諸事情あって、しばらくダイニングのレイヴィスカランプが使えなくなってしまったので、期間限定で他の照明を下げることになった。ほんの数ヶ月のことだから裸電球でも下げておこうかと思っていたところ、まさかのIKEAで出会ってしまった。

ここでIKEAの話をしたい。誤解を恐れずに言うと、私はIKEAが嫌いだ。あんなの北欧デザインでもなんでもない、ただのアメリカ的消費文化の象徴だと今でも思っている。あぁ、こんなこと書いていろんな人に怒られそうだけど、そう思っているから仕方ない。

そんなIKEA大嫌い人間が、自宅にIKEAの照明を下げる。これは革命的なことでもある。そのくらい、このKNAPPAという照明は優れている。これだけは認めざるを得ない。

この複雑な形状を作り出しているのは、ほぼ全て同じ形をした鱗型のセルシートとわずか8本の弓形のパーツ、そして上下2枚のリング。たったこれだけ。組み立ても実に簡単。これが、わずか20センチ四方くらいの小さな箱に入って売られている。これがこんな小さなパッケージに納まっているのがまずもって信じられない。

そしてお値段、¥2,499。嘘でしょ?これを優れたデザインと言わずしてなんと言おうか。悔しいけど、潔く負けを認めたい。

今日は川越蔵の会の皆さまを、「越屋根の家」にご案内。メンバーの一人である建築家の守山登くんは大学の同級生で、昨年の川越景観表彰の授賞式で卒業以来の再会を果たしました。彼は川越ではちょっとした有名人。風の噂で彼の活躍は知っていましたが、これまで会う機会がありませんでした。

日大理工って、同期だけで300人いるので、在学中はほとんど絡んだこともない友人が大多数だったりするんですよね(日大あるある)。今仲の良い日大同期の建築家仲間も、在学中はそこまで仲良かったわけではない人がほとんどだったり。

そもそも長いものに巻かれがちな日大気質の中で、アトリエという茨の道を選んだ奇特な面々は、どこかで惹かれあっていつかは出会う運命にあるとも言えそうです(日大あるある)。

彼には授賞式で案内を約束し、今日ようやくご案内ができました。お仲間の皆さまとも話が弾み、いつも気さくにご対応くださる建主さんにも本当に感謝です。本日はお越しくださりありがとうございました!


author
sekimoto

category
> AALTO
> 北欧



深雪のホテリアアルトへ。

ホテリアアルトはこれが5回目くらいでしたが、オーナーの宗像さんによるとホテル開業以来最大の積雪量とのこと!一階部分が完全に雪で埋まり、いつものロビーからの眺めも雪の壁状態でした。

フィンランドからの友人ヤリさん夫婦をお招きし、アールトグループと呼び合う23年前に開催されたアールト住宅展を企画した懐かしい面々が集い、夜遅くまで語り明かしました。

帰りには少し遠回りしてこれまた深雪の大内宿まで。ただでさえなかなか来れない場所ですが、この雪景色に昔の人たちの暮らしぶりも想像できて、得難い経験となりました。

また益子氏設計のゼノアック本館も見学させて頂き、その丁寧なつくりにも大変感動しました。

細部に至るまで気遣いと最高のホスピタリティでフィンランドからの大切な友人をおもてなしくださったホテルスタッフ、宗像家の皆様、万全のアレンジをして下さいました益子さん、本当にありがとうございました!







直近でうちの事務所にいらっしゃった方はギョッとされたかもしれませんが、現在自宅には前面道路側も足場がかかり、改修工事を行っています。

我が家も今年で築18年になります。RC造でありながら外部周りにも木をたくさん使っていて、それが自邸で気に入っている部分でもあるのですが、木は定期的な手入れをしないと傷みが早まります。

人間のお肌と同じで、一度劣化が進んでしまったものはあとからオイルを塗っても元には戻りません。とにかく経年変化を遅くするしかないんですね。

先だって、建築家の隈研吾さんが設計したとある美術館の外装の木部が腐ってきたと大騒ぎになりましたが、劣化を抑える特殊な処理をしたとしても時間の流れは完全には止められません。

メンテナンスフリーという言葉は過信せず、やはり管理者による定期的なメンテナンスは心がけなくてはいけないと思います。



一般的に外装の木部は、最初は3年後、そのあとは5年周期で塗り替えて下さいと建て主さんには説明していますが、なかなかそんなにこまめにお手入れをして下さる方は少数派です。私としては、少なくとも5~8年周期くらいでは再塗装を行うと良いように感じています。

我が家のケースでは、道路側の木製ガラススクリーンの木部は、すでに過去2回ほどは足場を架けて塗り替えをしています。今回は3回目の再塗装で、前回が2018年だったので今回は7年ぶりの再塗装ということになります。

中庭側は植物が被い繁っているのと、あまり直射日光が当たらないこともあってもう少し頻度が低いです。前回が2015年で今回は実に10年ぶり!ずっとサボっていましたが、ついに重い腰を上げました。そのために愛着のあったツタをばっさり切った話は以前も書きましたね。



今回はそれに加えて、竣工以来打ち替えていないコーキングの打ち替え工事、庇の防水のやり替え、手の届かないガラスのクリーニング、また個室のエアコンや便器の交換など、これを機にいろいろお願いしてまとめて施工頂いています。

気になるお値段ですが、我が家の場合3階建てで足場範囲も広いのですが、外部の塗装工事だけでしたら100万円もかかりません。その他の付帯工事の方が高く付きました。意外と安いと思ったでしょうか?

一般家庭の一部の木部再塗装でしたら2~30万くらいでできるんじゃないでしょうか。これを放置して腐らせてしまうと100万円じゃ済まないでしょうね。だからメンテナンスをこまめにした方が、トータルで安上がりだし美観も維持できるということになります。

、、ということを、私が実践しないと説得力なくなっちゃうんで笑

来週には足場が外れそうです。またきれいになった我が家を見るのが楽しみです!

飯塚豊さんの第7期工務店設計塾。今日は実作見学会がありました。30名ほどの塾生を、朝からリオタデザイン設計の「越屋根の家」「自邸OPENFLAT」をご案内、その後飯塚豊さんの浦和S邸へと足を伸ばしました。

各回45分の見学時間を駆け足でご紹介。もう少しじっくり見て頂きたいところもありましたが、それはまたの機会ですね。

3件目の飯塚さんの住宅はあまり知られていない住宅かもしれないのですが、2006年の竣工とのことで飯塚さんにとって独立後3件目の家とのこと。しかしこれがとても良かったのです。過去私が見た飯塚さんの住宅の中で、もしかしたら一番心を掴まれた住宅かもしれません。

、、なんて書くと怒られちゃうかもしれませんが、実のところ今日ご案内した「自邸OPENFLAT」も2007年の竣工ながら、私の住宅で一番良いとおっしゃる方も少なくなかったりします。

なんでなんでしょうね。今の方がお互い脂が乗っていて絶対的に質の高い設計をしているはずなのに。

ひとって何度も同じ納まりや素材を使っていると慣れてくるというか、洗練する一方で緊張感が抜けてくるんでしょうか。惰性とは言わないまでも既視感があったり、本人も楽にコントロールしている感じがあったり。

でも駆け出しの頃って必死なんですよね。ハンドル握る手にも汗びっしょりみたいな。

危ない危ない!って傍目にはハラハラするんだけど、本人は必死だから結果的に綱渡りを渡りきれちゃう。でも渡り終わって後ろ振り向いたら、ゾッとしてもう二度と渡れなくなるみたいな。

飯塚さんの住宅は、飯塚さんのような大ベテランでも、駆け出しの頃があったんだという初々しさとポテンシャルの高さが感じられて、とても貴重なものを見せて頂いたような気がします。

そういう意味では、私の自邸と最新作の越屋根の家も、リオタデザインのビフォーアフターみたいで、今日の参加者も貴重なタイムトラベルをされたのではないでしょうか?

参加者の皆さん、大変お疲れさまでした!充実した一日でした。新建新聞社の皆様も段取り大変ご苦労さまでした。