14. 05 / 19

亀山邸

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sekimoto

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> 建築・デザイン
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プロジェクトリストには載せていなかったのですが,亀山邸が無事竣工を迎え,昨日引渡しがありました.今回は極限のローコストが求められたため,構造材には余った無印のパインラックの切り落とし材を使用しています.

ただしローコストでありながらも,遊び心と品格ある佇まいを実現させるため,当初は高さが48mもあったとされる出雲の大社造をその様式に取り込み,粗野な中にも荘厳さを感じさせる造りとしています.クライアントは仙人でもあるため,この屋上から拝む朝日は特別な意味を持つようです.

ちなみに一番のお気に入りは,「スロープの三角のすきま」とのこと.この隙間にはさまっていると落ち着くのだそうです.でもごめん,そこ意図したとこじゃないから.

14. 03 / 15

アタマの現場

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sekimoto

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> 建築・デザイン
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ギャラリー間で開催されている,建築家内藤廣さんの展覧会にようやく足を運ぶことができました.私は大学時代内藤さんの事務所に面接に行ったことがあるくらい氏の建築を敬愛してやまないのですが,今回の展覧会もとても素晴らしかったです.

内藤廣展 アタマの現場
http://www.toto.co.jp/gallerma/ex140118/index.htm

今回の展覧会は「アタマの現場」と名付けられているように,今回の展覧会のために作られた模型などではなく,内藤事務所にあるスタディ模型や図面の数々を,事務所の内部をそっくり再現してお見せするという趣向のようで,内藤さんのデスクまわりも実物を運び込んで忠実に再現されていました(現に,現在内藤さんの机は事務所にないそうです・・).

私がもっとも感銘を覚えたのは,その図面です.前述のように展覧会のために特別に描かれたものではなく,実施図面が素っ気なく置いてあるだけなのですが,その密度と精度,そして美しさに脱帽しました.私の事務所も比較的図面を詳細に描く方ですが,我々の何十倍も大規模な建築であるにも関わらず,細部に至るまで実によく考えられているのです。

また驚いたのは仕様書で,例えばコンクリート打放し仕上げなら,我々なら図面にその旨の記載と打放し型枠の使用,撥水剤の指定くらいで,あとは現場監督や職人さんと相談しながら進めてゆくというのが通常なのですが,内藤事務所の図面には詳細な型枠の組み方,目違いを防ぐための方法,端部の処理,万が一失敗した際の処置の仕方に至るまで,図解入りですべて記載してありました.(撮影が許可されていたので産業スパイのように大量に撮ってきてしまいました.これ出版してもらえませんかね?)

内藤さんの建築はとてもシンプルで美しく,出来上がった後にはその手の痕跡が見えることはありません.ただ我々にはわかります.こんな涼しく建築が作れるはずがないんです.そのナゾがひとつ明かされました.この綿密に計算され尽くした図面,蓄積されたノウハウ,わかりやすい指示書がそのすべてを物語っていました.やっぱりすごいな,内藤さんは.うちもバリバリ図面描かないと!

年表を見たら,内藤さんは30代の頃は意外にも佳作で,40代から爆発したように大きな仕事を次々手がけていったことがわかりました.私も大いに励まされて会場を後にしたのでした.


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新国立競技場議論に,今ひとつ乗り切れていない自分がいました.
確かにでかすぎるとは思います.けれども,そうだそうだ!と一緒に拳を振り上げられなかったのは,じゃあどうするんだ?という問いに自分に答えが用意できなかったことがありました.

何より知りたかったのは,一切コメントを出さない審査委員であった建築家たちの個別の考えです.私は心のどこかで,きっと審査委員のひとりである建築家の内藤廣さんは絶対ザハ案に反対したに違いないと思っていました.あるいはそうであってほしいと願っていました.

それらすべてに反論をすべく,ついに内藤さんが重い口を開きました.
http://www.naitoaa.co.jp/090701/top/forarchitects.pdf

誤解を恐れずに言いますが,胸がすくようでした.何より救われたのは,内藤さんが全力でザハ案を擁護していたことです.ザハは望まれずに産まれた子ではなかったのだということ.そして,一審から極刑やむなしの判決が覆ることのなかった被告に対して,世論にすべて背を向け,最高裁で無罪であると言い放った気骨ある弁護士の登場には拍手を送りたいと思います.(例えとして適当かわかりませんが)

ここ数ヶ月の私のモヤモヤに対して,その勇気ある内藤節が少し輪郭を与えてくれたような気がします.もちろんまだ議論は続きます.けれども魔女裁判にならなくて良かったというどこか安堵の気持ちです.

13. 11 / 30

TAPE TOKYO展

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> 建築・デザイン
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今日,なんとはなしに青山スパイラルに立ち寄ると,なにやら異様な光景が.

TAPE TOKYO展
http://www.spiral.co.jp/e_schedule/detail_848.html

これすべてセロテープでできています.何かに似ている・・そう蜘蛛の巣!蜘蛛のなかでも地蜘蛛の巣みたいですね.NUMENという海外のデザイン集団の作品です.なんと中にも入れます.これがまた・・衝撃的な空間体験でした.

ご興味ある方は是非.ただし12月4日まで.残りわずかです.急いで!




13. 10 / 30

思考の森

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> 建築・デザイン
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提出日が近くなると駆け込み寺のように学生がやってくる.昨日で3日連続.
彼ら/彼女たちのプランニングの悩みを聞きながらエスキースをしてあげると,するすると筆が動いてあっというまに形が浮かび上がる.

ひとの悩みというのは皮肉なもので,聞き手からしてみると何を悩んでいるのかわからないくらい単純で,こうすればいいのにと無責任にも簡単に答えに辿り着いてしまう.

ところが自分の悩みとなると話は別.学生に僕も仕事のプランニングでは悩むんだよ,という話をすると信じられないという.そりゃそうだ.建築なんてそんな簡単に解けるもんじゃないよ!他人の問題は簡単だけど,自分の問題になったら一大事.とたんに周りが見えなくなってしまう.

そしていつも新しいプランニングに着手するたびに思う.「今回のが一番難しいかも」
悶々と思考の森に迷い込む.担当スタッフの机の上にはスタディの残骸が積み上がって行く.でもきっと今回もできた時に思うんだろうな.

「今回のが一番きれいに解けたかも」