24. 02 / 26

建築知識3月号

author
sekimoto

category
> メディア
> 仕事



建築知識3月号は模型特集。「花小金井の家」をプロのモデラーに模型制作して頂きその制作プロセスを解説いただいたほか、我々がつくるスタディのラフ模型やプレゼン模型の勘所についても解説させて頂きました。

また昨年竣工の「越屋根の家」についても再取材&撮影をいただき、見開き4Pにわたってご紹介頂きました。こちらもご掲載をありがとうございました!

企画段階では、CGが全盛になりつつある今、模型の特集を組むことについて担当編集者さんにも不安や迷いがあるようでした。

うちはいまだに模型主義を貫いています。単にそういうソフトを扱うスキルがないこともあるのですが、模型の本質は設計の抽象化にあるような気もしていて、リアルの追求ではなく、抽象化するからこそ見えてくる骨格やプロポーションの確認は、図面と同じくらい重要なプロセスのような気がします。

何より建主さんに喜ばれるんですよね。模型を見せると「わぁ!」となりますし、担当スタッフにとっても、私が考えた案を自分の手で立体にすることで、自分に引き寄せて空間を理解することにつながっているとも感じます。

最近では事務所にも模型の置き場がなくなり、竣工すると建主さんにプレゼントしてしまうのですが、これもまた喜ばれます。玄関などに特注のアクリルケースを被せてディスプレイして下さっていたり、それを見るのもやっぱり嬉しいものです。

我々は修行した事務所で手描き図面を描いた最後の世代だと思っていますが、今いるスタッフにはプレゼンで模型を作る最後の世代になるよと言っています。そのうち、スコヤを使ってスチレンボードを面取りしながら模型を作った経験を、彼らも懐かしく語って聞かせる時代が来るかもしれませんね。