映画『アアルト』の公開に合わせたわけではありませんが、昨年8月に開催された新建ハウジングさん主催のセミナー「北欧アルヴァ・アールトに学ぶこと」のYouTube動画が昨晩一般公開となりました。最後は建築家・飯塚豊さんとのアアルト・クロストークも納められています。(本編は6分ごろから)

■ 北欧アルヴァ・アールトに学ぶこと|講師:関本竜太
https://youtu.be/K0TrlQZZhDc

正直自分が何を話したか覚えていなかったのですが、昨晩見直したらまあ活き活きと語ること!自作を語るより雄弁でマニアック。昨晩は少し呆れながら見返しましたが、ちょっと面白かったです笑

映画のパンフレットに寄稿した内容は、こちらを凝縮したものになります。アールトってこんな人!?というのが伝わったら嬉しいです。ご興味あれば、こちらで予習してから映画館にお出かけください。


映画「アアルト」いよいよ今週金曜日(13日)から全国ロードショーです!

いつまでかっていうと、、実は最初の動員数でその後の上映期間が決まるんだそうです。だから、なんだもう終わりか~もっと長く上映すれば良いのに、なんて言ってる人は自分で自分の首を絞めているわけです。

是非見たい!という方は13日とは言いませんが、今週末に是非劇場に足をお運び下さい。ロングラン上映にどうかご協力を。

私は試写ですでに2回観ていますが、3回目はやっぱり劇場でと思います。建築系の映画って、マニア向けの淡々としたドキュメントが多いのですがこの映画は違います。とても詩的でストーリーがあるんですよね。一般の人でも十分に楽しめます。

そして抜群の編集!ヴィルピ・スータリ監督の力量も存分に発揮され、フィンランドのアカデミー賞であるユッシ賞で編集賞や音楽賞も受賞しているんです。

字幕監修は宇井久仁子さん。SADIで共に活動するメンバーです。私もパンフレットに寄稿させていただきました。

動くアアルト、しゃべるアアルトも必見!CIAMでコルビュジェと交流するアアルト、これはモホリナジの秘蔵映像です。個人的にはパイミオサナトリウムが大迫力のドローン映像で展開されるシーンが最高にシビれました!是非劇場で。

映画『アアルト』
https://aaltofilm.com/

23. 09 / 26

緑道沿いの家

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sekimoto

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> 建築・デザイン
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先週末は打合せ終わりで、友人建築家の若原一貴さんのオープンハウスへ。

玉川上水に抜ける緑道の窓がこの住宅のメインの見せ所だったと思うのですが(みんなFBに写真を上げていた)、私が若原さんらしいなと思ったのはむしろ道路側に抜けたさりげないこの窓でした。

この家何が特殊って、男性の一人暮らしという要件だと思うんですね。緑の見える窓や立体的な構成は、緑道沿いの敷地ならどこでも成立するし、実際この家のプランも若い新婚さんの住まいだと言われても成立すると思うのですが、ダイニングに身を置く時、誰かと向き合うことなく一人で座るならテーブルのこっち側だよな、という視点からこの窓を眺めると、そこにまっすぐ伸びるこの道。

ちょっと感動しました。テーブルの反対に座ったら、この景色は見えないからです。

外観も、実はアシンメトリーなんですよね。ダイニングの窓が少しずれてる。緑道の窓を完璧なシンメトリーに配置したなら、私ならきっとこちらもシンメトリーにこだわりたくなるだろうな。でもそこに囚われすぎずに、徹底して内部の視点から作っていく。


私は住宅設計の真髄はここにあると思います。唯一無二であること。ただ一人の建主に向き合うということ。それが敷地環境にぴったりはまった時、建主はとびきりのフィット感を得るのだと思います。

皆が内部を見学している時もずっと外にいる若原さん。なんで入らないの?と聞いたら、みんな僕に気を遣って好き勝手なこと言えないでしょと。なるほど、やっぱり住宅の名手は気遣いの達人なんですね。

23. 09 / 21

椅子張り講座

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sekimoto

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> STAFF
> 仕事



今日はスタッフを連れて、秦野市にある北欧家具taloまで。たびたび書いていますが、オーナーの山口太郎くんとは幼なじみの間柄でもあります。

北欧家具talo | https://www.talo.tv/

訪問の目的は、今進めている案件についての意見交換と、椅子座面の張り替え講座!なんで椅子の座面の張り替えを学ぶ必要があるのかというのはまた追々ご説明しますが、この日はスタッフ揃ってプチ遠足気分で秦野までやってきました。


まずは太郎先生のレクチャーから!

当たり前ですけど、さすがプロ。北欧家具taloの座面張り替えはほぼ1人でやっているというだけあって、ツールの使い方や選び方、シワの入らない生地の張り方まで実に細かくレクチャーしてもらいました。

事前にYouTubeでもやり方を調べていたのですが、やっぱり色々と違いがありました。百聞は一見にしかず。やっぱり実演に勝る学びはないですね。




私もスタッフも早速の実践です。流れるような太郎くんの手順を見ていたのに、自分でやるとなかなかうまく行きません。隣からも厳しい太郎くんからの叱責が飛びます!

最後はようやくぐるっとステープルを打ち終えて、失敗はあったものの、なんとか張り地を張り終えることが出来ました。もう少し練習が必要ですが、スタッフも張り字交換のコツや勘所をだいぶ学べたようです。

リオタデザインは家具屋でもやるのかって?まぁまぁ、それもそのうち話します。


太郎くんは先週までフィンランド。そしてまた2週間後にはふたたびフィンランドと、日本にいる暇がありません。そんな中ピンポイントに押しかけたというのに、この手厚さ!ほぼ神です。

taloには太郎くんに会いに定期的に押しかけて、お互いの近況報告をするのが私にとっても何よりの楽しみになっています。お互いほぼ同年代ということもあって、これからの仕事のしかたや展望、お互いの夢なども語り合って、この日もとっても実のある時間となりました。

太郎くん、本当にありがとう!!来るべき協働の機会も楽しみにしています。

この夏、二人目のオープンデスクは千葉工業大学3年の大河原雄友くん。大河原くんは実は建築学科ではなく、いわゆる土木系の学科に所属している学生さん。それでも建築の設計をやってみたいと、うちのオープンデスクに応募してくれました。

ただ実家が千葉の木更津とのことで、さすがに遠すぎるということで最初はお断りしたのですが、松戸の友人宅に泊まって通うので!との熱意に負けて受け容れさせてもらいました。

土木系学科でも、住宅の設計課題などは経験したそうですが、いわゆる図面の描きかたのような初歩的な指導のみだったようで。「建築をつくるとはどういうことか?」というところに踏みこんだ指導ではなかったようです。

いつものように住宅の設計課題を出したのですが、持参したエスキース帳も一般的なスケッチブックだったため、私が愛用するエスキース帳を一冊渡して「一週間でこれを使い切るくらい描くこと!」と伝えたら、最終日には使い切ることはありませんでしたが、2/3以上はびっしりとエスキースで埋めてくれました。


私は学生にもスタッフにも区別なく厳しいので、さながら1000本ノックのような日々だったかと思いますが、毎日指導を重ねるごとにどんどん線がクリアになっていき、最後には実際に建てられるレベルの素晴らしいプランになりました。高い集中力と吸収力で、日々ぐんぐん実力が伸びていってなかなか教え甲斐がありました。

建築学科で学んでいないことを気にしているようでしたが、雄友くんもこの経験はきっと自信になったことと思います!一週間お疲れさまでした。来週以降は、千葉の建築を見て回るという、もうひとつの”宿題”も是非がんばって下さいね。