17. 04 / 14

編集者

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sekimoto

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住宅設計者と編集者は似ている。私は作品を生み出しているのではなく、生活者にインタビューをし、それを編集しているに過ぎない。だから住宅のヒアリングは取材みたいなものだといつも思う。

編集者が取材対象がないと誌面が作れないように、私もクライアントがいないと線が一本も引けない。わき上がるアイデアなどない。私は作家ではないのだとつくづく思う。

同様に自作を語るのは苦しい。人の作品を語るときは饒舌だ。いくらでも語れるし、掘り下げられる。同じ壇上に居ても、私の天職は司会者のほう。インタビューも、される方じゃなくてする方が合っている。

次号の建築知識ビルダーズでは、益子先生の設計によるホテリアアルトを掘り下げる。私が案内役となる。今から言葉が溢れて止まらない。さすが編集長の木藤さん、私の使い方をよく分かっておられるようだ。

17. 03 / 31

MBT-12

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sekimoto

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> 仕事
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独立以来、定番の引手だったスガツネのMBT-12がとうとう廃番になってしまった。今月追い込みだった現場で言われてはじめて知り、ショックを受けた。

引手というのは設計者にとって”署名”のようなもので、何を選ぶかというのはとても大きな問題。おそらく多くの設計者は一度気にいって選んだ引手は、余程のことがない限り変えずに使い続けるのだろうと思う。

似たようなもので選べばと現場は言うけれど、微差にこだわる我々には似たようなものなど存在しない。その案件は今さら変更できず、ネットショップの在庫をあたりまくって、なんとか所定の7コを確保した。

そして昨日Amazonに1つあったのを発見して再び購入。こちらは過去案件で交換が必要になったときのための永久保存版となる予定。

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sekimoto

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今日は構造家の山田憲明さんの事務所で構造打合せでした。山田事務所を一度見てみたいというスタッフを連れて。

山田さんとは、山田さんが前職の増田事務所から独立される前からのお付き合いで、独立後もずっと関係が続いています。リオタデザインの仕事も、2013年の「緩斜面の家」あたりから空間の質が大きく変わってきたという自覚があるのですが、これはひとえに山田さんとの協働によるところが大きいと思っています。

実は先週までうちの事務所に来ていたオープンデスクの許絢華さんが、今週からは山田事務所に来ています。先週までこっち側だったのに、今週はあっち側で我々と対立という構図。寝返ったな!

というのはウソで、折角なので意匠と構造両方の事務所の仕事を見てみると良いよということで、私が山田さんを紹介してあげたのでした。

それにしても山田さんは私よりも後から独立されたのに、あれよあれよという間に活躍の場を広げ、事務所もどんどん大きくなっておられます。何がでかいって会議室がでかい。うちの事務所よりでかい。というか、ここで働きたい!

きっと来年の今頃は買収されて、我々は山田事務所の会議室で働いていることでしょう。なんでもやります!よろしくお願いします。

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sekimoto

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クライアントでもある、グラフィックデザイナーで装丁家の小口翔平さんの主宰するデザイン事務所tobufuneさんの、初の個展があるということで昨日初日にお邪魔してきました。

第1回 tobufune 展「船と装丁」
2017年3月7日~19日 @神保町 gallery福果
http://tobufune.blogspot.jp/2017/01/blog-post_28.html

仕事柄いろんな職業の方にお会いします。その中で、建築をやっていなかったらこの仕事をやりたい!とたまに思える職業があり、編集者さん、写真家さんなどいろいろあるのですが、グラフィックデザイナーはそのひとつでもあります。

こんなことを言うと、その職業の方にはそんな甘いもんじゃないよと諫められそうですが、もちろんそんなことは百も承知の上で、みなさんが「建築って楽しそうなお仕事ですね」とおっしゃるのと同じようなノリで言わせてもらえれば、グラフィックは楽しそう!とついつい思ってしまいます。


この個展の主旨がとってもユニークなのですが、普段tobufuneさんはビジネス書の装丁をおもにデザインされているそうで、小説の装丁というのはほとんどやらないのだそうです。

そこで、自分たちで”勝手に”小説の装丁をデザインしてみようということで、tobufuneにちなんで”船”が登場する小説を何冊か選び、それを題材としてスタッフ全員がそれぞれ装丁を作られたそうです。


まぁここまでなら、美大の課題制作などにもあるかもしれませんが、ここからが違います。それぞれのテーマを割り振られたスタッフの皆さんは、プロのイラストレーターさんに表紙画を発注。

それを素材としてデザインを起こし、さらにそれを印刷所で高度な印刷技術を駆使して制作されています。この時点で、かなり完成されたプロの業を見ることができます。

またそのどれもが、一般の人があまり見たことのないような技法で作られており、現代の印刷技術はここまで進んでいるのかという驚きと、本当にこんな装丁があったら楽しいだろうなとわくわくする思いで手に取らせてもらいました。


ここに載せているのは小口さん自らの装丁によるものですが、この「老人と海」などはこれを数部刷るだけで途方もない費用がかかっているそうです。文字は金箔。この崩し文字もたまらないですね。

ほかにも、スタッフさん渾身の装丁が勢揃いしています。「ウレタン発砲印刷」や「UVインクジェットを使って絵の具で描いたような文字」など、素人には想像もつかない技術で作られているものも多数あります。

これらはもちろん量産には向かないでしょうが、だからこそこうした個展の題材とするに相応しいテーマであるように思います。なにより発注主のいない仕事をするという気概と自由さにやられました。


小さなギャラリーで開催中ですが、グラフィックに興味のある方、本の好きな方は必見です(あ、だから神保町で開催なのか)。行かれた方は是非在廊のスタッフさんに話しかけてみて下さい。きっと面白い話を聞かせてもらえますよ。

そんな小口さんの家を我々が設計しているということは、小口さんご家族の立体装丁を作っているということになるのかもしれませんね。そんな小口さんの家はどんな住宅なのか、また想像されてみて下さい。

17. 03 / 02

山口くん退所

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sekimoto

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スタッフの山口純くんが本日を最後に事務所を退所することになりました。彼の入所は2013年のFPの計画がはじまる少し前でしたので、約3年半の勤務でした。

山口は私と同じくフィンランドのアールト大学に留学経験があり、留学から帰国するとすぐに事務所に面接にやって来ました。

彼は実家が愛媛のため、面接に来た山口を一旦帰してしまうとまた上京してこなくてはならず、そのため面接ではその場で採用を即決し、その足でアパートを契約させて帰したということもありました。


無口な性格もあり、最初は彼も苦労したようでしたが、仕事の進め方を心得てからはメキメキ頭角を表して、うちのエースとして多くの住宅を担当してくれました。

彼の持ち味は、図面の正確さと、なんといっても仕事の早さ!

短気な私も彼に関しては「もう終わったの!?」ということで、私の中のスタッフレベルのスタンダードが山口によって作られてしまったことは、他のスタッフにとっては不幸なことかもしれません。

退所後は彼は地元の愛媛に戻り、別の環境での修業を考えているようです。リオタデザインで修業を積むと、大谷翔平のストレートが止まって見える、蝿が箸でつかめるようになる、とのもっぱらの噂ですので、このキレッキレの設計スキルを手に、地元でも変わらぬ活躍を期待したいところです。

山口くん、長い間お疲れさまでした!

と言いたいところですが、実は明日より山口を含めスタッフ全員と社員旅行に出かけて参ります。山口くんにとっては卒業旅行といったところでしょうか。こちらの顛末もまた後日書きたいと思いますのでお楽しみに。