23. 01 / 02

その人のために

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sekimoto

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みなさま、あけましておめでとうございます。

新年というとSNSなどにはポジティブな、新年に相応しい言葉たちが並びます。私はそれを見るといつもいたたまれない気持ちになります。

自分も少しは何かポジティブなこと書いた方がいいのかな?「新しいことにチャレンジ」したほうがいいのかな?そんな迷いからはじまる。私にとって毎年お正月はそんな感じです。そんなキラキラしたことは言えませんが、自分自身の整理を兼ねて、心の中にあることを少しだけ書いてみたいと思います。


今年に限らずですが、私が望んでいるのは一つだけです。
それは、我々を信じてくれるパートナー(クライアント)との出会いです。

暮れに色々考えてたどり着いたのは、自分が求めているのはどうやら単なる仕事じゃないんだということ。その人のために仕事をしたいと思えるような、そんな出会い。

どうも私は自分の自己実現のためには仕事を頑張れないみたいです。うちの事務所が過去のプロジェクトを「作品」ではなく、あくまで「仕事」としているのもこのためです。我々の価値観に共感してくださる方がいるのであれば、その人にために我々は全力で仕事をしたい。ちょっと職人さんみたいな感じかもしれませんね。

つい我々はこれまでの経験でものを語ってしまいがちです。

積み上げた経験ってとっても大切なもので、困った時に自分を助けてくれますし、困った状況にならないように我々を導いてくれるものでもあるんですが、リスク回避を徹底していくと、自分にとって不都合なものはだんだん受け入れなくなってしまうという危険性もあるんですよね。

これまで積み上げてきた仕事のノウハウみたいなことを一旦壊したいという衝動はいつも持っているんですが、結局クライアントの期待を裏切れないので、安定のクオリティが守れる「いつものやり方」に流れてしまうということもあります。そういうものを、できることなら一度封印してみたい、、。

これはなかなかできないんですが、コストのこととか、いろんな制約のこととか、いつも通りやっていたらできない!という時に、我々を信じてくれる人にはちょっと新しい刀を抜いてみようかな、と思ったりもします。

今や私も業界ではベテランの域に入りました。10年前ならできなかったことも、今ならできるかもしれない。そのためには、もう少しひらかれた仕事の仕方も考えなくてはとも思っています。これはずっと考え続けていることで、私自身まだ答えが見つけられていないのですが、、。

今年も良い出会いがありますように!

そして自分自身が抱えているいくつかの答えのない問いに、少しでも答えになるような、あるいはヒントになるようなものが掴めますように。
先日裏磐梯のホテリアアルトに、スタッフの研修も兼ねて、野地木材工業のYouTubeチャンネル「のじもく酒場」の収録に行ってきたことを書きました。
https://www.riotadesign.com/blog/221217.html

こちらの収録動画がアップされましたのでこちらでも共有させて頂きます。



https://youtu.be/H77QiKeN8iw

もうね、しみじみと素晴らしい回になったと思います。はじめて関係者が全員リアルに顔を合わせたのも良かったですし、何よりみんなとっても楽しそう。

益子先生のリラックスしたトークもとても良かったです。名言も数々飛び出しました。
建築関係者もそうでない方も、この年末年始に是非観て頂きたいと思います。

さてさて、今年のブログ更新もここまで。皆さま、どうか良いお年をお迎えください!

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sekimoto

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ふと思い立って本棚の整理をはじめた。

事務所の本棚はもはや仕舞いきれないほどの本で溢れかえり、本の上にも横向きになった本がどんどんたまる一方だ。本は自分で買ったものもあれば、出版社から(一方的に)送られてくるものもある。

なんでこの雑誌が送られてきたのだろう?と思ってパラパラめくっていると、取材協力した記事が出てきたり、私の顔写真の載った広告があったりする。昔は几帳面に掲載誌をスクラップしたりしていたけれど、今ではそのまま机の脇に横積みされてゆく一方だ。

自分とは関係ない本でも、SNSなどに良かったらコメントなど書いてもらえませんか?というレビュー依頼系も多い。はいはいわかりましたと心で呟き、やはり机の脇に積まれてゆく。

そんな本棚を改めて眺めていると、棚に納まったきり、おそらくはもう二度とその本を手に取ることもないだろうというものがほとんどであることに気づく。もう何年もその存在すら忘れていたものばかりだ。

年賀状を出すためにひらくアドレス帳もそうだ。何千人もの名前で埋め尽くされたデータも、ほとんどが人生のほんの一時期に自分の脇を通り過ぎていった方たちばかり。中には名前を見るだけで苦い思い出が蘇ってくる人もいる。

そんなデータなど消してしまえば良いのに、きっかけを掴めないまま、もはや消すにも消せない量になってしまった。その気になって選別すれば私の出すべき年賀状はきっと20枚くらいになるに違いない。

そんな本棚を眺め、ふと全部捨ててしまいたくなった。

スイッチの入ってしまった私は、あれもいらないこれもいらないと、どんどん床の上に放り出した。それを無心で紐でしばっていると頭の中でふいに「しがらみ」という言葉の無限リフレインがはじまった。しがらみ、しがらみ。あぁ自分は人生においてなんと無駄なしがらみに縛られていることだろう。

私はしがらみが大嫌いだ。予定調和を嫌い、自分が思うように自由に生きていきたいと思ってこの仕事を選んだ。一生フリーでいい。役職や肩書きなんてまっぴらゴメンだ。

それなのに気づいたら私は今やいろんな役職につき、無駄な肩書きがいっぱい出来てしまった。ずっとそういうものから距離を置いてきたというのに、なんてことだ。

私には過去はいらない。未来もいらない。今だけでいい。これまでの知識と経験はすべてこの心と体の中にあり、それは誰にも奪われることのないものだ。

そう思ったら、この事務所の備品もほとんど捨てていいんじゃないかと思えてきたけど、年明けにスタッフが困るのでそれは思いとどまった。

「しがらみ」と打ち込んで変換したら「柵」と出た。びっくりした。私にとって今年を象徴する漢字一文字が、今決まった。

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sekimoto

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年末も押し迫ってきました。弊社も本日が仕事納めです。

年始は1月5日(水)から始動予定ですが、それはスタッフの話。私自身はきっとずっと仕事している…ということはさすがにありませんが、基本的に昔から公私の境界が曖昧な生活を送っていますので、メールチェックは毎日していますし、大晦日であってももしかしたら即レスで返信が返ってくるかもしれません笑

とはいっても、一応心のエンジンは安息モードにしてゆきますので、あまり心臓に悪い内容は緊急時以外はお控え頂けますようお願いします。(冗談です)

さて今年は暮れにかけて怒濤の竣工ラッシュがありましたが、均してみると今年は6件の住宅が竣工しました。弊社としては平均的な竣工数かと思いますが、どれも規模こそ大きくはありませんでしたが、一癖も二癖もある住宅ばかりで気の休まる暇がありませんでした。ただ、そもそも癖のない家はほとんど設計していないので、これも含めてどうやら”いつもどおり”の一年であったとも言えそうです。

来年は少しペースダウン。順調に行けば4件ほどが竣工しそうですが、こちらはどれも規模が大きく(60~90坪)普通の住宅の2~3件ぶんくらいの住宅ばかり。どれもこのコロナに入ってからのお仕事でしたが、設計だけで1年くらいかかったものもあり、それらもようやく来年には順次着地してゆきそうです。


一方で最近では設計相談の数が減ってきているのが気になっています。
コロナ禍に入ってからは、巣ごもり需要から住み替えを検討される方が多く、今年~来年にかけて進んでいる住宅の多くはそうした流れを受けてのものです。

その後席巻したウッドショックや資材インフレ、土地の高騰などによって、もしかしたら家づくりを一時的に控えている方もいらっしゃるのかもしれませんね。そんな方も来年にはアクションの年に移行される方も多いのではないでしょうか。

先日いらした方に言われたのですが、うちの事務所は大きな家を得意としていて、庶民的な小さな家はやらない(やってくれない)と思っている方もいらっしゃるようです。こちらはまったくそんなことはありません!

我々にとって住まいとは日常の生活を受け止める器のようなものです。小さな敷地に建つ住まいでも、規模の大きなものでも分け隔てなく設計をお受けしています。年明け以降は設計スケジュールにも余裕がありますので、この年末年始に家族会議をされましたらどうか気兼ねなくご相談頂けたらと思います。

と、最後にそんな営業アピールをしたところで。笑

皆さま、今年も一年お世話になりました!年明け以降もどうか変わりなくお付き合いの程お願い致します。新しい年が皆さまにとって希望に溢れる年となりますように!!



22. 12 / 23

書籍打合せ

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sekimoto

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> メディア
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来年5月に出る(かもしれない)書籍の打合せ。

エクスナレッジの敏腕編集者の別府さん、先日出た住宅デザイン学校本で手腕を発揮したフリー編集者の加藤さんというベテラン編集者の方々と議論しながらまとめる作業が楽しくて楽しくて。

原稿はまもなく書き終わるのですが、それと並行して構成案が水面下で粛々と進んでいます。ブックデザインやイラストレーターも夢のような方々にお願いすることができて、どんな本になるのか本当に楽しみです!