
アキミチデザインの柴秋路くんの自邸が竣工したとのことで、内覧にお邪魔してきた。柴くんはリオタデザインの元スタッフで、うちに入社したのは今から16年くらい前のことだ。もともとは私が設計したカフェmoiの常連さんで、カフェのオーナーから紹介された当時、彼はまだ専門学校の学生だった。
いわゆる建築学科を出ていない彼は、私の事務所に入るまでに、そして独立するまでにも紆余屈折があった。詳細は省くが人一倍苦労していることは確かだ。苦労は人を育て、そして設計に深みを与える。
独立初期こそリオタデザインの呪縛を抱えているように感じたものの、彼はそこからすぐに抜け出し、独自の世界を作るようになっていった。
彼の住宅にあるのは陰の存在だ。それは光と影という意味の陰ではなく、どこか心の奥底にある陰のようなもの。それが彼の設計には滲み出てくる。
この自邸においても、そんな彼の設計にかける情念のようなものが強く感じられた。それは人間の持つ執着や業のようなものとでもいおうか、割り切れない迷いが随所にあった。それがとても良かった。
私は裏表のないような人間を信用しない。そして論理だけでつくられた住まいにもまた魅力を感じない。それがいくら斬新であり、あるいは性能の裏付けがあったとしてもだ。住まいは人間が隠し持つ陰があらわれる場所であり、それを受け容れる場所であってほしいと思う。
たまたま居合わせた友人建築家が、彼は本当に私の事務所にいたのか?と尋ねた。たぶん、いたと思う。今の彼は私には作れない空間を作るようになった。それがただ嬉しい。
柴くん、おめでとう。
スタート地点に立ちましたね!
akimichi design
https://akimichi-design.com/





すでに先月末のことになりますが、JIA(日本建築家協会)の全国大会のため、二泊三日で大分の別府に行ってきました。別府滞在中のあれこれについては、ついぞここにまとめて書く余裕もないまま時が過ぎてしまいました、、。(一部はFacebookに投稿を上げました)
JIAの全国大会は、毎年様々な場所で開催されていて、昨年は常滑、その前は沖縄での開催でした。ちなみに来年は千葉!
建築家大会なんて何をするんだろうと思われると思いますが、開催時期に合わせて多くのセミナーやシンポジウムが現地で開催され、大きな会場で懇親会が行われたり、支部ごとに夜遅くまではしご酒したり?それはそれは盛り上がる年に一度の建築家のお祭りみたいなものなのです。
実は今回の別府建築家大会は、ちょうど開催が結婚記念日とまるかぶりしていて、参加をどうしようかと迷っていました。
記念日だからといって何か特別なことがあるわけではないのですが、それを知っていて出かけるというのもなんとなく後ろめたくもあり、「一緒に行く?」と誘うと「別府=温泉」の構図がよほど魅力的だったのか、人見知りで知らない人がいる場所に滅多についてこない妻が珍しく行く!との返事。
そんなプライベートの旅行も兼ねさせて頂いたため、大会中も一部は別行動をさせて頂き、おかげさまで我々にとっても特別な旅行となりました。(大会のメイン行事はちゃんと参加しましたよ!)
建築とは一切関係のない仕事の妻ですが、建築巡りに文句も言わず、食べものが美味しいといっては喜び、買い物をしては上機嫌で、悩みひとつ抱えない性格は私とは真逆でいつも羨ましいなあと感じます。情報通で、私が知らないことを実によく知っています。我が家のトレンドセッターは、私ではなく実は妻なのです。
息子も大学生となり、最近はまた二人での時間が増えてきました。親業もそろそろおしまい。これからはまた新しい時間が刻まれるのでしょうね。

昨日は秋晴れの中、成瀬猪熊事務所の集合住宅「風の道テラス」のオープンハウスへ。地勢を読み、南北に抜けるスリット(切り通し)を何本も通した複雑な構成。斜面に埋め込むように、地上に地下に何層にも重ねた住戸構成はまるで迷宮のよう。
各住戸のインフィル設計を複数の事務所で行うなど、ある意味「変数x変数」の構成は作るほうも束ねるほうも、想像を絶する大変さだと思いますが、それをまとめ切った手腕に拍手を送りたくなりました!(内部撮影不可のため外部写真のみ)

帰りは建物のすぐ斜向かいにある林芙美子記念館へ。設計は山口文象氏。前を通っただけで中を覗かずにはいられなくなるほどのオーラを放つ門構えに、我々も例外なく吸い込まれてしまいました。
山口文象氏の設計もさることながら、庭の作りや建物のプロポーション、空間構成など終始唸らされました。本当に素晴らしい邸宅で、本物の文化人の住まいだと感じました。現代は性能の時代、もう今の時代はこういう住宅は作れないのでしょうね、、。
紅葉もきれいで、オープンハウスとのセットで贅沢な時間を過ごさせて頂きました。



今日は増木工務店の高木さんの自邸オープンハウスへ。どこからどう見ても新築にしか見えませんが、実はリノベーション。築浅のハウスメーカー住宅だったご自宅を、一念発起して自然素材を使った高断熱、高耐震住宅に改修したそうです。
やっかいなのは木造三階建てであったこと。二階建てなら確認申請不要で改修ができますが(来年から法改正あり)、改修にあたっては大規模な模様替え扱いで、それはもう壮絶な申請を巡るやりとりがあったそう。(申請が下りるまで3ヶ月かかったそうです)
素材も自然素材をふんだんに使い、随所に勉強熱心な高木さんらしい設えがありましたが、最も素晴らしいと思ったのは、家が立つ地形を読み、風の流れを考慮して屋根の掛け方から換えてしまったという大胆さ。
家の建つ朝霞エリアはHMの画一的な住宅がびっしり建ち並ぶエリアです。そんな中、「人生何度でもやり直せる」とばかり、見違えるような佇まいに変えてしまった英断には拍手を送りたいと思います。完成おめでとうございます!!




※2024年7月末付でアップした記事ですが、NEWSからはずれてしまうので直近の日付で再アップしました。そのうち正式なサイトも作る予定ですが、しばしこちらの暫定ページにて失礼します。
去年から試行錯誤を続けて参りましたが、いよいよリオタデザインのオリジナルスツールが形になりました!いよいよ販売も開始致します。(2024年7月現在)
■muniのできるまでのストーリーについてはこちらより
>> muniのできるまで
■muniのインスタグラムアカウント(@munistool)はこちらより
https://www.instagram.com/munistool/
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スツールの名前は「muni(ムニ)」といいます。
唯一無二のmuniです。

家庭にあるとなにかと便利なスツール。場所を取らず、来客用の椅子として、またサイドテーブルや踏み台としても重宝しますよね。
そんなスツールも、我々の設計する住宅がそうであるように、すでにお店に並んでいる商品から選ぶだけでなく、自分でカスタマイズして自分好みのオリジナルスツールが作れたらもっと楽しい!そんな思いからオリジナルスツールをつくりました。

基本構成は上記の通りです。「座面」と「脚」と「布(張り地)」の組み合わせでスツールのデザインを自由にカスタマイズすることができます。
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1.座面:
「布張り」「ナラ」「スギ」の三種類が選べます。

↑布張り:
布は購入者よりご提供頂きます。サイズは約48cmx48cm以上あれば大丈夫です。布を選んで自分だけの椅子を作る楽しさを是非体験してください!
価格もお求めやすく、圧倒的に軽い!というのも売りの一つです。(総重量で約2.3kg(ウォルナット脚の場合)なので、STOOL60(2.8kg)よりも500gも軽いです!)
※この商品は「nocogou」の生地をリオタデザインで張り込んだ、生地との組み合わせ例です

↑ナラ:
座面に薄くスライスした無垢のナラ材を使用しています。落ち着いた色味で傷がつきにくいのが特徴です。小口はシナとアピトン材による積層合板を使用し、美しいマーブル模様があらわしとなります。座面には天然のオイル塗装を施しています。

↑スギ:
座面に薄くスライスした無垢の国産スギ材を使用しています。軽くて肌触りも柔らかいのが特徴ですが、傷も付きやすいので優しく扱って下さい。小口はシナとアピトン材による積層合板を使用し、美しいマーブル模様があらわしとなります。座面には天然のオイル塗装を施しています。
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2.脚:
明るい色味の「ナラ」と、濃い色味の「ウォルナット」の2種類が選べます。表面には天然のオイル塗装を施しています。

左側が「ナラ(座面はスギ)」、右側が「ウォルナット(座面はナラ)」です。
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3.布:
「布張り」座面を選んだ方のみ、ご購入者よりご提供頂く布を当方が座面に張り込んでご提供します。

サイズは約48cmx48cm以上あれば大丈夫です。
風呂敷や大きめのハンカチ、着物の一部、お試しサイズのテキスタイルなどお好みの布をご提供ください。厚手の生地の方が張りやすく耐久性もありお勧めですが、薄手のものでも張ることは可能です。破れたり汚れたら、また張り替える楽しみもあると思います。生地によっては難しいものもありますので、また個別にやりとりをさせていただきます。
【サイズ】
座面φ350 W=427,SH=440
【価格】こちらをご覧下さい。
>>[注文フォーム]
【納期】
NARAとSUGIのタイプは受注生産のため、ご注文後約1~2ヶ月のお時間を頂きます。
NUNOのタイプは在庫があれば即納が可能です。在庫状況はお問い合わせください。
【注文方法】
以下のGoogleフォームよりご注文ください!
https://forms.gle/gwgJfH8Vu8WdY3D47
本フォームをご送信頂いたのちに、あらためて当方よりメールにてご注文確認のご連絡を差し上げます。納期や送料、仕様の確認などのやりとりをした後にお見積書をお送りさせて頂き、こちらをご確認頂いたのちに注文確定とさせて頂きます。 ※ご注文後、2日以内に連絡がない場合はご一報ください
ご請求は商品に同封してお送り致しますので、商品が届きましたら1週間以内に銀行振り込みにてお支払いください。
【問合せ・注文先】
リオタデザイン(担当:関本)
info@riotadesign.com
生地の送付先:
〒353-0004 埼玉県志木市本町6-21-40
株式会社リオタデザイン 宛
■デザイン リオタデザイン
■製作 藤沢木工所
【ギャラリー】muniの座面と脚の組み合わせ例
※こちらに載せている写真はあくまで組み合わせ例となります。使用している生地は販売するスツール本体には含まれておりません。また各ブランドとコラボした商品でもありませんので、どうか誤解のないようお願いします。

↑NUNO(座面:布張り+テキスタイル:「かくれんぼ」nocogou|脚:ナラ) ¥33,000(税別・生地別途)

↑NUNO(座面:布張り+テキスタイル:「タンバリン #if1066」ミナ・ペルホネン|脚:ウォルナット) ¥33,000(税別・生地別途)

↑NARA(座面:ナラ|脚:ウォルナット) ¥48,000(税別)

↑SUGI(座面:スギ|脚:ナラ) ¥45,000(税別)

↑muniのフルラインナップです

↑こんな感じのパッケージでお届けします!
<おまけ>
■布選びのヒント
せっかく世界に一つだけの自分の椅子を作るのですから、普段はあまり選ばないような大胆な柄のテキスタイルを選ぶのも楽しいと思います。北欧のテキスタイルにはそんな生活を彩るデザインが溢れています。
たった一脚ぶんの布を選ぶのでしたら、たとえば以下のサイトなどには「ハーフカット」というのがあって、一枚約2,000円程度で北欧の名作テキスタイルを購入することが出来ます。
・CORTINA(コルティーナ)
https://www.cortina.ne.jp/c/fabric/fabrichalf
また風呂敷のようなものも素敵なデザインがたくさんあって、スツールに張るにはサイズもぴったりだったりします。
・むす美
https://www.musubi-online.com/
はたまた、北欧テキスタイル以外にも国内にも美しいテキスタイルをつくっている作家さんがたくさんいらっしゃいます。
nocogou
https://shop.nocogou.com/
いま大人気の、ミナ・ペルホネンのテキスタイルは、南青山にあるcallというお店に行くと、好みのパターンのものを量り売りで購入することが可能です。人気の布なので納期がかかることが多いですが、好きな方はお店に足を運ばれると良いと思います。
call
https://www.mp-call.jp/
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