20. 09 / 15

法廷遊戯

author
sekimoto

category
> 建築・デザイン
Warning: Undefined array key 1 in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/blog/cat_sekimoto.html on line 48



先日電車に乗っていたらとある小説の広告があり、その表紙を見て「あ、これ小口さんの装丁だ」とすぐに気付き、思わず買ってしまいました。

ブックデザイナーの小口翔平さんは、うちのクライアントさんでもあって、小口さんのグラフィック事務所tobufuneはそのままのタイトルで、サイトの「これまでの仕事」にも載せていますので、ご興味ある方はご覧下さい。ちなみに小口さんのご自宅も我々が設計させて頂きました。

それはさておき、この「法廷遊戯」という小説が売れているようです。著者は五十嵐律人さん。前述の通りジャケ買いしましたので、まだ中身は読んでいません。すみません、これから読みます!

で、この装丁を見てなぜすぐ小口さんのデザインだとわかったかというと、以前こちらのサイトで小口さんが珍しくそのデザインプロセスを解説していたからです。

装丁のあとがき
https://tree-novel.com/works/episode/.html

小口さんは、装丁を依頼者である編集者さんに見せる際も、一切の説明をしないそうです。理由は、書店で本を手に取る読者には説明は出来ないからとのこと。説明が重要な意味を持つ建築とはずいぶん違うんだなと思った記憶があります。

そんな小口さんが解説するデザインプロセスは、とっても面白かったです。この、普通の人が見たらどれも同じに見えるような微差にこだわり続けるのがデザイナーですし、こだわるというより、本人にとっては違和感でしかないものを、どこまで排除できるかという作業そのものなのだと思います。

そうかそういうことがあって、結局これになったんだなと思うと、本屋にずらっと並ぶ本にも別の側面が見えて面白いですね。

手がける本は常に大手書店の売り上げ上位を独占するという神懸かった小口さんですが、そんな装丁を眺めて私もその微差の持つ奥行きに思いを馳せたいと思います。

設計でテレビアンテナの話になると、BSは観ないので地上波だけで良いという方が多い。私もほとんどBSは観ない。けれどこのドラマが観れるだけでもBSアンテナがあって良かったと思う。

お世話になっているエクスナレッジの編集者さんから本が送られてきた。このドラマの原作となった甲斐みのりさんの著書だ。ドラマは観ていたのでタイムリーだった。

エクスナレッジが原作を提供するドラマ。そう書くとシュールだけど、正直内容はこのドラマとは直接関係はない。登場人物は3人くらいしかいないけど、単なる建築案内じゃなくてストーリーもちゃんとある。

田口トモトヲが良い。こういう人畜無害な建築オタク、この業界には多い気がする。そしていつも困り顔の池田エライザ。こう言っては失礼だけど、深夜枠のBSテレ東(制作はテレビ大阪)にしては相当クオリティが高い。そして来週は国際文化会館。

「名建築で昼食を」BSテレ東
https://www.tv-osaka.co.jp/meikenchiku/

☆先週の放送&BSが観れないという方はこちら(TVer)
https://tver.jp/corner/f0057226

20. 09 / 05

眺望の家

author
sekimoto

category
> 仕事
Warning: Undefined array key 1 in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/blog/cat_sekimoto.html on line 48



横浜市「檀の家」に窓が入りました。高台の上に建つ家ですが、この眺望をどう捕まえるかが設計のテーマでした。

遠くの高速道路にトラックが横切ってゆくのが見えます。これからどこに行くのかなぁと妄想していると、あっという間に時間が過ぎてゆきます。

20. 09 / 04

努力ってなに?

author
sekimoto

category
> 仕事
> 思うこと


「努力」という言葉が好きじゃない。少なくとも私は、この仕事において努力をしたことがない。企業努力という言葉があるがピンとこない。仕事は努力するものではないと思うからだ。

アスリートなどが、オリンピックなどに出場するために毎日死に物狂いで練習をしている。端から見たら、それを努力と呼ばずしてなんと呼ぼうか。けれども、当の本人たちはどう思っているのだろう?

ゲームが好きな人が、家で一日中ゲームをしている。釣りやゴルフが好きな人が、毎週末眠い目をこすって早朝から出かける。端から見てそれを努力と呼ぶ人はいない。ただの道楽でしょ?と思うからだ。

では家事や育児はどうだろう。毎日掃除や洗濯をしている。子供を幼稚園まで送り迎えをしている。または親の介護をしている。大変だとは思うし、嫌々やっている人もいるだろうが、表向きにそれを努力と表現したら、違和感を感じる人はいるだろう。

私は学生の頃から、建築の設計課題だけはしっかり取り組んできた。でもそれは努力ではなかった。ただ好きなことをやってるだけだったし、徹夜も苦にはならなかった。むしろ楽しかった記憶しかない。

ゲーム好きがゲームをするように、盆栽好きが盆栽に手を入れるように。時間をかければかけるほど、手を入れれば入れるほど、考えれば考えるほど、建築はどんどん良くなる。それが何より楽しい。逆に「程々のところでやめなさい」と言われたとしたら、そっちの方がよほどストレスだと思う。だってもっと良くなるのに!その可能性をここで捨てるなんて、そんなことはできない。

先のアスリートだって、練習を重ねることでどんどんタイムが伸びる、ランクが上がってゆくのは何より楽しい経験のはずだ。しかし挫折があったり、自分のモチベーションを上回る期待がのしかかり始めると、物事は次第に苦痛に変わることもある。自分は何のためにやっているのだろうと思い始めたら、そこからは離れる潮時なのかもしれない。

仕事を努力だと思うようになったらやめた方がいい。そこには苦痛しかないからだ。そうではなく、自分が成長したり、人からの感謝や喜びを受け取れる手段として打ち込むことが出来るならば、その仕事はその人にとっての天職になると思う。

よく「楽しいだけで仕事を決めてはいけない」とか「好きなことを仕事にすべきではない」と助言する大人がいるが、間違っていると思う。楽しいことや、好きなことを仕事にしないから長続きしないのだ。

仕事は会社のためにするものではない。自分の生き方そのものだ。私にとって仕事は「日々呼吸をすること」と同じ意味を持つ。少なくとも努力する対象ではない。好きな仕事ができる人生は、私は幸せだと思う。

昨晩は今年6月頃から企画を温めてきました、私の所属する北欧建築・デザイン協会主催のSADIオンラインセミナーにて、設計事務所imaの小林恭+マナさんにご登壇頂き、『世界一幸せな国フィンランドと私たちのおつきあい』というタイトルでお話を頂きました。

小林恭+マナさんは、一言では括れないくらい多岐に亘る設計活動を展開されていますが、代表的なお仕事のひとつは、なんといってもフィンランドのファッションブランドMarimekkoの国内外の旗艦店の設計ではないでしょうか。

小林さん方のお話で感じたのは、極めてアンテナ感度の高い仕事であるということ。これは単に会話力というより、高い直感力で相手の求めるツボのようなものを瞬時に探り当ててしまう能力というのでしょうか。これはテレパシーに近いものですが、優れた建築家が共通して持っている能力のような気がします。

そんな小林さん方だからこそ、海外のクライアントとも言葉を越えた共感関係を構築できるのでしょうね。空間も本当に美しく、私もモニタに顔をくっつけるようにして拝聴していました。個人的に聞きたいことはもっとたくさんありましたが、昨日は進行役に徹しました。

昨日は嬉しいハプニングもいろいろありました。

フィンランド在住の海外会員、遠藤悦郎さんはima設計のヘルシンキのラプアンカンクリ店舗からZOOMでリアル実況中継!同じく海外会員のこばやしあやなさんは、ユヴァスキュラのアールトの初期作、労働者会館から参加してくれました。デンマークの小野寺綾子さんはウッツォン設計のキンゴーテラスハウスから。こういうことが出来るのも、北欧に広く会員を持つわが北欧建築・デザイン協会(SADI)の底力といえます。

このコロナ禍で、私が委員長を務めるSADI企画委員会で企画していた講演のほとんどが吹っ飛んでしまいました。理事会も開けず、ついでに家からも出られなかった5~6月、悶々とこのままで良いのか、何か出来ることはないのかと考えて至った企画がこれでした。

参加者は76名。事前申込みを下さった会員の参加率は90%でした。会員は無料にしたにもかかわらず、当日キャンセルが極端に少なかったのも驚きでした。

今どきオンラインセミナーなんて珍しくないし、何を大げさなと思うかもしれませんが、高齢の理事も多い当協会では、こうしたオンライン化やIT化への慎重論もあり、そうした空気感のなか、前例のないことを押しきるようにして先頭に立って進めるというのは、歴史ある協会の重い看板がのしかかるようで本当にプレッシャーでした。

一方で主な推進役を担ってくれたのは、企画委員会を構成する女性メンバー達でした。私以外全員女性という、紅一点ならぬ黒一点のチームでしたが、前例にとらわれない自由な発想で、柔軟に企画をパス回ししてゴールまで行けたのは、本当に楽しく刺激的な経験でした。皆さん、お疲れさまでした!

次回は未定ですが、好評のようでしたらまた企画したいと思います。ご参加下さった皆様ありがとうございました。そして小林恭さん、マナさん、素晴らしいセミナーをありがとうございました!