昨晩は今年6月頃から企画を温めてきました、私の所属する北欧建築・デザイン協会主催のSADIオンラインセミナーにて、設計事務所imaの小林恭+マナさんにご登壇頂き、『世界一幸せな国フィンランドと私たちのおつきあい』というタイトルでお話を頂きました。
小林恭+マナさんは、一言では括れないくらい多岐に亘る設計活動を展開されていますが、代表的なお仕事のひとつは、なんといってもフィンランドのファッションブランドMarimekkoの国内外の旗艦店の設計ではないでしょうか。
小林さん方のお話で感じたのは、極めてアンテナ感度の高い仕事であるということ。これは単に会話力というより、高い直感力で相手の求めるツボのようなものを瞬時に探り当ててしまう能力というのでしょうか。これはテレパシーに近いものですが、優れた建築家が共通して持っている能力のような気がします。
そんな小林さん方だからこそ、海外のクライアントとも言葉を越えた共感関係を構築できるのでしょうね。空間も本当に美しく、私もモニタに顔をくっつけるようにして拝聴していました。個人的に聞きたいことはもっとたくさんありましたが、昨日は進行役に徹しました。
昨日は嬉しいハプニングもいろいろありました。
フィンランド在住の海外会員、遠藤悦郎さんはima設計のヘルシンキのラプアンカンクリ店舗からZOOMでリアル実況中継!同じく海外会員のこばやしあやなさんは、ユヴァスキュラのアールトの初期作、労働者会館から参加してくれました。デンマークの小野寺綾子さんはウッツォン設計のキンゴーテラスハウスから。こういうことが出来るのも、北欧に広く会員を持つわが北欧建築・デザイン協会(SADI)の底力といえます。
このコロナ禍で、私が委員長を務めるSADI企画委員会で企画していた講演のほとんどが吹っ飛んでしまいました。理事会も開けず、ついでに家からも出られなかった5~6月、悶々とこのままで良いのか、何か出来ることはないのかと考えて至った企画がこれでした。
参加者は76名。事前申込みを下さった会員の参加率は90%でした。会員は無料にしたにもかかわらず、当日キャンセルが極端に少なかったのも驚きでした。
今どきオンラインセミナーなんて珍しくないし、何を大げさなと思うかもしれませんが、高齢の理事も多い当協会では、こうしたオンライン化やIT化への慎重論もあり、そうした空気感のなか、前例のないことを押しきるようにして先頭に立って進めるというのは、歴史ある協会の重い看板がのしかかるようで本当にプレッシャーでした。
一方で主な推進役を担ってくれたのは、企画委員会を構成する女性メンバー達でした。私以外全員女性という、紅一点ならぬ黒一点のチームでしたが、前例にとらわれない自由な発想で、柔軟に企画をパス回ししてゴールまで行けたのは、本当に楽しく刺激的な経験でした。皆さん、お疲れさまでした!
次回は未定ですが、好評のようでしたらまた企画したいと思います。ご参加下さった皆様ありがとうございました。そして小林恭さん、マナさん、素晴らしいセミナーをありがとうございました!
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