23. 07 / 28
藤沢木工所へ
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sekimoto
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> 仕事
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昨日はここ数年、うちの家具建具の製作を一手に引き受けて下さっている藤沢木工所に足を伸ばしました。
藤沢さんは家具と建具両方を作れる工房で、ほかの家具屋さんに言うと嫌がるような細かい仕事を何も言わなくてもやって下さるとても気持ちの良い業者さんなんです。
新潟の長岡の田園風景の中にある社屋には、田んぼを吹き抜ける涼しい風が吹いていました。工場の窓からはこの景色!

志木から長岡まで片道3時間。でもこの距離を飛ばしていつも現場に来て下さっているんですよね。都内現場だとそれ以上ですね。もう感謝しかないです!
会社にはすでに30年選手の機械が現役で働く傍ら、高周波プレスなど最新鋭の機械も並んでいました。
30年前の加工機なんて時代遅れだと思うじゃないですか。それが違うんです。今の機械掘りはルーターなので丸い穴なんですね。この加工機は角の立った平ノミの溝をきれいに掘ってくれる機械なんです。これが壊れたらもうこの機械は手に入らないそう!
機械に張られたメモ用紙にびっしり入力値が書かれています。これは藤沢木工所の歴史そのものですね。



職人さんもキビキビ働いていて、いろいろ製作風景も実演して見せて頂きました。別の棟の倉庫にはお宝のような材木がびっしり!
いつも神精度の家具建具を製作下さる藤沢さん。そのクラフトマンシップを存分に体感しました!

行きには元スタッフの吉里が内装を手がけたへぎそばの名店、わたや平沢店にも寄らせて頂きました。こっちのお蕎麦も絶品でした。もちろん吉里の仕事も!
スタッフにとっても良い研修になったことと思います。藤沢さん、お忙しい中ご対応ありがとうございました!


昨日ははるばる奈良まで。ケイミューさんの奈良テクノセンターにて社員さん向けのセミナーをさせて頂きました。
ケイミューさんといえば、外装のサイディングや屋根のカラーベスト(コロニアル)で有名ですが、これまでそれらを一度も使ったことがなく、どちらかといえば否定派の私。いったいどんな話をすればと思っているところに、到着早々「板金派の関本さんですよね」とカウンターパンチ!
事前質問でも「なぜカラーベストを使わないのか?」というものが多く、軽く責められている感じ?これまでの人生ではじめてカラーベストのことを考えた一日になりました。セミナー最後に「どうして私がカラーベストを使わないのか」について話した時の、地獄のような空気が忘れられません!!
でもケイミューさんは、私がなぜカラーベストが使えないか?に応えたラインナップをちゃんと用意しているんですよね。これSOLIDOの影に隠れてあまり知られていないかもしれないのですが(私だけ?)、画期的な外装材もあって、現在全面採用を前提に進めている案件もあります。最後にはそんな打合せも。
だからケイミューさん許して下さい!板金派からケイミュー派に乗換えを検討中です!?




OMソーラー主催の小泉誠さんのオンラインセミナーが昨日あり、私は特別ゲストということで相羽建設の会場から参加させて頂きました。
私は3週間前のわざわ座セミナーで登壇し、同様に小泉誠さんとセッションさせて頂きましたが、今回はその逆の立場で質問役ということでの登壇でした。リアルSWITCHインタビューのようでもあり、状況も含めて楽しませて頂きました!
今回のセミナーの事前登録者数は450名超!さすがですね。セミナーも今回のためにゼロベースで構築されたそうで、意外なことに「インテリアデザイン」というテーマで話をするのは初めてだったのだとか。
私にとって小泉誠さんは、駆け出しの頃からの憧れのデザイナーのひとり。そのミニマルな線や素材使い、機能を直球ではなく一癖あるカーブをかけて返すトンチなど、この発想はどこからくるのだろうといつも不思議でなりませんでした。
思考を重ね、手数を増やすほど線が減っていくというデザイン手法は、トランプで言うところの「ばば抜き」をするような感覚に近いのかなと思ったり。最後のセッションも示唆深くとても楽しい時間でした。
ちなみに私のハートシャツ、前回の私のセミナーで小泉さんがハートのドットシャツを着てきてくれたことへの返歌のつもりでしたが、結局セミナーでで触れてもらえなかったので、ただのハート好きなヒトになってしまいました…。ここで補足させて頂きます。
小泉さん、相羽建設さん、どうもありがとうございました!



映画「アアルト」がいよいよ10月13日に全国ロードショーとなります。今日はその関係者向け試写会があり足を運んで来ました。
映画「アアルト」
https://aaltofilm.com/
この映画は本国フィンランドではすでに公開され、ユッシ賞(フィンランドのアカデミー賞)で音楽賞や編集賞を受賞している映画になります。日本では2020年に封切られる予定だったところコロナで公開延期、3年後の今年ようやく満を持しての公開となります。
私は2020年の関係者試写会で一度鑑賞させて頂き、その素晴らしい内容に大感激したのですが、その内容には触れられないという箝口令が敷かれていたのでこれまでずっと黙っていましたが、ようやく言えます。これ本当に素晴らしい映画なので、是非劇場に足を運んで下さい!!
もっとも衝撃的なのは、モノクロ写真でしか見たことがなかったアアルトが、スクリーンの中でフルカラーで動き、そして語っていることです。アイノとのハネムーンの秘蔵写真やら映像、夫婦の間で交わされた赤裸々な手紙の内容も本編ではモノローグで語られ、本編を貫く美しいストーリー軸にもなっています。
高画質ドローン撮影されたパイミオサナトリウムやマイレア邸、夏の家など、その美しい映像は建築の鑑賞としても十分に耐えられるレベル。これを眺めるだけでも十分に価値があります。
ほかにもクリスチャン・グリクセンのインタビューがあり、ナレーションにユハニ・パッラスマー、エサ・ラークソネン、ヨーラン・シルツなど、これまた鼻血が出そうなレジェンド陣でびっしり固められています。これはもう、本当にすごいことなんですから!サッカーなら、ジーコからペレからマラドーナまで全部出てくるやつです。
でもやっぱりなんといっても、動くアアルトでしょうね!もうたまらないです。幕末好きなら、坂本龍馬を演じている役者じゃなくて、本物の龍馬が出てきてしゃべってる映画を見せられている感覚といえば良いでしょうか。
アアルトってよくわからないという人、アアルト大好きになっちゃいます。そしてパンフレットには私も寄稿しています(これは嬉しかった!!)。とりあえず前売り買って、10月までお待ちください!



【建て主アンケート】 小川の家|2021年竣工
[小川の家]
DATA
○家族構成:3人家族/ご夫婦+お子様(3歳)※設計当時
○竣工写真:https://www.riotadesign.com/works/21_ogawa/
◇
■この一年を暮らしてみて
Q. 良かったこと/気に入っているところは何ですか?
【良かったこと】
庭の木々や植物から季節の移ろいを感じ、日々の生活が満たされるようになりました。また、庭で焚き火や果物の収穫が出来るようになったので、子供に様々な経験をさせることが出来るようになりました。あと、集合住宅に住んでいた時は、ハウスダストのアレルギーで体調が優れない時期があったのですが、それがなくなり健康で充実した日々を送ることができています。
【気に入っていること】
たくさんありますが、住みやすさ、デザイン、性能、周辺環境との調和、サイズ感、家事がしやすい間取り、ルンバ・食洗機・乾太くんなどの時短家電が使いやすい所です。
Q. これは失敗だった/後悔しているところはありますか?
失敗や後悔という訳ではないのですが、中庭を有効に使う方法を考え中です。また、生活してみると、窓を開ける機会が多くなかったので、開けない窓はフィックスでも良かったと思いました。
Q. 生活してみて、それまでの生活と変わったことはありますか?
エアコン1~2台で快適に生活出来るようになりました。また、太陽光パネルやパッシブな要素を入れて頂いたので、季節や天気に応じて家電を使う時間やスクリーンの開け閉めを考え、家じゅうの温度・湿度をコントロールすることを意識するようになりました。
■リオタデザインについて
Q. 設計事務所で家づくりをしようと思ったのはなぜですか?
最初はモデルハウスにも見学に行きましたが、ハウスメーカーだと自分が良いと思える家がなく、一生に一度の買い物なので、後悔したくないと思ったからです。
Q. リオタデザインをどのような経緯で知りましたか?
様々な設計事務所を調べている中で、リオタデザインのHPを見つけて興味を持ちました。
Q. リオタデザインに決めた理由は何ですか?
リオタデザインのHPや関本さんの本を読んで、ここなら理想の家が建てられるのではないか感じました。そして、関本さんに直接お話を聞いたり実際にオープンハウスに伺ったりして、その思いが強くなり依頼することに決めました。
Q. 弊社以外に検討した選択肢(ハウスメーカーや他の設計事務所)はありましたか?
工務店に直接依頼することも検討しましたが、最終的に間に設計事務所が入った方が、検査体制やデザイン性などがより良いものになると感じました。
Q. 設計依頼前と依頼後で、印象が変わったことはありましたか?
大きく印象は変わりませんでした。
Q. 家づくりのプロセスで大変だったことや、印象に残っていることはありますか?
書籍やネットで情報収集をしているうちに、性能の数値を意識するようになり、どこまで追求するのかについて悩みました。
Q. リオタデザインに改善してもらいたい点はありますか?
改善ではありませんが、デザインと性能の両立を更に突き詰めていってほしいです。
■その他思うことがありましたらなんなりと!
夜、庭で焚き火をして、家の中から眺めていると、とても幻想的で時間を忘れてぼーっと出来ます。この贅沢な時間は、リオタデザインで家を建てたからこそ得られた時間だと感じます。それから、関本さんをはじめ担当して頂いた元スタッフの矢嶋さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。

◇
[竣工2年目を迎えて] ~関本から
建て主のSさんがはじめて弊社にご相談にお見えになったのは2018年のこと。ご実家の所有地に家を建てたいというご相談でしたが、法的な問題などもあり、その後2年近くの中断期間を経て2020年に敷地を変更して設計が再開されました。
控えめな建て主ご夫婦からは特殊なプラン上のご要望は特にありませんでしたが、断熱性能や環境性能などについて熱心にお調べになり、住宅には高い性能を求められていました。
弊社もデザインと性能の両立を標榜しつつも、コストの壁もありいつも”ほどほど”のところで筆を置くことが多かったのですが、この案件ではもう少し踏みこんで、充填断熱など一般的な工法の枠組みの中でどこまで性能が上げられるのか、大きなチャレンジとなった案件でもありました。
わずかな小数点の数字を上げるのにこんなにも苦労するのか!と当時は戸惑いもありましたが、それゆえにこの家での設計経験は我々にとっても大きな経験値となり現在の設計にも活かされています。Sさんにはそういう意味からも大変感謝しています。
一方で、キッチン周りの収納についても事細かに条件を整理して下さり、我々も精度の高い設計をまとめることができました。生活感は残しながらも凛とした美しさのあるSさんのキッチンは、その様子を竣工写真からも窺うことができますが、この家に流れるSさんの美意識が端的に現れた場所であるようにも思っています。
繊細さと大胆さ、緻密さとざっくり感とが入り交じった「小川の家」は、我々にとってもお気に入りの仕事でもあります。本アンケートへのご回答、ならびに雨が続いて延期が続いた撮影にも根気強くお付き合い下さいまして誠にありがとうございました!引続き、末永いお付き合いをお願い致します。
また精度の高い施工を涼しい顔でご対応下さった(いや、我々の見ていないところで相当な苦労があったはずですが!)、松本建設さんにもこの場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。こちらもありがとうございました!
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