13. 03 / 07

フィードバック

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sekimoto

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> 仕事
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今日は同じ志木市内に建ち,竣工して1年になる『川風の家』のお施主さん(Kさん)が久しぶりに事務所に立ち寄って下さった.

『川風の家』に1年住んでみていろんな感想があり,是非直接お伝えしたかったとのこと.おっしゃることを書きとめていったら,わずか1時間でこんなにもびっしりと….我々にとっても盲点だったことや,わかっていたけれどやむを得なかったこと,また我々はなんとも思っていなかったことが実は,という点もたくさんご指摘を頂いた.

これは本当にありがたいことで,我々も点検や不具合などで設計した家に訪れると,貴重なフィードバックが得られることが多い.設計時はそれがベストだと思っていたことも,意外なところで破綻していたり,住まい手に不便をかけてしまっているということは多いものだ.

一方で我々も限られた敷地やご予算の中でのやりくりだったり,我々も完璧ではなく,また作り手にもそれを強いることは酷であることもあり,なかなかパーフェクトというわけにはいかないのが建築だ.

けれど,そういったことを差し引いたとしても,とても快適であることには変わりがなくて,本当に我々に設計してもらって良かったと思っているとおっしゃって頂いた.だからこそ,我々のためにどうしても伝えたかったのだと.

今日はそんなお話が聞けて,とても貴重なフィードバックを頂くことができた.いつも建ててしまった人には申し訳ないと思うのだけれど,後に建てれば建てるほど設計のクオリティはどんどん上がってゆく.今後の糧とさせて頂きます.Kさん,今日は貴重な時間をありがとうございました!

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sekimoto

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> 思うこと
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アイコンを裏切らない、ということについて考える。それはその人に求められている立ち位置に忠実であること。平たく言えば、期待を裏切らないということだ。

例えば歌手が往年のヒット曲を歌う時、人が期待しているのはすり切れるほど聴いた音源への忠実さであり、けして妙な節回しや安易なアレンジではない、ということはよくあることだ。

一方でテレビの世界はアイコンを裏切らない。アイドルはアイドルとして、芸人は芸人として、どんなに"おバカ"と罵られようともそのキャラを外さない。そういう姿を見るにつけ、私は彼らをプロだなあと思う。

私も建築家として一時期思うことがあった。我々の仕事にひとつとして同じ仕事はないけれど、なんだか同じことを繰り返しているような気がする。もっと違うことをしてみたい。相手から自分に期待されているイメージを裏切ってみたくなる。

けれども、やっぱりそれは違うのだ。我々はプロとして人の期待は裏切ってはいけない。みんなが思う「関本さん」を外してはいけないのだと思う。それはマンネリとも違う。いわば継続していこうとする”意志”のようなものだろうか。

しかし人がぱっと見ただけではわからないような小さな変化と改善を、我々は日々積み重ねている。前回よりは今回の、今回よりは次回の住宅の方が(建ててしまったお施主さんには申し訳ないけれど)よくできているというのは事実だ。

この微差を積み重ねること。これが仕事である。アイコンを裏切らないこと、それは安易な変化よりも根気や勇気がいることだ。けれども息の長いプロの仕事には、必ずそれがあるような気がする。

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> メディア
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取材協力をさせて頂いた『建築知識』(エクスナレッジ)の最新号が届きました.
『日本の住宅を変えた50人+α』
感慨深いですね.私もついに日本の住宅を変えた建築家の一人として仲間入りです.

あれおかしいな,載ってない.「+α」のほうでもない?
大変失礼しました.掲載させて頂いたのは,もうひとつの特集「既製品使いこなし大百科」の方でした.

編集者さんに,リオタデザインの定番で日頃スペックしている”既製品”を教えて下さいと問われて,最初は「ん~うちは既製品は使わないからなぁ」などと答えていたのですが,よく考えたら出てくる出てくる.日頃ずいぶん設計でも既製品に助けられていることを実感したのでした.

ただその既製品の数々は,我々というよりもほとんどお施主さんや職人さんに教えて頂いたものばかり.つまり前述のように我々は「既製品なんて」と日頃は思っているのですが,お施主さんは街角やネット上で,日頃我々の何倍もの労力を使って「気になる一品」を探し続けているわけです.我々はその恩恵にあやかり,採用後は引き出しにしまい,以後”定番”として日々設計に活かさせて頂いている次第です.

一例を挙げると,
・埋込インターホンカバー→「オープンテラスの家」のお施主さん情報
・ポストBOBI→「HausKA」のお施主さん情報
・1200 kabe color→「RIVERHOUSE」の塗装屋さん情報
他にも記事にはなりませんでしたが,今では定番の室内物干しロープ「pid」や,神保のスイッチプレート「NKシリーズ」などもすべてお施主さんに教えて頂いたものです.お施主さんの情報網,おそるべし.

編集者さんのご厚意なのか,ツボに入ったのかは定かではありませんが,今号ではやたらと我々のスペックをフューチャーして頂いております.以下の写真で付箋を貼っているのは私が原稿を書いた頁です.

「建築知識」は建築実務者を中心に広く購読されている専門誌で,私も駆け出しの頃は,「現場監理入門」や「木造特集」などをなめるようにして知識を漁ったものです.我々のささやかな蓄積が同業実務者さん達の助けとなれば幸いです.

一方で,今頃私は「日本の既製品を使いこなした50人」として,全国にその名を轟かせている頃でしょう.いいんだか.

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> メディア
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昨日は「池上の家」にて,辰巳琢郎さんのリフォーム番組の収録がありました.OA予定は4月6日(土)BS朝日にて.

「池上の家」はまもなく築80年に届こうかという昭和初期の洋館.30分番組ですが,事前の取材からはじまって,当日も朝から晩までカメラは廻しっぱなし.その丁寧な制作ぶりに感心させられました.お施主さんはさぞやお疲れでしょう.

当日の辰巳さんは「はじめまして」とお施主さんにお会いするところからぶっつけ本番.つまり本当に「はじめまして」なんです.中に入るのもはじめて.事前に下見とかして,リハーサルをするのかなと思っていたのですが,こういう臨場感は演出では出せませんものね.辰巳さんのアドリブ力にも脱帽です.

ちなみに最後に私も出演していますが,緊張して挙動不審になっているかもしれません汗.OAはまだ先なので,今告知しておいたらほとんどの人は忘れてるでしょう.それが狙いです.

13. 02 / 19

石埋め

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> 仕事
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今日は「緩斜面の家」アプローチのコンクリート打設がありました.
それにあたってお施主さんからは,小石をばらまいたような仕上げにできませんか?というご要望と,また子供達が拾ってきた貝や,色のついたきれいな石などもあり,これもどこかに埋められないかと,これまたかなりの難題を頂いてしまいました.

頂いたイメージ写真は,たしかに小石をばらまいたような素朴な仕上げ.ただ,石の配置ひとつ取っても施工する人の即興的センスが要求され,事前に図面を描いてというわけにはいかなそうです.正直我々はこういうアドリブは大の苦手.かといって,職人さんに「テキトーにやってみて」というムチャ振りもできません.仕方ない,やっぱり我々がやるしかないか….

この日は朝からスタンバイ.今か今かと出番を待ち続け,ようやく午後になってから作業開始.少し固くなり始めたコンクリートに小石を押し込んでいきます.少し慣れて興が乗ってくると楽しくなってきて,和やかに作業は進んでいきました.

ところが筆を置くのが難しい.どの時点が完成なんだか.隙間があるとそこにも配置したくなるし,ランダムに配置したつもりでも,引いて見てみるとかなり規則的になっていたりと,やはり作業する人の性格が出るようです.どうでしょう.ともあれ,後日オープンハウスの際はとくとご覧あれ.