21. 03 / 30

銅板の折鶴

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sekimoto

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板金職人の新井勇司さんより、書類と一緒にこんなものが届きました。なんと銅板の折鶴(!)

卓越した板金仕事の美しさは、私は折紙によく例えます。たとえば折鶴は誰しも一度は折ったことがあると思いますが、達人が折る折鶴にはシワ一つなく、全体に張りがあって一目でその違いが分かります。それは迷いなく最小限の手数で仕上げているからなのでしょう。

新井さんの板金仕事のすごいところは、やっていることはとてつもなく高度なのに、それを見ると自分にでもできるんじゃないかと思わせるところにあります。卓越したプロの仕事ってそうですよね。あまりの鮮やかさに思わず真似したくなるのだけれど、やってみると全く違うものにしかならない。「ほら簡単でしょ」その言葉についだまされてしまうのです。

この折鶴がそうです。
「ほら簡単でしょ」新井さんの声が聞こえてくるようです。


板金職人・新井勇司さん

21. 03 / 27

FP探訪

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sekimoto

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今から6年前ほど前に建もの探訪でオンエアされたFPという住宅を観て以来ずっと想いを内に秘め、ようやく設計のご依頼を下さった建主さんをFPにご案内。

これまで何度も録画を観て下さったそうですが、憧れの住宅に来れたと感激して下さいました。設計者としてもこんな嬉しいことはありません。

Sさん、今日はご対応ありがとうございました!



21. 03 / 25

献身の構造

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sekimoto

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新年度より編集長を引受けることになったBulletin(JIAの支部広報誌)の通年テーマは「協働のかたち」。その第一弾として6月発行の夏号では「エンジニアとの協働」を取り上げ、本日アラップのエンジニア達にインタビュー取材をさせて頂いた。

エンジニアは優しい。昔からそう思う。友達にするならエンジニアに限る。彼らは謙虚なのだ。建築家の言葉に耳を傾け、我々がそこで何をしたいのかを注意深く拾い上げてくれる。優れた建築を作る上で、我々にとって最高のパートナーといえるだろう。

一昨日に拙著の刊行記念として、工務店の監督と出版社の編集者と共に登壇した。そこでも同じ事を感じた。彼らもまた優しいのだ。やはり設計者の、あるいは執筆者の言葉や意図を注意深く拾い上げ、相手がそこで齟齬なく自己表現が出来るように、最高のお膳立てをしてくれる人たちなのだ。

拙著に「我々はどこを向いて仕事をするのか」というコラムを書いた。我々の場合それは建て主であると。社会は献身の構造で出来ている。独りよがりな人には仕事は残せない。そう思う。少なくとも私の周りにはそういう人で溢れている。ただ、感謝しかない。

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家具建具でいつもお世話になっている藤沢木工所の藤沢さん品田さんが来社くださり、直近の住宅現場の家具について打合わせた。

先に刊行された拙著にも書いたのだけれど、うちは工務店が変わっても、可能な限り同じ家具・建具業者さんを使うようにしている。もう少し書くと、藤沢さんにお願いするようにしている。理由はひとつで、信頼しているからだ。

同じように、板金は新井勇司さんに、造園は小林賢二さんにという具合に、頼む人が固定化しつつある。工務店も固定化してきた。もうすぐでドリームチームが出来上がる。

建築は人がつくる。当たり前のことだけれど、当たり前じゃない世の中だ。いまだに家を「買う」という表現をする人がいる。家は買うのではない、作るのだ。誰が作るのか?職人さんが作るのである。

職人さんは光の当たらない職業である。建物が完成したら、その賞賛は設計者が一身に受ける。嬉しくも、いつも申し訳ない気持ちになる。職人さんにとって一番嬉しいことは何か?それは自分の仕事が認められることだ。

だから職人さんの素晴らしい仕事には、なるべく口に出して感謝の気持ちを表したい。そして指名したい。あなたと仕事がしたいと。素晴らしい図面を描くことも大事だけれど、ものづくりでもっと大事なことはそういうことだ。

藤沢木工所の職人が、近所の本屋に行ったら私の本が売っていなかったとぼやいていたそうだ。なんだか嬉しい。自分たちの仕事が本になったというのは誇らしいことだと思う。

我々の図面は細かい。でも藤沢さんの仕事はもっと細かい。そこでようやく釣り合う。誰とでもじゃない。釣り合わない人とは仕事ができない。

建築は人がつくる。相性の良い者同士が集まってつくる。建主さんも我々と相性が良い人だけがいらっしゃる。そうやって作られるものは、最高のものしかできない。難しいようで簡単なこと。そう思いませんか?



このたび、リオタデザインの仕事も紹介されている以下の本が発刊されました。

『居心地のいい家をつくる注目の設計士&建築家100人の仕事』
パイインターナショナル
>> Amazon

タイトル長っ。ただ、内容はタイトルの通りです。一方で設計士と建築家の区別ってなんだろう?と思ったりもしますが。

基本的には各建築家とも見開き2Pの紹介で、写真メインで住宅の説明文などもありませんが、インスタグラムなどを眺めながら気軽に「いいね!」を押す感覚というのでしょうか、気になったらその事務所のサイトに飛べば良いわけで、極めて現代的で的を射た編集だなあと思います。

事務所選びの手がかりとしても使えますが、これから家づくりを始める方にとってはイメージの助けとして、また夫婦間でのお互いの好みの答え合わせにも使えるのではないかと思ったりもします。ちなみに、うちの事務所からは「パーゴラテラスの家」「玉川上水の家」「TR」の3題を収録して頂きました。

なんといってもこの金表紙。出版社の本気度が見えます。

昨年も同じ出版社から出た同様のコンセプトの書籍にも収録頂いたのですが、今回は目次を見ると、第一線のトップランナーたちが名を連ねていてこちらにもびっくり。よくぞ集めましたね。ここに含めて頂けたことを大変光栄に思います。