、ある意味独りよがりな手癖がついてしまいますが、それが他者との相対評価を含め白日に晒されたのは大きな成果でした。

私は逆に建主さんの立ち位置でそれぞれからプレゼンを受けて、建主目線でどういう説明を受けるとときめくのかがよくわかり、こちらも勉強になりました笑。

次回も今日の指摘をどう改善するか。史上最強に手強い建主(私)に提案する心構えで臨んで頂きます。


19. 07 / 31

tobufune 撮影

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sekimoto

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> 仕事
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先週末、今年4月に完成したグラフィックデザイン事務所tobufuneの竣工撮影にお伺いした。

tobufuneさんは、デザイナーの小口翔平さんが代表を務めるブックデザインをおもに手がける事務所。Amazonの年間売り上げトップ100冊のうち、約1割はtobufuneが手がけるものだそうで、ある意味日本で一番本を売るブックデザイナーの一人とも言える。

先の建築知識7月号のリオタデザイン特集号でフューチャーした「路地の家」は小口さんのご自宅でもある。先の建築知識がAmazonの関連カテゴリですべて1位を獲得したのも、実は小口さんの神通力なのではないかと密かに思っている。

私は小口さんの装丁の考え方が好きだ。感覚的に見えて、実はきわめてロジカル。ある意味、きわめて建築的。先日も撮影の合間にどのような思考でその装丁の構成に至ったかという話をたくさんお聞きし、贅沢な時間だった。

小口さんは、担当編集者からもらうタイトル案や、前のめり気味のコメント文に目を通し、そこから適切な言葉だけを抽出して文字構成を行う。それはもう見事と言うほかなく、その言葉使うんだとか、時に編集者の何気ないあおり文句がタイトルそのものよりも大きく構成され、結果大ベストセラーにしたり。そこには、無数の本が平積みされる書店の中で無意識に人を立ち止まらせ、つい手に取ってみたくなってしまう魔法がたくさんかけられていた。

先日「優れた設計には優れた編集がある」というような主旨のことを書いたのだけれど、このデザインと編集を同時に成立させる「直感力のかたまり」が、tobufuneの仕事の真骨頂なのだろうとつくづく思った。

そんな出版界のトップランナーtobufuneさんの、写真家・新澤一平さんによる竣工写真はまた近日アップします。ちなみに下は、私の建築知識7月号で表紙イラストを手がけて下さった北村みなみさんを、表紙イラストに使ったtobufuneさん装丁による本。とてもかわいい笑