建築家の谷尻誠さんが東京事務所を移し、同時に設けた「社食堂」と称した食堂が話題になっている。いわゆる”社員”向けの食堂を”社会”にも開放するというこの試み、一般の人でも食事が出来るそうだ。

[社食堂] https://www.facebook.com/shashokudo/

ところが、写真を見て「ん?」と思った。
ここってもしかして、と思ったら、5年前にリオタデザインが10周年記念イベントを行わせて頂いたケースギャラリーがあった場所だった。ケースギャラリーも最近場所が移ったのは知っていたけれども、その場所に谷尻さんの事務所が入ったとは知らなかった。

それにしても懐かしい。
そう思って、当時の写真を開いてみた。(2012年10月6日当時)




わずか5年前の出来事とは思えないくらい、当時と今とでは私を取り巻く環境がずいぶん変わってしまった。ここに写るスタッフ達も皆退職し、現在は独立している。当時進行中だった計画は竣工し、いくつかはその後リオタデザインの代表作にもなった。

イベントは2部構成で、1部で私がリオタデザイン10年の歩みをお話しし、その後レセプションを行った。当時のスタッフとアイデアを出し合い、経費を節減しながら手作りで作り上げた会だった。会場を提供して頂いたケースギャラリーの湯川さんにも大変お世話になった。記録写真もいつも竣工写真を撮って頂く後関さんに撮って頂いた。





あらためて写真を見ると、ずいぶんと多くの方に来て頂いていたのだと驚く。その時は必死で、会が終わった後も写真をちゃんと見返すことをしなかった。

今もなお続く人間関係もあれば、ちょっと懐かしい顔もちらほら。それでも、こんな方にも来て頂いていたのだと驚くような顔もあって、今さらながらに冷や汗が出る。

熱が入りすぎて3時間くらいしゃべってしまったこと、思いのほか人がいらして料理が全然足りなかったこと、ご挨拶できなかった方がたくさんいらしたこと。どれも思い出すと「やっちまった」という感じなのだけれど、いらした方の温かな言葉の数々に、スタッフ一同とても報われたことは今でもよく覚えている。





そんなリオタデザインは今年で15周年。

そう書くとそうなんだと思うくらいで、特に感慨も節目感もないのだけれど、あらためてたくさんの方に支えられて今ここにいることを実感する。クライアント、そして一番身近にいて支えてくれる家族やスタッフにも感謝したい。変わらぬ関係でいてくれる仲間達にもありがとうと言いたい。

あと5年、20周年を迎える頃には私は50歳になっている。全く想像がつかない。もっとも、今の自分では想像がつかないようなことになっていてほしい。もちろん良い意味でだけれども。


2012年10月6日
10周年イベント『リオタデザインの10年』@ケースギャラリーにて