15. 10 / 28

そこにある自由

author
sekimoto

category
> 子ども
> 社会



先週末は小平にある武蔵野美術大学(通称ムサビ)の学園祭に行ってきました。ムサビは我が母校でもあります。ウソです。私の出身校は日大です。

美大は私の憧れです。一般的に建築を目指すには、美大系か工学系かに分かれます。私は日大の理工学部に進学しました。特に理系科目が得意だったわけではなく、建築をやりたいから理系に進んだわけですが、どうしてそこで美大に進もうと思わなかったのか、今から思うと不思議でなりません。

きっと、自分にはそこまでの美術の才能はないと当時の自分なりに思っていたのかもしれません。あるいは、美大卒では食えないだろうと現実的に考えたのかもしれません。

ところが大学に進んですぐに思いました。美大に行けば良かったと。

私は工学系の授業が大嫌いだったのです。ずっとデザインのことだけを考えていたかった。今ではそれが叶ってこんな仕事をしていますが、やりたいことだけしかやりたくないという性格は、大学で工学系の単位を落としまくるという形で私に試練を与えました。

だから今でも、美大や藝大出身の建築家に会うと憧憬の念に駆られます。一方の彼らは彼らで、工学系に弱く、建築士試験などでは苦労をしたそうですが。でもそれは同じです。私も工学系はサッパリなのですから。

ムサビの学園祭は最高に楽しい学園祭でした。理系の地味な学園祭には在学中一度も参加したことがなかったので、あんなにも学生が輝いている姿を見るのはとても新鮮で、眩しく思えました。

息子も本当に楽しかったようです。そこには彼の興味の中心にあるものが全て揃っていました。しかもどれもが高いレベルで。美大に行くかどうかは彼の自由ですが、彼の全てを受け入れる世界がここにはあるんだということを教えてあげたいです。

常識やしがらみから離れ、美術は人を自由にしてくれます。