新建ハウジングさんからのむちゃ振り企画?で、映画『アアルト』監督のヴィルピ・スータリさんにZOOMインタビューをさせて頂いたのですが、そのYouTube動画が公開されました。

■映画「アアルト」ヴィルピ・スータリ監督インタビュー
https://youtu.be/2pikWVQBFko?si=zHgjuXnolpRo1GE5

私自身、映画を3回ほど観てそこで感じたことや疑問などもあり、そんなことを直接監督に聞ける機会とあって、かなり緊張しましたが対話を楽しませていただきました。

本編ではアルヴァとアイノの往復書簡の公開などに衝撃を受けましたが、あれはどのように入手したのか、家族の許可を取るのにどのくらい時間がかかったのか、アアルトのもつ性格の二面性、映画をアイノの視点で語られている(ように感じた)ことに対する監督の編集意図、などなど。

通訳を挟んでの対話だったこともあって、スムーズなキャッチボールというわけにもいきませんでしたが、お聞きしたいことは聞けたかなと思います。

ヴィルピさん、お忙しいところフィンランドからつながって頂きありがとうございました!映画をすでにご覧になった方は、内容の答え合わせとしてご覧頂いても楽しいと思います。

映画『アアルト』の公開に合わせたわけではありませんが、昨年8月に開催された新建ハウジングさん主催のセミナー「北欧アルヴァ・アールトに学ぶこと」のYouTube動画が昨晩一般公開となりました。最後は建築家・飯塚豊さんとのアアルト・クロストークも納められています。(本編は6分ごろから)

■ 北欧アルヴァ・アールトに学ぶこと|講師:関本竜太
https://youtu.be/K0TrlQZZhDc

正直自分が何を話したか覚えていなかったのですが、昨晩見直したらまあ活き活きと語ること!自作を語るより雄弁でマニアック。昨晩は少し呆れながら見返しましたが、ちょっと面白かったです笑

映画のパンフレットに寄稿した内容は、こちらを凝縮したものになります。アールトってこんな人!?というのが伝わったら嬉しいです。ご興味あれば、こちらで予習してから映画館にお出かけください。


映画「アアルト」いよいよ今週金曜日(13日)から全国ロードショーです!

いつまでかっていうと、、実は最初の動員数でその後の上映期間が決まるんだそうです。だから、なんだもう終わりか~もっと長く上映すれば良いのに、なんて言ってる人は自分で自分の首を絞めているわけです。

是非見たい!という方は13日とは言いませんが、今週末に是非劇場に足をお運び下さい。ロングラン上映にどうかご協力を。

私は試写ですでに2回観ていますが、3回目はやっぱり劇場でと思います。建築系の映画って、マニア向けの淡々としたドキュメントが多いのですがこの映画は違います。とても詩的でストーリーがあるんですよね。一般の人でも十分に楽しめます。

そして抜群の編集!ヴィルピ・スータリ監督の力量も存分に発揮され、フィンランドのアカデミー賞であるユッシ賞で編集賞や音楽賞も受賞しているんです。

字幕監修は宇井久仁子さん。SADIで共に活動するメンバーです。私もパンフレットに寄稿させていただきました。

動くアアルト、しゃべるアアルトも必見!CIAMでコルビュジェと交流するアアルト、これはモホリナジの秘蔵映像です。個人的にはパイミオサナトリウムが大迫力のドローン映像で展開されるシーンが最高にシビれました!是非劇場で。

映画『アアルト』
https://aaltofilm.com/

23. 09 / 21

椅子張り講座

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sekimoto

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> 仕事



今日はスタッフを連れて、秦野市にある北欧家具taloまで。たびたび書いていますが、オーナーの山口太郎くんとは幼なじみの間柄でもあります。

北欧家具talo | https://www.talo.tv/

訪問の目的は、今進めている案件についての意見交換と、椅子座面の張り替え講座!なんで椅子の座面の張り替えを学ぶ必要があるのかというのはまた追々ご説明しますが、この日はスタッフ揃ってプチ遠足気分で秦野までやってきました。


まずは太郎先生のレクチャーから!

当たり前ですけど、さすがプロ。北欧家具taloの座面張り替えはほぼ1人でやっているというだけあって、ツールの使い方や選び方、シワの入らない生地の張り方まで実に細かくレクチャーしてもらいました。

事前にYouTubeでもやり方を調べていたのですが、やっぱり色々と違いがありました。百聞は一見にしかず。やっぱり実演に勝る学びはないですね。




私もスタッフも早速の実践です。流れるような太郎くんの手順を見ていたのに、自分でやるとなかなかうまく行きません。隣からも厳しい太郎くんからの叱責が飛びます!

最後はようやくぐるっとステープルを打ち終えて、失敗はあったものの、なんとか張り地を張り終えることが出来ました。もう少し練習が必要ですが、スタッフも張り字交換のコツや勘所をだいぶ学べたようです。

リオタデザインは家具屋でもやるのかって?まぁまぁ、それもそのうち話します。


太郎くんは先週までフィンランド。そしてまた2週間後にはふたたびフィンランドと、日本にいる暇がありません。そんな中ピンポイントに押しかけたというのに、この手厚さ!ほぼ神です。

taloには太郎くんに会いに定期的に押しかけて、お互いの近況報告をするのが私にとっても何よりの楽しみになっています。お互いほぼ同年代ということもあって、これからの仕事のしかたや展望、お互いの夢なども語り合って、この日もとっても実のある時間となりました。

太郎くん、本当にありがとう!!来るべき協働の機会も楽しみにしています。

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sekimoto

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> 北欧


私は「関本さん」と呼ばれるのがあまり好きではない。
もちろん私は「関本さん」なので、そう呼ばれることは間違いではないのだけれど、私は「関本さん」よりも「リオタさん」と言われた方が嬉しい。関本は私のファミリーネームだけれど、リオタ(フィンランド時代のニックネーム。Ryota⇒Riota)は私だけの名前だからだ。

リオタデザインという事務所名にした時はそこまで考えていなかったけれど、独立後、結果的に私は「リオタさん」と呼ばれることが多くなった。呼んでいる方の多くは私のことというより、リオタデザインを短縮してそう呼んでいたりするのだけれど、そう呼ばれると私は少し嬉しくなる。

フィンランドでは、私はずっと「リオタ」だった。あの国で苗字で呼ばれることなどほとんどない。目上の人だろうと、大学の先生だろうと、呼び合うのはファーストネームだ。そのフラットさが好きだった。出自や肩書を離れて、相手のパーソナリティと直接繋がれるような気がするからだ。

そんなことをずっと考えていたのだけれど、この夏スタッフが入れ替わったことを機に、所内でもファーストネーム制を導入することにした。私のことを「関本さん」と呼ぶことを禁止した。スタッフも苗字じゃなくて下の名前で呼ぶことにした。

ある日突然そう宣言したので、最初はスタッフも戸惑いぎこちない空気も流れたけれど、1週間もするとすっかり馴染んだ。

相手を下の名前で呼ぶと、急に親近感が湧くから不思議だ。スタッフも「部下」というより「仲間」という感じになる。そして「リオタさん」と呼んでもらうと、やはり「上司」感がなくなってフラットになるように感じる。スタッフもお互いを下の名前で呼び合うようになった。

これはやってみると劇的ともいえる効果があって、所内の風通しや雰囲気は格段に良くなったように感じる。私も立場上彼らに厳しいことを言うこともあるけれど、下の名前で呼べばフォローもしやすくなる。

この夏休みは、オープンデスクの学生もみんな私のことを「リオタさん」と呼んだ。私も相手の名前は下の名前で。これは最高!お互いすぐに打ち解けるし、緊張していた学生も一気にほぐれてくれる。

私が理事を務めるSADI(北欧建築・デザイン協会)では、理事にも大学の名誉教授のような重鎮の方がたくさんいらっしゃるのだけれど、相手に「先生」をつけるのはやめようと”先生”自らが言い出し、すべての理事が「さん」付けになった。こんな組織って素晴らしい。世の中、地位や肩書にしがみついている人たちばかりだからだ。

結婚すれば苗字も変わるけれど、人としての本質は変わらない。だから職場でも下の名前を標準にすればいいのにと思う。いちいち言い訳しながら旧姓を名乗る必要もないわけだし。苗字も肩書も世間体も外して、もっと人と人とがフラットに、そしてフレンドリーにつながる世の中になれば良いのにと思う。