
息子が通う美術教室の秋の展覧会へ。息子は秋口から製作していた剣を2点。一つは進撃の巨人の超硬質ブレードですが、もう一つは彼のオリジナルデザインによるもの。小学生らしい素朴な製作物が並ぶ中で、ちょっと場違いな完成度…。来場者による「いいね!」シールもいっぱい張られていました。
私も技術的な部分で手を貸したり助言もしましたが、自分が何をしたいのか、どうしたいのかを考えて、最後まで表現の工夫ができたという意味でも、今年はとても良い作品ができたのではないかと思います。
教室の先生も、褒めすぎなくらい褒めて下さいました。子を褒められて嬉しくない親はいないと思いますが、それ以上に等身大の彼を100%受け入れてくれる場所があることに救いを感じました。
彼のオタクぶりは最近さらにパワーアップして、美術教室の中学生の生徒からも一目置かれているのだとか。そこは誇って良いのかわかりませんが、アートとオタクは紙一重ということで、これからも我が道を進んで欲しいと思います。


先週末は小平にある武蔵野美術大学(通称ムサビ)の学園祭に行ってきました。ムサビは我が母校でもあります。ウソです。私の出身校は日大です。
美大は私の憧れです。一般的に建築を目指すには、美大系か工学系かに分かれます。私は日大の理工学部に進学しました。特に理系科目が得意だったわけではなく、建築をやりたいから理系に進んだわけですが、どうしてそこで美大に進もうと思わなかったのか、今から思うと不思議でなりません。
きっと、自分にはそこまでの美術の才能はないと当時の自分なりに思っていたのかもしれません。あるいは、美大卒では食えないだろうと現実的に考えたのかもしれません。
ところが大学に進んですぐに思いました。美大に行けば良かったと。
私は工学系の授業が大嫌いだったのです。ずっとデザインのことだけを考えていたかった。今ではそれが叶ってこんな仕事をしていますが、やりたいことだけしかやりたくないという性格は、大学で工学系の単位を落としまくるという形で私に試練を与えました。
だから今でも、美大や藝大出身の建築家に会うと憧憬の念に駆られます。一方の彼らは彼らで、工学系に弱く、建築士試験などでは苦労をしたそうですが。でもそれは同じです。私も工学系はサッパリなのですから。
ムサビの学園祭は最高に楽しい学園祭でした。理系の地味な学園祭には在学中一度も参加したことがなかったので、あんなにも学生が輝いている姿を見るのはとても新鮮で、眩しく思えました。
息子も本当に楽しかったようです。そこには彼の興味の中心にあるものが全て揃っていました。しかもどれもが高いレベルで。美大に行くかどうかは彼の自由ですが、彼の全てを受け入れる世界がここにはあるんだということを教えてあげたいです。
常識やしがらみから離れ、美術は人を自由にしてくれます。

玄関開けるとこれ。まぐろの水揚げかと思いましたよ。毎週木曜日は、息子の習い事がない日なので友達が大挙して遊びにきます。平均すると8~10人くらい。
女の子も普通に遊びに来るのに最初は驚いていたのですが、息子に聞くと、知らない子も来るのだとか。我が家に遊びに行くと聞きつけた他の友達も、俺も行きたい!となるようです。近所でも一風変わった家なので、みんな中に入ってみたいのかもしれません。
私が育った家もある意味一風変わった家だったのですが、友達にそのことを言われるのが恥ずかしくて嫌でした。息子はどうでしょう?

息子が幼稚園の時から通う美術教室があり、恒例の秋の美術展が近づいてきました。
去年までは毎年油絵を描いてきたのですが、6年生の今年は立体製作が許されており、去年の6年生が作っていた”剣”を、今年は自分も作ってみたいとかねてから思っていたようです。
どんな剣にするのか迷っていましたが、最終的に進撃の巨人に出てくる「超硬質ブレード」なるものを作りたいと言い出し、息子から相談を受け私も手伝うことになりました。
当然、私はそれがどんなものなのか全くわかりません汗。
ところが最近ではググれば何でも出てくるのですね。超硬質ブレードの作り方なるものも某サイトに詳しく載っており、まずはこれを参考にさせて頂くことにしました。(本当に助かりました!)

まずは型紙を作る作業から。
ここは普通にできるでしょ?と思いつつ、あまりのぎこちなさにちょっとびっくりしました。思えば、カッターを握って何かを作るという経験は、これまであまりさせてこなかったように思います。
仕方なく、ここも手取り足取り。はみ出したり歪んだりした部分は作り直しを命じながら、作業は進んでゆきます。

最初はブレードの部分から。
ここは思いのほかすんなりいきました。芯にアルミパイプを通すという本格仕様。厚紙を重ねて強度を高めます。表面にはジェッソを塗って質感も高めてゆきます。(この時点で、既に子どもの工作の域を超えているかもしれませんが…)


これはグリップの部分に、ハンダゴテを使って溝を付けているところです。プロセスの写真はジャンプしていますが、実のところこのグリップ部を作るのが一番大変でした。ソフトボードを重ね合わせ、角を丸め、丹念に処理を重ねてできています。
こういうところが小学生には難しいと思うのは、まだまだラフなのに適当なところで筆を置こうとするところ。いやいやもっとクオリティ高めないとだめでしょ!と脇から私の檄が飛びます。私の物づくりの血が妥協を許しません。子には迷惑かもしれませんが…。
ここはこうやって、やすりをかけて、とここでも手取り足取り。ちょっとうるさそうだったけれど、素直に言うことを聞くところは偉いです。ここまでで、すでに何日かを費やしています。

さて、いよいよ塗装です。マスキングをして、全体にシルバーを吹き付けてゆきます。
スプレー吹くだけなら小学生でもできますが、やはり塗装はマスキングなど段取りが勝負です。こういうところも小学生には難しいので、大人がサポートしてやる必要があります。


マスキングしきれないような細かいところは、細かい筆で色を入れてゆきます。
休憩を挟みながら、少しずつクオリティを上げてゆきます。


できました!超硬質ブレード。
息子も大喜びです。
途中から私のスイッチが入ってしまった部分もありますが、基本的にこれは息子の作品なので、私が手を出しすぎてはいけないという部分で苦労しました。結果的にですが、不慣れな息子の作業がかえって小学生らしい”味”になってくれたと思います。
親が子供の工作に手を貸すことには賛否あるかもしれません。でも私は物づくりというのは成功体験なのだと思います。一度ハードルを越えようとして挫折してしまうと、次からはもうそれは”無理”なんだと諦めてしまうでしょう。小学生ならなおさらです。
息子は私との協働作業ではありましたが、手間をかけたことで、結果的にあり得ないクオリティのものが出来上がったことに大いに満足感を得たようです。次はもっとこだわって、もっと違うものを作ってみようと思うに違いありません。

ということで、めでたしめでたし。
これを美術展に出すということですね?
と思わせといて、違います。これは我々のゴールではありません。
これは実際にあるものをトレースして作ったに過ぎません。アニメの道具を描き写したようなものです。それでは美術とは呼べませんよね?
これを足がかりに、次はいよいよオリジナルデザインに挑戦です。
ワークショップはまだまだ続きます!


私は蛍を見たことがなかった。ほんの数年前まで。
正確に言うと、イベントでビニールハウスのようなところを行列しながら見たり、客寄せ目的で放たれた都内の蛍なら見たことがあった。
しかし数年前、クライアントに誘われて、軽井沢町塩沢地区の蛍を見に行ってびっくりした。手を伸ばせば届く目の前を、野生の蛍が無数に飛び回る姿を見たのははじめてで、私はあやうく涙が出そうになった。
それをどうしても子どもに見せたくて軽井沢へ。まだシーズンの始まりとあって、飛んでいる数は少なかったとはいえ、それでも十分な数の蛍の姿がそこにはあった。
塩沢地区では、蛍を育てるためにわざわざ田んぼや水路を、トラスト運動によって年々増やしているのだという。よその蛍を放ったり、餌を撒いたりすることは一切しない。正真正銘、野生の蛍。
川の上を儚くも力強い光を放ちながら飛び回るその姿は、本当に美しかった。夜のフィールドを歩き回るという体験もまた、子どもには楽しかったようだ。
ガイドさんによると、来週〜再来週にかけては数百匹の乱舞が見られるだろうとのこと。野生の蛍を見たことのない方、是非一度足をお運びください。感動しますよ!
塩沢村エコミュージアム・里山キャンパス
http://ecomuseum.visitor-center.jp/