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ここ5年ほど据え置きにしておりました弊社の設計監理料ですが,このたび見直しと改訂を行いました.これは来るべき来年以降の消費増税の波や,相対的な物価の上昇,そして折からの事務所運営上の事情などによるものです.

過去のお施主さんなどからも,うちの設計料はその業務内容に比べたら「安すぎる」という指摘を頂いたこともありました(そうはお感じにならなかった方もいたかもしれませんが汗).でもそれは私の考えによるもので,敷居が高くて頼めないと思われがちな設計事務所を,もう少し身近に感じてもらいたいと思う部分があったためです.

もちろんうちより安い設計事務所さんもたくさんあると思いますが,うちの質・量ともに濃密な設計監理業務の内容からすると,確かに破格の設計料率だったかもしれません.結果としてか,現在業務集中のため逆に本来の業務に支障を来たし始めている部分があり,バランスを考え直そうと思うに至りました.

といっても,ここで一気に倍にするわけにもいきませんので汗,せめて外税とさせて頂き,単価もささやかながら引き上げさせて頂きました.
(新築@9万→10万,改装@6万→8万)

特に改装の場合は,うちは全面改装のお仕事が多いのですが,”ほぼ新築(いやそれ以上?)”の設計内容を大出血でやっていた部分もありましたので,ここも改めさせて頂きました.

なお,現在すでに設計契約を頂いている方,土地があって具体的な設計相談が進んでいる方(※9月末までに設計契約を頂ける見込みの方)についてはこの限りではありませんので,旧料金体系にてお請けさせて頂きます.今後,新規でご相談をお受けする方に関しましては,新料金体系になりますのでどうかご注意ください.

なお依然として業務集中のため,ご相談から竣工までのスケジュールは(新築・改装問わず)2年ほど頂いておりますので,こちらもどうかご理解の程お願い致します.今後ともリオタデザインをよろしくお願い致します!


新・設計監理料体系 (今月より施行)
https://www.riotadesign.com/service/



13. 07 / 05

準備

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sekimoto

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> 仕事
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朝事務所に下りていくと,今日午前中の打合せの図面や材料がすべて机の上に揃っている.これはとても気持ちがいいことで,こちらも気が引き締まる.作業机の上も整頓して,ゴミ箱の中身も空にしてから帰宅する.

これは僕が徹底させていることではなくて,スタッフ達が自主的にやっていること.ある意味先代のスタッフから脈々と受け継がれているうちの伝統ともいえる.基本的に前日(おおむね2~3日前)までにすべての準備を整える.朝までかかって図面を仕上げるなんてことは一切ない.みんな偉いなぁ,と朝この机を見るといつも思う.

13. 06 / 29

きれいな図面

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NHKのSWITCHインタビューで作曲家の千住明さんが,きれいに楽譜を書くときれいな音が出ると言っていたことに深く共感.スタッフから見たら,きっとどうでもいいと思うレベルまで僕は図面のきれいさにこだわるんだけど,きれいな図面を描くときれいな建築になる.これは本当にそう思う.

きれいな図面というのは,表現として美しいという意味だけではなく,いかに整理されているかということ.それは整合性のようなものだったり,全体が絡み合って一つの秩序を作り出せているかということもそうだし,誰が見ても解釈の幅が生まれない明快さがあるか,そこまで考え抜かれているか(見えているか)ということに最もこだわりたいと思っている.

きっと音楽であれば,何楽章にも連なる交響曲も,曲全体にいくつもの伏線となる旋律を忍ばせていることだろう.そこにはそのどの順番がひっくり返っても成立しない厳密さがあるように,建築にもまた一見して関連しない諸室の関係や別棟との関係においても,いくつもの伏線が張られて全体が構成されるようにしたいといつも考える.

だからその見えない線をどこまで描き込めるかが重要なのであって,見えている線にはそこまでの意味はない.見えない線が見えると建築はモノになる.見えない線が見えない建築は魂のない建築になる.

…とまぁそんなことを言っていても,まだまだ見えていないことばかり.いまだに100点が取れない.きれいな図面を描きたい,見えない線を描きたいといつも願って図面に向かう.

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梅雨に入る前に撮影して頂いた,昨年竣工した住宅の写真(2題)を以下の作品ページにアップしました.それぞれ別々の写真家にお願いしていますが,それぞれの個性と住宅の特徴がよく表れた写真となっています.どうか写真から実際の空間を思い浮かべてみてください.


〇白岡の家/S邸 (2012年9月竣工) 撮影:後関勝也
https://www.riotadesign.com/works/12_shiraoka/



〇DONUT/K邸 (2012年12月竣工) 撮影:新澤一平
https://www.riotadesign.com/works/12_donut/



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いきなり梱包にくるまれた荷物が届いた.愛媛に事務所を構えるうちの元スタッフ二宮からだった.中からは小さな椅子があらわれ,同封された手紙にはこう書かれていた.

「大変遅くなりましたが,事務所開設10周年のお祝いです.この椅子は松村正恒さんが日土小学校の図書室のために設計したものです.なかなか精度が上がらず今までかかってしまいました.ようやく完成しましたので第一号をお贈りします」

すぐに電話して久しぶりに二宮と話をした.そういえば,去年うちの10周年イベントをやった際,彼からは贈りたいものがあるのだけれど,間に合わないからもう少し待って欲しいと言っていた.もう忘れかけていたのだけれど,このことだったのか.

日土小学校は愛媛県八幡浜市に建つ古い木造の小学校.築57年.建築的かつ文化的な価値を認められDOCOMOMO20選や,昨年はワールドモニュメント財団よりノール・モダニズム賞なども受賞した.今では愛媛が世界に誇る建築遺産のひとつとなっている.

二宮はこの小学校の出身だ.彼はここで少年期を過ごし,今またこの近くで事務所を構えている.彼の大学の卒業設計も日土小学校がテーマだったし,地元出身の建築家として保存活動にも尽力した.彼の母校に寄せる愛着は並大抵のものではない.

彼はこの椅子を製作するにあたって,まず当時のオリジナルの図面を入手し,知人の突板職人(家具職人ではない)に頼んで,長いこと試作を繰り返していたらしい.なかなか精度が上がらず(そりゃそうだ,突板職人だもの)何度もやり直しを指示して,ようやく当時のオリジナルに近いものができたという.

実際に日土小学校の図書室にも,建設当時のこの椅子が残っている.ところが彼に言わせると,後ろ脚の形状など,この時点で既に松村氏のデザインより改変されてしまっているのだという.彼はそれを忠実にオリジナル図面に基づき,釘の打ち方ひとつに至るまでこだわって当初のデザインを再現した.

二宮に自分の椅子もあるのかと訊くと,試作段階のものは何脚かあるが,完成形といえるものはこれしかない.ようやくそれができたので贈ったのだという.だからおそらく世界に一脚.泣かせる男である.



△当時の椅子が残る日土小学校の図書室.こちらの椅子は背もたれにつながる後ろ脚が直線になっている.松村正恒氏のオリジナル図面では,ここは「く」の字型に曲がっているのだそう.