
今日は編集委員として関わるJIA(日本建築家協会)の支部広報誌「Bulletin」のインタビュー取材がありました(取材する側です)。当初は都内に場所をセッティングしていたものの、感染予防対策として急遽スカイプを使ったオンラインインタビューとなりました。
以前からJIAなどでは多忙な委員の負担軽減のため、委員会にオンライン参加するというのがありました。会議室には大きなモニターがあって、毎回参加者の半数くらいは各事務所からモニタ越しに参加するのですが、私自身はどうもあれが苦手で、静かな事務所でひとりパソコンに向かって話すというのがまず恥ずかしいわけです。スマホに向かって「ヘイSiri」とか言うのと同じですね。
なので私は頑なに会議室に足を運んで直接参加することにこだわっていたのですが、このコロナの影響でそうも言っていられなくなりました。まわりも急速にテレワークとZOOMを使ったオンラインミーティングをセットにした業務に切り替えているようです。リオタデザインでも、早速ミーティングのオンライン化のためにスタッフにもアプリを入れてもらいました。
今日のインタビューも、最初は画面のどこを見て話せば良いのか違和感もありましたが、驚くほど音声もクリアで実のあるお話がお聞きできたと思います。JIA会員でBulletin読者の方はお楽しみに!(どなたのインタビューかはまだヒミツです)
今日のインタビューでも出た話ですが、今はコロナの問題もあり、人がひとつの場所に集まることができなくなっています。一時的なものではあるでしょうが、それでも我々は相互に強くつながりあって生きてゆくしかないわけで、そんな中でこういうオンラインミーティングのようなものが必要に迫られて拡がっているというのは、象徴的な出来事のような気がします。
テレワークにしてもしかり、オンラインミーティングにしてもしかり。
これまで我々は過度に場所というものに囚われて生きてきたような気がします。会社なら自分のデスクだったり、住む場所だったり、通勤時間だったり。もう仕事をするのに場所(ハコ)はいらないんじゃないか、世界中のどこにいてもいいんじゃないかと、そんなことすら思いはじめています。
そんなことはずっと前からいろんな人が言ってますが、それでも私は、仕事というものは固定的な場所でするのが一番効率が良いと思っていましたし、人とは対面で会わなくてはいけないという先入観(もちろんそれがベストだと今でも思っていますが)も強くありました。
しかし社会状況からそんなことも言っていられなくなり、結果としてそうでもないんじゃないかと、毎日目からいくつも鱗が落ちているのも事実です。コロナ問題はもちろん十分すぎるくらい悲観的な出来事なのですが、そんなわかりきったことばかり考えて毎日沈んだ気持ちで過ごすなんて建設的じゃありませんよね。
今日現場に出たスタッフに、おぼえたてのZOOMを使って現場状況をリアルタイムでオンライン報告してもらいました。すごくわかりやすかったです。多分こんなことがなかったらやらなかったでしょう。
これをきっかけに社会は大きく変わろうとしているし、変わるなら良い方向に変えたいなと思います。社会というと大げさですね。とりあえず自分の意識をです。我々もまたポジティブに意識を変えなくてはいけないのだと思います。

スタッフ一名を本日から試験的にテレワークに。もうひとりも体制が整い次第テレワークへ移行予定。
テレワークへの移行を切り出すと、スタッフの間で「その必要なくね?」「事務所の方がはかどるんですけど」的な空気が流れるものの、今のところ何も支障はなく、「そもそも出社の必要なくね?」的な懸念あり。スタッフが出社しなくなると、所長がますますやる気をなくす懸念あり。これぞ、まさにコロナショック!

朝から川越の敷地で地盤調査。建て主さんも立ち会いたいとのことで一家揃ってのご見学。まるでアトラクションを見るかのように、地味な調査を食い入るように見入っていました。お子さんはそのへんの石を拾ったり、土いじりをしてこれまた楽しそう。
帰路水子貝塚公園に寄ると、竪穴式住居の点在するのどかな公園を、小学生達がたくさんマスク着用で元気に走り回っていました!走るときはマスクいらなくないか?と思いつつ、傍らには引率の大人達が目を光らせていました。ともあれ、束の間平和な光景に緊張がゆるみました。家に閉じこもっているより、こっちのほうがずっと健全ですよね。
この公園には、現在の地図に昔の海の入り江部分を重ねた資料があり、これは地形や良好地盤を大局で掴む上でとても有益なので、たまに足を運びます。


お気に入りの番組にNHK BS1の「空港ピアノ・駅ピアノ」がある。
空港ピアノ・駅ピアノ
https://www4.nhk.or.jp/P5389/
空港に置かれた一台のグランドピアノ。そこに定点カメラが置かれている。通行人がピアノに気づき、ためらいがちに鍵盤に指を乗せる。試しにポロンと音を鳴らしたらもうだめだ。その人は吸い込まれるようにピアノを弾き始めてしまう。
この演奏が本当に素晴らしいのだ。弾いているのはもちろん無名の人たち。とてもピアノを弾くようには思えないような風貌の人から、驚くほど繊細な演奏が始まるというギャップにまず引き込まれてしまう。
趣味でピアノを弾くという人、数学者、アスリート、たまにコンサートピアニスト。空港や駅という演奏には似つかわしくない場でいきなり始まるピアノ演奏に、ある人は無関心に通り過ぎ、ある人は足を止めて聴き入る。人だかりができるという程でないのもまた良い。
演奏後にこれからフライトでどこに向かうのか、また自分とピアノとの思い出を語る。これから兵役に向かうという男性。ピアノがいかに自分の心を支えているかを語る女子高生。そしてあっけないくらい、すっと去ってゆく。そう、この人たちはあくまで通りすがりの人たちなのだ。
明日9日はオランダのユトレヒト中央駅。その次からはエストニアのタリン空港のシリーズが始まる。エストニアは言語的にほぼフィンランドなので、もはやフィンランド人にしか見えない。オスロ空港シリーズも素晴らしい!(再放送で何度もやっている)
オンエアは不定期で時間帯もいつも異なるのでご注意を!
空港ピアノ・駅ピアノ
https://www4.nhk.or.jp/P5389/
空港に置かれた一台のグランドピアノ。そこに定点カメラが置かれている。通行人がピアノに気づき、ためらいがちに鍵盤に指を乗せる。試しにポロンと音を鳴らしたらもうだめだ。その人は吸い込まれるようにピアノを弾き始めてしまう。
この演奏が本当に素晴らしいのだ。弾いているのはもちろん無名の人たち。とてもピアノを弾くようには思えないような風貌の人から、驚くほど繊細な演奏が始まるというギャップにまず引き込まれてしまう。
趣味でピアノを弾くという人、数学者、アスリート、たまにコンサートピアニスト。空港や駅という演奏には似つかわしくない場でいきなり始まるピアノ演奏に、ある人は無関心に通り過ぎ、ある人は足を止めて聴き入る。人だかりができるという程でないのもまた良い。
演奏後にこれからフライトでどこに向かうのか、また自分とピアノとの思い出を語る。これから兵役に向かうという男性。ピアノがいかに自分の心を支えているかを語る女子高生。そしてあっけないくらい、すっと去ってゆく。そう、この人たちはあくまで通りすがりの人たちなのだ。
明日9日はオランダのユトレヒト中央駅。その次からはエストニアのタリン空港のシリーズが始まる。エストニアは言語的にほぼフィンランドなので、もはやフィンランド人にしか見えない。オスロ空港シリーズも素晴らしい!(再放送で何度もやっている)
オンエアは不定期で時間帯もいつも異なるのでご注意を!

このたび、松井匠先生、辻充孝先生よりお声がけいただき、岐阜県立森林文化アカデミーの「先端建築学」という授業にて、建築家の小谷和也さんとともに登壇させて頂きました。
森林文化アカデミーの名は、木造実務者の間では知らぬ者はいないと思いますが、私も実際に足を運ぶのは初めてでした。岐阜は遠いと思っていましたが、思った通り遠かったです笑。
午前中の講義では、小谷さんと私とで、それぞれの得意とする設計分野について掘り下げてお話しさせて頂きました。小谷さんからはマンションリノベの奥深さについて。私は構造家・山田憲明さんとの協働仕事を通じて、木造の柔軟な考え方や可能性についてお話ししました。相変わらず小谷さんのお話は面白く、持参した家具の実演にも学生たちは喰いつくように見入っていました。


午後は「円居(まどい)」と名付けられた、学生たちの手による自力建設の小屋にて、講師と学生皆が車座となり、暮らしと木の家具、似ているようで違うお互いの設計の進め方や仕事の考え方についてお話ししたり、質問にお答えする形で意見交換をさせて頂きました。
今回とても驚いたのは、私がフィンランドで学んだ木や建築についての実践教育が、この地で育まれていたこと。アカデミー内には木を加工するための工具や設備が揃い、学生たちは座学のみならず、実際に手を動かし、自力建設を通じて建築を体系的かつ体感的に学んでおられるようです。

私はフィンランドに留学した当時、それまで実務で住宅の設計はしていたものの、木を実際に削ったり加工したことはありませんでした。国内の理系の建築学科では木に触れる機会はないからです。フィンランドではじめてそれらに触れ、実際に木を触ったことがないまま頭の中だけで設計していたということに気付かされました。
木や木造建築に深く関わりたい学生や社会人の方は、大学院に進むつもりで一度岐阜で実際の木に触れてみることを強くお勧めします。
岐阜県立森林文化アカデミー
https://www.forest.ac.jp

